「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

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「茶人」は、人間性の大きい、精神的にタフで強い、場のムードメーカーになれる人間だ!「細川父子」!

2014年10月16日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「戦国武将考察編」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・昨日、細川ガラシャさんを見たから、「茶人とは何か?」をテーマに「細川忠興、細川幽斎さん」を見ていこうよ」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「細川幽斎さんって、調べていてわかったんですけど、元は幕臣の三淵 晴員の子供だったんですね・・・知らなかったな」

と、レイカは言葉にする。

「その三淵 晴員も、元は、和泉守護細川元有の子なんだから・・・なんだか、行ったり来たりの感じだねー」

と、タケル。

「いずれにしろ、幕臣として重要な血筋だったと言う事ですね」

と、レイカ。

「そういう事だろうね」

と、タケル。

「細川藤孝と言えば・・・なんと言っても、足利義昭を将軍にしようと奔走した人物として有名ですよね」

と、レイカ。

「そうだね。明智光秀らと共に奔走し、足利義輝が暗殺された時に、足利義昭を助けだしたエピは有名な話だね」

と、タケル。

「しかし・・・わたし、思うんですけど、足利義昭の人間性って軽いって言うか、小さいし、深みが無いじゃないですか・・・こんな人物に将軍職を渡しても」

「世の乱れの元にはなっても、乱世を纏められるはずがないんですけど・・・藤孝は、それに気づいていなかったんでしょうか?」

と、レイカ。

「いや、気づいていただろう。むしろ、気づいていたからこそ、その軽い性格を利用しようとしたんじゃないのかな?」

と、タケル。

「・・・と言いますと?」

と、レイカ。

「藤孝は、六角義賢、武田義統、朝倉義景に将軍任官の協力を求めている。だが、この3人共、人間的に大きくなかった。決断力にも乏しく、精神的にも弱かった」

「その3人を知った後、織田信長に出会えば・・・人間性はデカく、度量海の如し、さらに果断に決断出来る織田信長を藤孝が見た時」

「「時代はこのオトコの元にまとめられるだろう。足利義昭には、その織田信長様の天下をまとめるための道具となってもらおう」と即決断出来たはずだ」

と、タケル。

「なるほど・・・人間を直接見てきた藤孝だからこそ、信長の価値をいち早く知り、足利義昭の利用の仕方も見えた・・・と言う事ですか?」

と、レイカ。

「僕は細川藤孝を通して、茶人と言うモノを考えた時・・・茶と言うのは、四畳半の小さなスペースで顔を突き合わせ、それこそ腹を割って話す場だろ?」

「要はそこは、相手の人間性の大きさ、小ささ、相手の精神力の強さ、弱さ、すべてが露呈する場所だよ・・・つまり、茶人とは一言で言うと」

「他人の人間性と精神力をすべて見通す人間達・・・であり、当人の人間性がデカく、精神的に強い為に、他人が同じ場所にいたいと望む人間たち・・・」

「少なくとも場の空気をリードするムードメーカー的な人間である事が求められると見ているんだ」

と、タケル。

「それって「将軍の性格ポテンシャル」ですね。場を仕切る能力とでもいいましょうか・・・」

と、レイカ。

「人の上に立てる基本的な能力だよ・・・人間性がデカく、精神的に強い・・・だからこそ、皆に愛される・・・それが人の上に立てる、日本文化的条件さ」

と、タケル。

「細川藤孝は、三条西実枝に古今伝授を受け、二条派正統を一時期継承していますが、もちろん、教養人として一流の才能を見せた事が古今伝授を受けた」

「直接の理由でしょうけど、その根本として、皆に愛される人間性だった事も挙げられますよね?」

と、レイカ。

「ああ。日本人は人物に対しては好き・嫌いで評価するからね・・・つまり、好ましい人間性を持つ藤孝だったからこそ、多くの情報が集まったと考えるべきだね」

「実際、古今伝授なんて・・・自分が大切に守ってきたモノを他人に譲り渡すのは、それこそ、「このオトコなら」と思える好きになれるオトコでなければ」

「「嫌いだけど実力抜群だから、渋々・・・」なんて事はあり得ないだろ」

と、タケル。

「そうですね。細川藤孝も、人間性の大きな、精神的に強いオトコだったんですね。細川忠興も、昨日、考察した時に、2000通以上の書簡を出していると」

「言う事から、多くの人間から信頼を受けていた人物と言う事で、人間性が大きく、精神的に強いオトコだった事がわかっています」

と、レイカ。

「それは藤孝の血を細川忠興が継いでいると言う事が原因なんだろうね。その人間性の大きさと精神的な強さは・・・」

と、タケル。

「茶室に入ると・・・そこには何の虚飾もなく、正対する人間同士があるだけで、人間性の小ささや、精神的な弱さが露わになる場所だ・・・と」

「多くの戦国武将が言葉にしていますね・・・」

と、レイカ。

「だから、多くの戦国武将が茶を怖がったんだよ。自分のすべてが顕になっちゃうんだから」

「だから、千利休と言う人は余程、人間性が大きく、精神力の強いオトコだったんだろうね・・・茶を主催出来るとは、そういう事だからね・・・」

と、タケル。

「その利休の高弟のひとりに細川忠興がなっていますから・・・余程、人間性が大きい、精神的に強い人物だったんでしょうね、細川藤孝、細川忠興父子は」

と、レイカ。

「細川父子と言えば、本能寺の変後、親戚でもあった明智光秀の誘いを断り、細川藤孝は隠居し、幽斎と名を改め、親子で髻を取り、謹慎したエピが有名ですね」

と、レイカ。

「茶人と言うのは、他人の中身を見抜ける人間だから、高度な政治家でもあるんだ。だから、明智光秀が敗北する事は当然、見抜いていただろう」

「だいたい、筒井順慶あたりでも、それを見抜いているんだから、茶人である細川父子なら、当然見抜くさ・・・」

と、タケル。

「織田信長の気宇壮大な人間性の大きさと精神力の強さを見抜き時代を託した細川藤孝・・・明智光秀も当然、同じ思いだったと思うんですが」

「その明智光秀は、信長を殺してしまった・・・細川藤孝は、本能寺の変の時、どんな思いだったんでしょうか」

と、レイカ。

「細川藤孝は、明智光秀の人間的な弱さ、精神的なタフさに欠けるところがあるのを日頃から見抜いていただろう」

「僕は、本能寺の変こそ、信長は天皇家を危うくする存在と見誤った明智光秀による一人芝居だったと思っているけど、彼に決定的に欠けているのは」

「場の主役になれないと言う、その性格だ」

と、タケル。

「信長の集めた茶器の名物をその価値のわからぬ部下に分け与えたエピを見ても・・・そうでもしなければ、彼は場の主役になれない人間だったんだよ・・・」

「そんなんじゃ、天下どころか・・・そのコミュニティの主役にすら、なれないよ。そんな人間が天下を保てるわけが無い・・・」

「細川藤孝は、そこまで、しれっと見切っていたんだろう。とにかく、彼らとすれば、謹慎を世に示す事が重要な政治だったんだ・・・」

と、タケル。

「・・・と言う事は、明智光秀は、途中から「知識者」の「俺偉い病」にして「思考停止者」になっていたと言う事ですか?」

「細川父子が、二人共「知恵者」にして「純思考者」だったのに、比べて・・・」

と、レイカ。

「まさにそういう事だよ。信長にしては珍しく、人間を見る目を誤ったのがまさしく「思考停止者」になっていた明智光秀と言う事になる」

と、タケル。

「「知識者」の「俺偉い病」の「思考停止者」って「自分はたくさん知識を持っているから、偉いのだ」と「思考停止者」と化しているから」

「「知恵者」がどれだけ考えて、決断を下しているか、理解出来ないんだよ。だから、「絶対の知恵者」である織田信長をしたり顔で諌めちゃったりするわけ」

「ま、そういう明智光秀は、本格的なバカだけどね・・・」

と、タケル。

「わたしも「思考停止者」は本格的なバカだと思いますけど・・・それを見抜いていたのが、細川父子と言う事になりますね・・・」

と、レイカ。

「それにしても、細川藤孝ってすごいんですね。調べれば調べるほど、すごい・・・武芸百般に通じ、剣は、あの剣聖、塚原卜伝に習っているんですね」

「弓術も印可を得ているし、和歌・茶道・連歌・蹴鞠に通じていて、さらには囲碁・料理・猿楽などにも造詣が深い・・・ある意味、オールマイティーなんですね」

と、レイカ。

「なるほど・・・彼はオトコマエ3要素「好奇心旺盛」「チャレンジング・スピリッツ旺盛」「サービス精神旺盛」で人間性を大きくしたタイプだな」

「そして、もちろん、失敗の経験も豊富・・・だから、精神的にもタフだし、強かった・・・そういうわけだったんだ・・・」

と、タケル。

「そして、その血・・・DNAは細川忠興にも受け継がれた・・・そういう事ですね」

と、レイカ。

「そういう事だ。なんだ、割りと簡単に解けちゃったな・・・細川父子が茶人としても大成出来た理由が・・・」

と、タケル。

「結局、オトコマエ3要素で生きてくれば、人間性が大きく、精神的にも強くなり、皆に愛されるようになるから、場を絶対的にコントロールするムードメーカーになれる」

「・・・それが茶人であり、高度な政治家になれる条件でもある・・・そういう結論ですね?ゆるちょさん」

と、レイカ。

「そういう事だ。日本人はすべからく、そういう生き方が求められるのさ」

と、タケルが言うと、レイカは目の笑ういい笑顔でコクリと頷いた。


「さ、ゆるちょさん、結論も出たことだし、今日は存分に飲みましょう!」

と、レイカは赤縁のメガネを外し、髪を解いた。

「レイカちゃん、本気だね。じゃ、気合いれて飲もうか!」

と、笑顔のタケルは机を片付けだすのでした。


(おしまい)


結局、この日本では、人間性が大きく、精神的にタフで力強いオトコが、皆に愛され、大成していくと言う事です。

場のムードメーカーになれるということが、その証左になりますからね。

ま、そういう男性が女性に愛されるわけですから、

人生愛された者勝ち!と言うことにもなりますねー。


さあ、楽しく飲みましょう!


ではでは。

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