おはようございます!
もう、九月だよね。
あのー、朝から、太陽がものすごいんですけど!(笑)
朝、走っていると、
「ここは、熱帯か?」
というほど、熱いし、まとわりつく湿気!
というわけで、全然、夏のまんまな、感じの九月ですねー。
というわけで、久しぶりの村上論考!というわけで、
今回は、青豆さんのストーリーということで、どうも僕は、この女性向けストーリーである、
青豆さんの話の方が、好きなんですね。これ、天吾くんのストーリーは、奥手男性向けなんで、
合わないんでしょうね。青豆さんは、やり手肉食系ですし、まあ、そういう意味じゃ、
僕は女性的な感性を持っているんでしょうかねー。まあ、以前から、村上作品を楽しんできましたし、
村上さんの読者は、女性が中心ということを考えると、村上さんは、女性向けに作品を綴ってきたんでしょうけど、
どうも、それが、好き!ということが、わかって、俺って、おっかしいのかね・・・という感じがします。
まあ、この章は、女性のひそひそ話!の章!という感じで、いろいろ秘密の匂いのするひそひそ話が、語られて、
もう、女性が大好きなストーリーですね。だいたい女性というのは、こう、ひそひそ話が、好きですし、
少し秘密がある・・・というスパイスが効果的ですからね。
まあ、感じとしては、「柳屋敷の老婦人との出会い」と「男をナンパするパートナーとの出会い」
というあたりの話で、なかなか、興味深い話が、提示されています。
ま、Vittelなど、ぐびびと飲み干しながら、ゆるゆると論考に入っていきましょう!
さて、青豆さんは、睾丸の蹴り方のエキスパートなんだそうで、自分の身を守るため、という漫然とした理由だけでなく、
それが、女性としての積極的な生き方であると、どうも、考えているようです。
そのために、蹴り方のパターンについても、日々研鑽し、実地練習を欠かさない、というわけで、エキスパートになっちゃっているわけです。
これね。女性からすれば、
「睾丸を蹴り上げる!」
という言葉の響きもちょっとエロス入っているし、やっぱり、ひとつの夢(?)だったりするんじゃないですかね(笑)。
やっぱり女性って、生きていれば、何回かは、根源的なレイプに対する恐怖!というものに、出会うでしょうし、
あれは、こわいですね(笑)。なんで、おまえが知っているんだ?ということになりますが、それ、話しますか。
実は、僕は、けっこう昔ですけど、スナックに自転車トレーニングの格好で、行ったことあるんですよ。
メットして、アイウェアをつけて、ボディラインがバリバリにでる派手なサイクルウェアを来て、もちろん、グラブもしてね。
まあ、職場の飲み会だったんで、コスプレのつもりで、一次会に出たら、やたら好評で、そのまま、二次会まで、行っちゃった、というわけで、
やたら、モテました。まあ、そういうことをやるひと、いないでしょうからねー。でも、僕はやるんですねー。
ウケるためにはねー。もう、課長とか、うれしがっちゃって、「由美ちゃん物語」に出てた、須賀田課長のモデルですけどね(笑)。
そいで、スナックとか、行っちゃうわけですよ。でね、そのスナックには、まあ、同じ会社の別の職場の知り合いのおじさんとか、
来てたわけですけど、このひと、酔うと、思ったことをやっちゃうひとなんですね。普段は温厚なスポーツマンなんですけど、
このひとが、僕の局部を触りたがるんですよ。まあ、サイクルウェアって、バリバリにボディラインが出ているんで、
まあ、セクシーなアピールをしちゃう部分があるんで、さらに、パンツはいてませんからね。直ですからね。
だから、触ってみたくなったんでしょうけど、その時、正直、こわかったです。
飲みながら、なんとか、逃げまくりましたけど、いやー、酒飲んだ、おやじは、こわいです。
もうね、ほんとに、
「これは、レイプの、疑似体験では?」
と、思いながら、その根源的な恐怖に、おののきましたねー。
あの知り合いが、変貌してく感じ。
「あれ?俺の体を、ひょっとして、求めてるぅ?」
と、ビビる感じ。
誰も、信じられなくなる感じ。
自分が、たったひとりになる感じ。
そして、大切なものが、奪われそうな感じ。
いやあ、レイプって、こわいです・・・。
ちょっと脱線しましたね。元に、戻しましょう。
そういう恐怖を前提に、青豆さんは、睾丸の蹴り上げがいかに重要かを、まあ、主張するわけです。
相手の弱点に、最大の攻撃を加える。
これこそが、男性に勝ち得る、唯一の方法だと。
僕も、じつは、そう思っていて、あるストーリーで、そういう方法を使おうか、と思っていたんで、
これ読んじゃって、うーん、というところですが、まあ、そっちは、予定通り、行きますけどね。
で、睾丸を蹴られたら、男性は、どう感じるか、ということについても、語られるわけです。
「あれは、じぎに世界が終わるんじゃないか、というような痛みだ。他にたとえようがない」
と、ある男性に言わせて、映画「渚にて」との関連性を話したりするわけですけど、
要は、この男性の言うところの、
「そこには、ただ深い無力感しかないんだ。暗くて切なくて救いがない」
という言葉を、象徴的に映画で、示した、ということなんですね。
キンタマを蹴られた体験は、僕はないですけど、よく球技とかで、ボールが当たって死ぬ想いをしたことは、
子供の頃、よくありましたね。鈍痛ですよ、あれは。
こう、鈍いんだけど、ものすごい、痛み。
つまり、最も、男性の体の中で、守らねばいけない場所だ、ということなんですよ。だから、一番痛く感じる。
まあ、精子工場ですから、無くしたら、生物として生きる意味がありませんからね。
生物の意味とは、先祖から受け継いだDNAを、さらに進化させて、次の世代へ、つなぐことですから、
晩年、というか、年をとってから、子供を作る、というのは、生物的には、最も意味のある行為になるんですよね。
だって、若い頃に作ったら、まだ、DNAデザインが完成していないってことでしょ?
と、そんなことを考えたりしちゃいますね。
でも、女性は、男性の睾丸を蹴るという行為に、あこがれを、感じるんでしょうか。
感じるんでしょうね。普段、体力的には絶対に勝てないわけですから、そこに勝利を得るというのは、快感でしょうからね。
まあ、そういうネタとしての、睾丸蹴りが、提示されているわけですね。
青豆さんは、大学卒業後、企業の女子ソフトボール部のエースで、四番を努めた、そうですが、大塚環が、死んだ翌月に退職したそうです。
出ました、大塚環!青豆さんのレズビアン相手・・・なのかな。とにかく、読者が忘れないように、死というスパイスをふりかけて、
ここに提示して、少女のレズビアンやら、少女のオナニーやらの話を女性読者に、思い出させているわけです。
その後、青豆さんは、スポーツクラブに入社、睾丸蹴りのクラスを立ち上げ、人形に睾丸をつけ、蹴りの練習をするインストラクターになっちゃうわけです。
これ、ビジュアル、すごいよね。女性が、嬉々として、睾丸蹴りの練習していたらねー(笑)。
で、もちろん、マネージャーから、注意されちゃうわけです。
でも、青豆さんは、男性会員に不安や、苛立やら、不快感を与えることに、毛ほども、後ろめたさを感じないんだそうです。そして、
「力づくでレイプされる側の痛みに比べたら、そんな不快感など、とるに足らないものではないか」
として、どうも青豆さん、若い頃に、力ずくのレイプ、という体験をしているようです。
いや、あれは、根源的な恐怖だよね・・・。
であれば、睾丸蹴りに固執する青豆さんの気持ちもよくわかります。
なにしろ、後輩の男の子に、防具をつけさせて、実践してみたりしているわけですからね。
それで、後輩の男が泣き言をいうくらいですから、まあ、気合入っているわけですね。
で、青豆さんは、セックスライフを楽しむべく、シングルズバーというところに、来ているわけです。
シングル同士、声をかけあい、エッチを楽しむ。
そんなところが、あったんだ?
まあ、青豆さんは、例のごとく、頭の形のいい中年が、好きなんで、若いガキに声かけられても、無視を決め込むわけですけど、
若い子というのは、青豆さんにとっては、
「彼らは、鼻息が荒く、自信だけはたっぷりだが、話題が乏しく、話がつまらない。そしてベットの中では、ガツガツとして、セックスの本当の楽しみを知らない」
だそうです。まあ、
「どうせ、エッチが目的なのに、話なんて、必要ある?」
とか、考えているでしょうからね。若い子は(笑)。
そんな話の中で、「柳屋敷」の老婦人と知り合った経緯が語られるわけです。
その女性は、例のタマ蹴りクラスにいたんですね。そして、ある時、連絡を受け、一緒に食事をすることになる。
それが、元になって、彼女は、女性に個人的にマーシャルアーツを教える先生になるわけです。
そして、マッサージも担当することになるわけです。
食事をしたときに、その老婦人は、青豆さんにそういうことを頼む理由を話すわけです。
「あなたが、口にしたことに感心させられました。無力感についての話です。無力感がどれほどひとを損なうかということです」
で、その青豆さんの話というのは、
老婦人が、
「私くらいの歳になると、特に護身をする必要もないわけですが・・・」
という言葉に対して発せられたもので、
「歳の問題では、ありません。これは、生き方そのものの問題です。常に真剣に自分の身を護る姿勢が大事なのです」
「攻撃を受けることにただ甘んじていては、どこにも行けません。慢性的な無力感は、人を蝕み損ないます」
という言葉なんですね。
つまりこれは、この章での、主張ということになりますね。
「慢性的な無力感は、ひとを、蝕み、損なう」
ということです。これは、睾丸を蹴られた人間も、無力感を感じるわけですから、無力感、という言葉をキーワードとして、
何度も使うことで、強調している、という手法なんですね。
慢性的な無力感・・・。
これは、女性のことを、言っているんでしょうか。
男性には、勝てない、という慢性的な無力感。
それに対抗する、睾丸蹴りを、繰り返す、青豆。
要は、これは、女性への共感を生む作業なんですね。
女性の思っていることを指摘してあげることで、共感を生んでいるわけですねー。
まあ、このあと、老婦人と青豆さんの会話があり、青豆さんの今の仕事につながる、ストーリーへの序章が語られるわけすが、
まあこれは、特に重要じゃ、ありませんね。それより、老婦人が、青豆さんの中身を見抜く場面の、彼女のセリフが重要でしょうね。
「あなたは、何かを内側に抱え込んで、生きているように私には見えます。何かずいぶん重いものを。最初に会ったときから、それを感じていました」
「あなたは、決意をした強い目をしています。実のところ、私にもそういうものは、あります。抱えている重いものごとがあります」
「だから、わかるんです。急ぐことはありません。しかしいつかは、それを自分の外に出してしまった方がいい」
「私はなにより口の堅い人間ですしいくつかの現実的な手立ても持っています。うまくすれば、あなたのお役に立てるかもしれません」
まあ、青豆さんは、この言葉を聞いて、自分の新しいドアを開けたそうですけど、これ、うつ病のカウンセリングとほぼ同じ、内容なんですよね。
「あなたの中にある、なにか、重いものを、外に、出してみたら、どう?ずいぶん、楽になれるわよ」
でしょ、これ?
よく、言われましたよ。まあ、人間話すことで、楽になりますし、おしゃべりというのは、高級なストレス解消方法だと、僕は、思っていますけどね。
まあ、こうやって、書く事で、ストレス解消しているわけですけれどね、僕は(笑)。
そういう、この章の大事なことが、語られた後は、例のセックスパートナー探しの時間なわけです。
まあ、前回は、座っていたら、近くにいい獲物が来たんで、まあ、軽くゲットした青豆さんですが、まあ、毎回、同じだと、
読者もあきますから、今回は、ぽっちゃり感のある女性が、ペアを組んでくれるわけです。
その女性は、なんと、婦人警察官ということで、もちろん、ベレッタの話なんかも出てきて、1Q84要素も忘れずに提示しているわけです。
でも、まあ、ここは、あゆみというその女性と、青豆さんの恋愛事情やら、ひそひそ話で、女性を楽しませるわけです。
そして、あゆみさんのセックストーク、
「たまにセックスしたいなあって思うんだ。率直に言えば男が欲しくなる。ほら、なんとなく周期的にさ。そうするとおしゃれして、ゴージャスな下着をつけて、ここに来るわけ」
「そして、適当な男を見つけて一晩やりまくる。そで、しばらくは、気持ちが落ち着く。健康な性欲が備わっているだけで、べつに色情狂とかセックス・マニアとか」
「そういうんじゃないから。いったんぱあっと発散しちゃえばそれでいい。尾を引いたりすることはない。あくる日からまたせっせと駐車違反の路上取締に励む」
で、女性読者に、
「そうよね。そういうこともあるわよね」
と、思わせている。まあ、女性を楽しませている、という部分なわけですね。
これさ。レイプで、こころが傷付いた青豆さんの成長ストーリーなんでしょ?
だから、最初は、性欲に対する対処療法的なセックスが提示されるんだけど、最後には、こころが、つながる、感動的なセックスを求めるようになる、
成長ストーリーに、なるんじゃないかな?
だって、こころのつながらないセックスって、よくないよ(笑)。
まあ、オナニーより、マシだけど、その程度だぜー(笑)。
ま、あゆみさんの存在もまあ、おもしろいんだけどね。
そんなことを思いましたけどね。それは、ごく普通の反応か。
まあ、とにかく、セックスのために、男性を狩るのは、女性にとって、けっこうワクワク話でしょうから、まあ、女性読者サービスというところでしょうか。
この章は、とにかく、慢性的な無力感は、ひとを損なう、ということを主張することを、中心に語られた感じですね。それが、結論かな。
ということは、何?女性であることは、ひとを損なう、というストーリーを生むってこと?
素直な疑問が生まれました。まあ、これに対する回答は、読み進むうちに、出てくるんでしょうね。
今日も長くなりました。
ここまで、読んで頂いたみなさん、ありがとうございました。
また、次回、お会いしましょう。
ではでは。
もう、九月だよね。
あのー、朝から、太陽がものすごいんですけど!(笑)
朝、走っていると、
「ここは、熱帯か?」
というほど、熱いし、まとわりつく湿気!
というわけで、全然、夏のまんまな、感じの九月ですねー。
というわけで、久しぶりの村上論考!というわけで、
今回は、青豆さんのストーリーということで、どうも僕は、この女性向けストーリーである、
青豆さんの話の方が、好きなんですね。これ、天吾くんのストーリーは、奥手男性向けなんで、
合わないんでしょうね。青豆さんは、やり手肉食系ですし、まあ、そういう意味じゃ、
僕は女性的な感性を持っているんでしょうかねー。まあ、以前から、村上作品を楽しんできましたし、
村上さんの読者は、女性が中心ということを考えると、村上さんは、女性向けに作品を綴ってきたんでしょうけど、
どうも、それが、好き!ということが、わかって、俺って、おっかしいのかね・・・という感じがします。
まあ、この章は、女性のひそひそ話!の章!という感じで、いろいろ秘密の匂いのするひそひそ話が、語られて、
もう、女性が大好きなストーリーですね。だいたい女性というのは、こう、ひそひそ話が、好きですし、
少し秘密がある・・・というスパイスが効果的ですからね。
まあ、感じとしては、「柳屋敷の老婦人との出会い」と「男をナンパするパートナーとの出会い」
というあたりの話で、なかなか、興味深い話が、提示されています。
ま、Vittelなど、ぐびびと飲み干しながら、ゆるゆると論考に入っていきましょう!
さて、青豆さんは、睾丸の蹴り方のエキスパートなんだそうで、自分の身を守るため、という漫然とした理由だけでなく、
それが、女性としての積極的な生き方であると、どうも、考えているようです。
そのために、蹴り方のパターンについても、日々研鑽し、実地練習を欠かさない、というわけで、エキスパートになっちゃっているわけです。
これね。女性からすれば、
「睾丸を蹴り上げる!」
という言葉の響きもちょっとエロス入っているし、やっぱり、ひとつの夢(?)だったりするんじゃないですかね(笑)。
やっぱり女性って、生きていれば、何回かは、根源的なレイプに対する恐怖!というものに、出会うでしょうし、
あれは、こわいですね(笑)。なんで、おまえが知っているんだ?ということになりますが、それ、話しますか。
実は、僕は、けっこう昔ですけど、スナックに自転車トレーニングの格好で、行ったことあるんですよ。
メットして、アイウェアをつけて、ボディラインがバリバリにでる派手なサイクルウェアを来て、もちろん、グラブもしてね。
まあ、職場の飲み会だったんで、コスプレのつもりで、一次会に出たら、やたら好評で、そのまま、二次会まで、行っちゃった、というわけで、
やたら、モテました。まあ、そういうことをやるひと、いないでしょうからねー。でも、僕はやるんですねー。
ウケるためにはねー。もう、課長とか、うれしがっちゃって、「由美ちゃん物語」に出てた、須賀田課長のモデルですけどね(笑)。
そいで、スナックとか、行っちゃうわけですよ。でね、そのスナックには、まあ、同じ会社の別の職場の知り合いのおじさんとか、
来てたわけですけど、このひと、酔うと、思ったことをやっちゃうひとなんですね。普段は温厚なスポーツマンなんですけど、
このひとが、僕の局部を触りたがるんですよ。まあ、サイクルウェアって、バリバリにボディラインが出ているんで、
まあ、セクシーなアピールをしちゃう部分があるんで、さらに、パンツはいてませんからね。直ですからね。
だから、触ってみたくなったんでしょうけど、その時、正直、こわかったです。
飲みながら、なんとか、逃げまくりましたけど、いやー、酒飲んだ、おやじは、こわいです。
もうね、ほんとに、
「これは、レイプの、疑似体験では?」
と、思いながら、その根源的な恐怖に、おののきましたねー。
あの知り合いが、変貌してく感じ。
「あれ?俺の体を、ひょっとして、求めてるぅ?」
と、ビビる感じ。
誰も、信じられなくなる感じ。
自分が、たったひとりになる感じ。
そして、大切なものが、奪われそうな感じ。
いやあ、レイプって、こわいです・・・。
ちょっと脱線しましたね。元に、戻しましょう。
そういう恐怖を前提に、青豆さんは、睾丸の蹴り上げがいかに重要かを、まあ、主張するわけです。
相手の弱点に、最大の攻撃を加える。
これこそが、男性に勝ち得る、唯一の方法だと。
僕も、じつは、そう思っていて、あるストーリーで、そういう方法を使おうか、と思っていたんで、
これ読んじゃって、うーん、というところですが、まあ、そっちは、予定通り、行きますけどね。
で、睾丸を蹴られたら、男性は、どう感じるか、ということについても、語られるわけです。
「あれは、じぎに世界が終わるんじゃないか、というような痛みだ。他にたとえようがない」
と、ある男性に言わせて、映画「渚にて」との関連性を話したりするわけですけど、
要は、この男性の言うところの、
「そこには、ただ深い無力感しかないんだ。暗くて切なくて救いがない」
という言葉を、象徴的に映画で、示した、ということなんですね。
キンタマを蹴られた体験は、僕はないですけど、よく球技とかで、ボールが当たって死ぬ想いをしたことは、
子供の頃、よくありましたね。鈍痛ですよ、あれは。
こう、鈍いんだけど、ものすごい、痛み。
つまり、最も、男性の体の中で、守らねばいけない場所だ、ということなんですよ。だから、一番痛く感じる。
まあ、精子工場ですから、無くしたら、生物として生きる意味がありませんからね。
生物の意味とは、先祖から受け継いだDNAを、さらに進化させて、次の世代へ、つなぐことですから、
晩年、というか、年をとってから、子供を作る、というのは、生物的には、最も意味のある行為になるんですよね。
だって、若い頃に作ったら、まだ、DNAデザインが完成していないってことでしょ?
と、そんなことを考えたりしちゃいますね。
でも、女性は、男性の睾丸を蹴るという行為に、あこがれを、感じるんでしょうか。
感じるんでしょうね。普段、体力的には絶対に勝てないわけですから、そこに勝利を得るというのは、快感でしょうからね。
まあ、そういうネタとしての、睾丸蹴りが、提示されているわけですね。
青豆さんは、大学卒業後、企業の女子ソフトボール部のエースで、四番を努めた、そうですが、大塚環が、死んだ翌月に退職したそうです。
出ました、大塚環!青豆さんのレズビアン相手・・・なのかな。とにかく、読者が忘れないように、死というスパイスをふりかけて、
ここに提示して、少女のレズビアンやら、少女のオナニーやらの話を女性読者に、思い出させているわけです。
その後、青豆さんは、スポーツクラブに入社、睾丸蹴りのクラスを立ち上げ、人形に睾丸をつけ、蹴りの練習をするインストラクターになっちゃうわけです。
これ、ビジュアル、すごいよね。女性が、嬉々として、睾丸蹴りの練習していたらねー(笑)。
で、もちろん、マネージャーから、注意されちゃうわけです。
でも、青豆さんは、男性会員に不安や、苛立やら、不快感を与えることに、毛ほども、後ろめたさを感じないんだそうです。そして、
「力づくでレイプされる側の痛みに比べたら、そんな不快感など、とるに足らないものではないか」
として、どうも青豆さん、若い頃に、力ずくのレイプ、という体験をしているようです。
いや、あれは、根源的な恐怖だよね・・・。
であれば、睾丸蹴りに固執する青豆さんの気持ちもよくわかります。
なにしろ、後輩の男の子に、防具をつけさせて、実践してみたりしているわけですからね。
それで、後輩の男が泣き言をいうくらいですから、まあ、気合入っているわけですね。
で、青豆さんは、セックスライフを楽しむべく、シングルズバーというところに、来ているわけです。
シングル同士、声をかけあい、エッチを楽しむ。
そんなところが、あったんだ?
まあ、青豆さんは、例のごとく、頭の形のいい中年が、好きなんで、若いガキに声かけられても、無視を決め込むわけですけど、
若い子というのは、青豆さんにとっては、
「彼らは、鼻息が荒く、自信だけはたっぷりだが、話題が乏しく、話がつまらない。そしてベットの中では、ガツガツとして、セックスの本当の楽しみを知らない」
だそうです。まあ、
「どうせ、エッチが目的なのに、話なんて、必要ある?」
とか、考えているでしょうからね。若い子は(笑)。
そんな話の中で、「柳屋敷」の老婦人と知り合った経緯が語られるわけです。
その女性は、例のタマ蹴りクラスにいたんですね。そして、ある時、連絡を受け、一緒に食事をすることになる。
それが、元になって、彼女は、女性に個人的にマーシャルアーツを教える先生になるわけです。
そして、マッサージも担当することになるわけです。
食事をしたときに、その老婦人は、青豆さんにそういうことを頼む理由を話すわけです。
「あなたが、口にしたことに感心させられました。無力感についての話です。無力感がどれほどひとを損なうかということです」
で、その青豆さんの話というのは、
老婦人が、
「私くらいの歳になると、特に護身をする必要もないわけですが・・・」
という言葉に対して発せられたもので、
「歳の問題では、ありません。これは、生き方そのものの問題です。常に真剣に自分の身を護る姿勢が大事なのです」
「攻撃を受けることにただ甘んじていては、どこにも行けません。慢性的な無力感は、人を蝕み損ないます」
という言葉なんですね。
つまりこれは、この章での、主張ということになりますね。
「慢性的な無力感は、ひとを、蝕み、損なう」
ということです。これは、睾丸を蹴られた人間も、無力感を感じるわけですから、無力感、という言葉をキーワードとして、
何度も使うことで、強調している、という手法なんですね。
慢性的な無力感・・・。
これは、女性のことを、言っているんでしょうか。
男性には、勝てない、という慢性的な無力感。
それに対抗する、睾丸蹴りを、繰り返す、青豆。
要は、これは、女性への共感を生む作業なんですね。
女性の思っていることを指摘してあげることで、共感を生んでいるわけですねー。
まあ、このあと、老婦人と青豆さんの会話があり、青豆さんの今の仕事につながる、ストーリーへの序章が語られるわけすが、
まあこれは、特に重要じゃ、ありませんね。それより、老婦人が、青豆さんの中身を見抜く場面の、彼女のセリフが重要でしょうね。
「あなたは、何かを内側に抱え込んで、生きているように私には見えます。何かずいぶん重いものを。最初に会ったときから、それを感じていました」
「あなたは、決意をした強い目をしています。実のところ、私にもそういうものは、あります。抱えている重いものごとがあります」
「だから、わかるんです。急ぐことはありません。しかしいつかは、それを自分の外に出してしまった方がいい」
「私はなにより口の堅い人間ですしいくつかの現実的な手立ても持っています。うまくすれば、あなたのお役に立てるかもしれません」
まあ、青豆さんは、この言葉を聞いて、自分の新しいドアを開けたそうですけど、これ、うつ病のカウンセリングとほぼ同じ、内容なんですよね。
「あなたの中にある、なにか、重いものを、外に、出してみたら、どう?ずいぶん、楽になれるわよ」
でしょ、これ?
よく、言われましたよ。まあ、人間話すことで、楽になりますし、おしゃべりというのは、高級なストレス解消方法だと、僕は、思っていますけどね。
まあ、こうやって、書く事で、ストレス解消しているわけですけれどね、僕は(笑)。
そういう、この章の大事なことが、語られた後は、例のセックスパートナー探しの時間なわけです。
まあ、前回は、座っていたら、近くにいい獲物が来たんで、まあ、軽くゲットした青豆さんですが、まあ、毎回、同じだと、
読者もあきますから、今回は、ぽっちゃり感のある女性が、ペアを組んでくれるわけです。
その女性は、なんと、婦人警察官ということで、もちろん、ベレッタの話なんかも出てきて、1Q84要素も忘れずに提示しているわけです。
でも、まあ、ここは、あゆみというその女性と、青豆さんの恋愛事情やら、ひそひそ話で、女性を楽しませるわけです。
そして、あゆみさんのセックストーク、
「たまにセックスしたいなあって思うんだ。率直に言えば男が欲しくなる。ほら、なんとなく周期的にさ。そうするとおしゃれして、ゴージャスな下着をつけて、ここに来るわけ」
「そして、適当な男を見つけて一晩やりまくる。そで、しばらくは、気持ちが落ち着く。健康な性欲が備わっているだけで、べつに色情狂とかセックス・マニアとか」
「そういうんじゃないから。いったんぱあっと発散しちゃえばそれでいい。尾を引いたりすることはない。あくる日からまたせっせと駐車違反の路上取締に励む」
で、女性読者に、
「そうよね。そういうこともあるわよね」
と、思わせている。まあ、女性を楽しませている、という部分なわけですね。
これさ。レイプで、こころが傷付いた青豆さんの成長ストーリーなんでしょ?
だから、最初は、性欲に対する対処療法的なセックスが提示されるんだけど、最後には、こころが、つながる、感動的なセックスを求めるようになる、
成長ストーリーに、なるんじゃないかな?
だって、こころのつながらないセックスって、よくないよ(笑)。
まあ、オナニーより、マシだけど、その程度だぜー(笑)。
ま、あゆみさんの存在もまあ、おもしろいんだけどね。
そんなことを思いましたけどね。それは、ごく普通の反応か。
まあ、とにかく、セックスのために、男性を狩るのは、女性にとって、けっこうワクワク話でしょうから、まあ、女性読者サービスというところでしょうか。
この章は、とにかく、慢性的な無力感は、ひとを損なう、ということを主張することを、中心に語られた感じですね。それが、結論かな。
ということは、何?女性であることは、ひとを損なう、というストーリーを生むってこと?
素直な疑問が生まれました。まあ、これに対する回答は、読み進むうちに、出てくるんでしょうね。
今日も長くなりました。
ここまで、読んで頂いたみなさん、ありがとうございました。
また、次回、お会いしましょう。
ではでは。