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「頭が痛い…」
ガラス越しとはいえ、夏の激しい陽射しを浴び
蛇のようにまがりくねる山道をドライブしたあと、
彼女はそう言って小さく吐息をはいた。
「母もそうだから、頭痛もち…大したことない」
目的地に着いているのだが、降りて散策するのもやめ
途中で、道の駅に立ち寄るのもやめ、
ひたすらに帰りを急ぐことにした。
「ぁあ、このひどい頭痛がなければな…」
…そんなにひどいのか?少し気が動転して、
「あなたの同僚は、みな結婚してるの?」という彼女の問いを
いまさらのように思い出してしまった。
「昔、一緒に仕事してたその女性は、25を過ぎて少し焦ってたようだ」
「20代の私は結婚なんて全く考えもせず、彼女の気持ちに気づかなかった…」
「私は転勤し、彼女は職をやめたよ。遠く離れても年賀状だけは交換してたんだが」
「今年に限り、彼女の夫の名で来たハガキには、彼女が亡くなったと記されてた」
「それ以来、折に触れて彼女のことを考えない日はないんだよ」
「彼女のために出来ることは、今はそれしかないんだね…」
彼女のアパートの戸口のまん前に車を引き入れて、止めた。
「お大事に。」
一歩降りて、目の前がすぐにアパートの戸口であることに気づいた彼女は
顔色が少しだけ持ち直して、嬉しそうにいった。
「明日も、この時間ね?」
ガラス越しとはいえ、夏の激しい陽射しを浴び
蛇のようにまがりくねる山道をドライブしたあと、
彼女はそう言って小さく吐息をはいた。
「母もそうだから、頭痛もち…大したことない」
目的地に着いているのだが、降りて散策するのもやめ
途中で、道の駅に立ち寄るのもやめ、
ひたすらに帰りを急ぐことにした。
「ぁあ、このひどい頭痛がなければな…」
…そんなにひどいのか?少し気が動転して、
「あなたの同僚は、みな結婚してるの?」という彼女の問いを
いまさらのように思い出してしまった。
「昔、一緒に仕事してたその女性は、25を過ぎて少し焦ってたようだ」
「20代の私は結婚なんて全く考えもせず、彼女の気持ちに気づかなかった…」
「私は転勤し、彼女は職をやめたよ。遠く離れても年賀状だけは交換してたんだが」
「今年に限り、彼女の夫の名で来たハガキには、彼女が亡くなったと記されてた」
「それ以来、折に触れて彼女のことを考えない日はないんだよ」
「彼女のために出来ることは、今はそれしかないんだね…」
彼女のアパートの戸口のまん前に車を引き入れて、止めた。
「お大事に。」
一歩降りて、目の前がすぐにアパートの戸口であることに気づいた彼女は
顔色が少しだけ持ち直して、嬉しそうにいった。
「明日も、この時間ね?」