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私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

キム・ギドク

2012-09-12 21:22:06 | 韓国ドラマ・映画
キム・ギドクがベネチア国際映画祭で金獅子賞を取ったことを「『異端』監督の無念晴らす」と新聞で紹介されているのを見たが、無念は晴らせても異端なのは変わりないんではないかと思う。
楽しい気持ちで見るような映画ではないことと、彼の作品が興業的に難しいのには変わりないと思うことがその理由だ。

好きな監督の一人で、劇場公開されれば必ず見に行こうと思っている監督の一人だが、ビデオで見返すのはなかなか勇気がいる。
体調が悪い時に見たりすると、さらに魂を抜かれるような気がして、気軽に見返す気にならないのだ。逆に見返さずとも、思い出そうとすると映像がフラッシュバックするとでも言ったらいいんだろうか。
映像を見た時の居心地の悪さ(悟られたくない気持ちを言い当てられた時のような気持)まで思い出せるような気がするのだ。


「春夏秋冬そして春」を2004年劇場で見た時の感想
(当時はまだブログを書いていなかったので、HPから・・・)

日本人で宗教を身近に感じて生活する人はごく僅かだろう。
だからといって神の存在を信じていない訳ではないのが、日本人の特異なところだろう。
神の存在は信ずるが、それが特定の宗教というわけではない。そういう意味からすると、日本人は無宗教という宗教を信じているともいえるだろう。
輪廻についても、なんとなく信じている日本人は多いはずだ。
四季が繰り返される日本で暮らす私達にとっては、輪廻という考え方を自然に受け入れられる土壌が整っているといえるだろう。

静かな湖畔に浮かぶ寺で流れる時間。静かに流れているようでいながらも、そのなかに潜む様々な欲望と執着。時が繰り返されることを自然に受け入れ、そして受け入れることが心の安らぎに繋がっていくのを静かに感じることが出来た。
そうはいっても冬の場面で流れる慟哭ともいえるチョンソン・アリランの歌声や、人を殺めたナイフで写経を行う姿は、押さえることの出来ない炎のようで恐ろしく感じた。日本人であったらあの場面であの歌は流さないだろうし、あのナイフも湖の底に眠らせるのではないかと思う。

狭い部屋の中にある扉。そして湖上に設けられた小さな門。門を隔てることに意味があるのだろうが、(あの門には何か宗教的な意味があるのだろう)門の中でも外でも様々な欲望が時間に乗って流れていくことに変わりはないような気がした。
****
自分の書いた感想を読みながら、様々な映像が目の前に浮かんでくる。
実は監督がこの作品のプロモーションで日本に来日していた時、あるホテルのラウンジで見かけたことがある。
トレードマークの野球帽をホテルのラウンジでもかぶっていたので、すぐに分かったのだ。
当時は「握手してください」という韓国語さえもしゃべることが出来なかったので、遠くからどうしようどうしようとみていただけだったことを、ちょっと残念に思い出す。

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金獅子賞を取った作品@ピエタに出演しているのは、ドラマHappy Togetherで貸本屋を経営していたチョ・ミンス。ドラマではスンホンのお姉さん役だった。

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