大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

サンコウチョウ(三光鳥)に会えました

2013年07月27日 | 野鳥

「ツキ ヒ ・・・ ホイ ホイ ホイ 」と里山に響く鳥の声。

農作業の手を休め、耳を澄ますと「月 日 星 ホイ ホイ ホイ ホイ ホイ」と、サンコウチョウの鳴き声が聞こえました。最初に聞いたのは5月中旬の田植え時期、杉林の中で軽快にさえずっていました。それから、6月いっぱい、里地に隣接する森から聞こえるサンコウチョウの朗らかなさえずりを聞きながら繁忙期を過ごしてきました。その間、一目サンコウチョウの姿を見たいとさえずりを追って何度か双眼鏡でのぞいてみましたが、うす暗いスギ林の中、到底目にすることは叶わず、半ばあきらめていました。

7月に入り長雨が続く毎日、小雨降る中、久しぶりに沢沿いの林道を歩いて森に入りました。以前にマークしておいたクルマユリの花を期待しての散策です。ヤマユリ、オオウバユリ、クルマユリなどユリと名のつく植物のほとんどがシカに食べられていますので、不安に思いながら目的地に着くと、地上30㎝ほどの高さで無残に折られていました。当時、移植も考えたのですが、この場所を選んで芽を出したクルマユリを別の場所に移すよりはと、杉の葉でカモフラージュしておきましたが、残念な姿でした。

シカの食害に気を落としていると、頭上で連続テレビ小説「あまちゃん」の驚きの声「ジェジェ」「ジェジェ」と聞こえてきました。森の中でも「ジェ ジェ」がはやっている???。ふと見上げると、何とサンコウチョウのオスが地鳴きをしながらメスを追って枝から枝へと飛んでいるではありませんか。長い尾羽をふわふわなびかせ優雅に飛び交うサンコウチョウを目の当たりにし、胸が高鳴りました。とっさに手持ちのコンパクトデジカメでシャッターを切りましたが、”小雨る降るうす暗いスギ林の中”の最悪の環境で撮れたのは、シルエットのサンコウチョウですが、雰囲気を紹介します。

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サンコウチョウ(カササギヒタキ科)

5月頃に渡来し、日本で繁殖、秋には南方に渡る夏鳥。和名は、鳴き声が「月(ツキ) 日(ヒ) 星(ホシ)」と三つの光に聞こえるところからサンコウチョウ(三光鳥)と命名。

オスのサンコウチョウは尾羽が長く、全長45㎝ほどで、長い尾を優雅にかわし、森の中をふわりふわりと飛ぶさまはまるで妖精のようです。


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目の周りのコバルトブルーのリンクが、暗い中でも光っています。

青くて目立つアイリング、青みがかった嘴、紫がかった尾羽など美しい姿をアップできず残念ですが・・・。いつの日か、いい写真を撮りたいと思います。


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サンコウチョウのメス

オスのように長い尾羽はありませんが、薄暗い中でブルーのアイリングだけがどうにか写っています。


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今回、サンコウチョウに会えた場所は、うす暗い杉林の中です。林のヘリを小川が流れ、降り続いた雨で増水し、水音が雨音を掻き消しています。この森のどこかにサンコウチョウの巣があるのではと探しましたが、見つかりませんでした。もう卵から孵って巣立ったころでしょうか?

秋には越冬地へと旅立ち、翌春には再びこの地にやってくることでしょう。