「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

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珠は永遠の命を与えられた素敵な「知恵者」の女性だった!「細川ガラシャ」さん!

2014年10月15日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「先人考察(女性編)」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・今日はひとりの女性として、この人はどうなのか・・・「細川ガラシャ」さんを見ていこう」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「まあ、ある意味、悲劇的な女性として、扱われている・・・伝説の多い女性でもあるけれど」

「「果たして細川ガラシャさんを妻に持った細川忠興さんはしあわせだったのか?」と言う視点で、細川ガラシャさんの人生を見てみたいんだ」

と、タケルは言葉にする。

「女性の間では、細川ガラシャさんは、やはり人気ですよね・・・信仰を守り、信仰に死んだ、聖少女的なストーリーですからね・・・」

と、レイカ。

「まあ、もちろん、わたしは宗教を否定しています。昨日も言葉にしましたが、ニケーア公会議が開かられた時点で、唯一神ゴッドの存在は否定されています」

「神とキリストと精霊という三位一体のカタチで存在すると言うのも、後からとってつけた説明で・・・だから、わかりにくい」

「・・・と言うより、二律背反のストーリーは、世界を分裂主義者の世界へ導く、間違ったストーリーそのものです」

と、レイカ。

「その考えを前提にした時、ガラシャさん・・・もう少し言えば、ラテン語的発音で言えば、グラッツィアさん・・・グラッチェの元になる言葉ですけど」

「そのグラッチェさんは、強い女性と言われていますが、現世から逃げようとしていた女性とも言えるんですよね・・・」

と、レイカ。

「僕は彼女が洗礼を受けた時期を問題にしたいね・・・それは秀吉がバテレン追放令を発した直後なんだ・・・」

と、タケル。

「夫の細川忠興が豊臣政権下で、羽柴姓を受け、七将のひとりとまで言われているのに・・・その秀吉に背くカタチをグラッチェさんは取っている」

「この女性、旦那の事を全く考えていませんね・・・」

と、レイカ。

「そういう事なんだ。バテレン追放令と言うのは、秀吉がスペインのフィリピン植民地化のプロセスの戦術を詳細に知り・・・植民地化の先兵として」

「いわゆる植民地の民をキリスト教で洗脳する事が植民地化の初期段階と見抜いたからの日本防衛の為の高等政策なんだよ」

と、タケル。

「その事すら、理解せず、自己の救済のみを考えて洗礼を受けるなど・・・言語道断と言う事になりますね。グラッチェさんがキリスト教の洗礼を受けたのが」

「1587年、珠24歳、細川忠興24歳の時です。そして、その洗礼を受けた事を忠興に話すのが1595年・・・細川忠興が豊臣秀次に借金があり」

「秀吉に睨まれ、切腹さえ取り沙汰された年です・・・」

と、レイカ。

「8年も内緒にしていたと言う事か・・・それぞれ31歳・・・いい大人になった年だね・・・」

と、タケル。

「細川忠興と言う人は当時の武将の中でもとびきりの「超短期」と言われていた人ですけど、わたしはオトコを見る場合、「短期なオトコ」には2種類の人間が」

「いると思っているんです。一方を「けつの穴の小さい、勉強しか出来ないサラリーマンオヤジ型」としましょう。このオヤジは要は人間性が小さいから」

「ちょっとした事もストレスになって怒り出すタイプ。「専業主婦型俺偉い病」と同じ種類ですね」

「ま、こういう「サラリーマン型俺偉い病」の男性は・・・女性が絶対に愛しちゃいけないタイプの男性ですね」

と、レイカ。

「もっとも、そういう人間性の小さいオトコは、女性に蛇蝎の如く嫌われますけどね・・・もう一方が「人間性がデカイけど、美学の発達した信長タイプ」です」

「このタイプの男性は「美学」が発達しているから、許せない事は絶対に許せないタイプ・・・そのようにわたしは分けて考えています」

と、レイカ。

「そういう目でこの細川忠興を評価した場合・・・わたしは細川忠興が「戦上手」にして「政治的に立ち回りが上手い」と言う事」

「・・・利休七哲の一人でもあり、利休居士に非常に愛されていたこと・・・つまり、文化人として特に優れていたため、多くの文化人や大名、公家との」

「交流が盛んだった事・・・そして、徳川時代、土井利勝や春日局から多くの情報を得ていた事・・・なにより、細川忠興が生涯2000通以上の文を書いていた事」

「などから・・・彼がまさしく「人間性がデカイけど、美学の発達した信長タイプ」の短気と見ます」

と、レイカ。

「珠と細川忠興は、織田信長の推挙によって、結婚しているんだよね。織田信長と言えば、女性の中身も男性の中身も見ぬく、言わば「人見のオトコ」だ」

「だから、まず、珠の性格を勘案しただろうね。彼女は当時の修道士に「これ程、明晰かつ果断な女性は見たことがない」と言われているから・・・」

と、タケル。

「明晰かつ果断と言うことは、多くの経験をしてきた上での「経験知」をその女性が持っていると言う事になります。その経験知があるからこそ」

「果断に物事を判断出来る・・・つまり経験知が多いと言う事は人間的にも大きな女性だったと言う事でしょう。しかも、明晰であると言う事は」

「新規な物事に対する理解力が高いと言う事になりますから、それも、これまで、多くの新規な事に出会い、理解する訓練がされている証左にもなりますから」

「好奇心旺盛な女性だった事がわかります・・・」

と、レイカ。

「なるほど・・・となると珠ちゃんは、人間性も大きく、経験知も豊富な果断な女性であり、好奇心旺盛で明晰な女性だった・・・と言うことになるね」

と、タケル。

「その彼女が洗礼した時に修道士に告げた内容こそ「細川忠興と離婚したい」と言うものだったんです」

と、レイカ。

「珠は、1578年15歳の時に細川忠興と同い年で結婚している。彼女が洗礼を受けたのが24歳だから、その間に忠興との間に決定的な何かがあったと言う事になるね」

と、タケル。

「まずは、細川忠興の偏愛と言うことが基本的にあったでしょうね。唐入りの最中、細川忠興が珠に当てた手紙に「秀吉の誘惑に乗るな」と言う文章がありますから」

と、レイカ。

「当初は頭の回転の早い、美学の発達した細川忠興を珠は愛していただろうね。だからこそ、珠の美女ぶりも他人以上に理解出来る細川忠興だったから」

「彼自身も、自身を美しく保つ努力はしていただろう。彼は武具も工夫を取り入れていたから、珠の美女ぶりに似合う自分を作り上げる事にも長けていただろう」

と、タケル。

「外見的には問題ない・・・とすれば、細川忠興の内面的なモノに珠は嫌気が差した?」

と、レイカ。

「そう考えるのが自然だろうね。・・・もちろん、珠の15歳から、24歳の間にあった最大の出来事と言えば、本能寺の変後の父の敗死だろうね」

と、タケル。

「この時、珠は隔離され、幽閉されますが・・・これは政治上、ぜひ必要な処置ですから、聡明な珠はそれは理解出来たと思うし」

「受け入れたはずですけど・・・それでも、彼女のプライドは大きく傷ついたでしょうね。自分を愛している細川忠興が自分を裏切ったと感じられたでしょうから」

と、レイカ。

「・・・それは珠本人が、深く細川忠興を愛していたから?」

と、タケル。

「そうですよ・・・多分、彼女の方が細川忠興よりも、深く深く、細川忠興を愛していたんですよ。子供だって、3男2女も生まれていますから」

「珠は深く細川忠興を愛していたからこそ、その裏切り行為に深く傷ついたんです」

と、レイカ。

「愛すればこそ、憎しみも深く刻まれた・・・そういう事か・・・」

と、タケル。

「珠のキリシタン入信だって、どう考えたって秀吉への背信でしょう?つまり、珠は細川忠興に甘えているんです。父が信長を殺した時・・・これも背信ですよね」

「その時、細川忠興は、珠を裏切った。「じゃあ、今度はどう出る?あなた」と珠は細川忠興に迫ったんですよ」

と、レイカ。

「最初は珠は細川忠興にプライドを傷つけられ、でも子どもたちの母親でもあるから、母として生きていたんでしょう」

「それでも愛情は深かったと思いますよ。そうでなければ、唐入りの時に細川忠興が「秀吉の誘惑に乗るな」とは書き送らないでしょう」

「政治の上手かった細川忠興は、珠の心を読めたと思いますから・・・」

と、レイカ。

「でも、キリシタン入信は気づかなかった細川忠興・・・ここはどう見る?」

と、タケル。

「同じ女性として考えれば、簡単です。彼女は夫に秘密を持つ事でそのプライドを満足させていたんですよ。現代の主婦だって同じでしょう」

「へそくりの額が大きくなればなるほど、主婦はニンマリとします・・・この意識と珠の意識は同じです」

「しかも、政治を得意中の得意としていて情報戦に長けていると自認すらしている、政治の天才、細川忠興を騙しているんですよ?こんなに笑顔になれる事」

「珠にとっては、他にはありませんよ・・・」

と、レイカ。

「それに秀吉はバテレン追放令は出したけど、個人的な入信は禁じていません。つまり、ギリギリのところで、背信行為にはなっていないんです」

と、レイカ。

「なるほど、聡明な珠のしそうな事だね・・・」

と、タケル。

「それに珠は離婚が出来ないキリスト教の教義すら、知っていたでしょう」

「であれば、「離婚したい」と言う珠の表明は本意ではなく、洗礼までの手順をスムーズにする為の策・・・細川忠興並の政治手腕を珠もまた持っていた証左です」

と、レイカ。

「なるほど・・・珠の本質がようやくわかってきたようだね。珠はそれこそ、強烈に細川忠興を愛していたからこそ、一連の行動になったんだね」

と、タケル。

「ええ。人間は言葉の裏にある本意を見なければいけません。でないと、勘違いに終わってしまいますからね」

「日本人は嘘をも、結果を導く為にうまく使う民族ですから・・・」

と、レイカ。

「・・・となると、彼女の壮烈な最後は、細川忠興を愛しているが故、敵の手に落ちるのを強烈に拒んだ珠の強い意思と見ればいいんだね」

「最後の瞬間、彼女の心の中にはキリストの姿は無く、夫、細川忠興の笑顔があった・・・そういう事になるんだね?レイカちゃん」

と、タケル。

「ええ・・・彼女は殉教したんじゃない・・・夫、細川忠興だけの珠でいたいから、夫の身と夫の将来を守る為に死んだのです」

と、レイカは結論を言い抜いた。

「彼女の辞世の句に「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」と言う歌があるけど・・・この人も人なれ・・・の相手こそ、細川忠興だったんだね」

と、タケル。

「ええ。だって、珠にすれば、やはり得難い夫だったと思いますよ。政治の得意なオトコは、女性を愛するのも上手いですから」

「彼女の心根をいちいち見抜いて、なにくれとなく、よくしてくれたのが、細川忠興だったでしょうからね」

と、レイカ。

「珠は自分の死こそ、徳川家康率いる東軍への最大のエールになることをわかり抜いていました」

「そして自分の死こそ、夫細川忠興を評判を東軍内で最大に高める効果があることも・・・だからこそ、珠は愛する夫の為に死んだのです」

「その証拠に辞世の句にあるじゃないですか・・・「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ」・・・彼女の死こそ、自分を花にする」

「・・・後の世にすら、喧伝される美談になることを彼女は知っていたんです。彼女は永遠の命をそこで貰ったんです・・・」

と、レイカ。

「・・・とすれば、彼女は笑顔で死んでいったろうね」

と、タケル。

「ええ、そうなんです。彼女は永遠の命を約束された自分の今後に思いを馳せながら、笑顔で死んでいったんです」

と、レイカ。

「って事は夫婦の鏡だったって事だ。この二人は・・・」

と、タケル。

「それが結論です。珠もまた「知恵者」の女性だったし、細川忠興も、また「知恵者」のオトコだったんです・・・」

と、レイカは言い抜いた。


「さ、結論も出たし、仕事はこれくらいにして、飲み行こうか、「知恵者」のレイカちゃん」

と、笑顔で立ち上がるタケルでした。

「はい。もちろん、お供しますわ」

とレイカは立ち上がり、赤縁のメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)

結局、「知恵者」の男女が夫婦になると夫婦の鏡になるんですよねー。

ま、そういう女性を見つけて、夫婦の鏡になっていきたいもんです。

やはり偉人を勉強すると、いろいろ教えられますね。


ではでは。

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