大小迫の里山は、今、柿の木がたくさんの実をつけ、オレンジ色に染まっています。
右手の柿の木は、樹齢約200年の老木、心材が空洞になっても風雨に耐え、大地にしっかり根を下ろし、実をつけました。
「干し柿作りは霜が降りてから」と言われていますが、今年は例年に比べて霜降が2週間ほど遅れました。
柿の実を、手を伸ばして届くところは木登りして収穫です。
大小迫を支えてくださる方々が、柿の皮むきに毎日4~5人手伝いに来てくれ、つむぎの家で作業をしています。
いつも野球の練習に忙しい5~6年生5人が、「今日は練習が午後から」と、外で遊んでいました。「おばあちゃんたちがつむぎの家で干し柿作りをしているけれど君たちも干し柿を作ってみない!」と声をかけると、作りたい人と遊びたい人に分かれ、作るのはやめ干し柿作りの様子をのぞきに来ました。
「わ~ 囲炉裏だ~」と炭火の炉に手をかざして、おばあちゃんと談笑。
震災を機に、つむぎの家に寄贈された本を立ち読みしています。
輪切りにした木の見本を手に取って観たり、お米の花の模型に触って感心している様子。
いったん帰った子供たちが再びつむぎの家にきて、「鬼の二人が探しにきても居場所を教えないで!」と外で作業をしていた私に言い、つむぎの家の中に入っていきました。「隠れ鬼」をしているとのこと。
鬼の二人がつむぎの家の周りを懸命に探しています。うろたえている二人に「つむぎの家の中ものぞいていいのよ!」と声をかけたが、「ああ!いいです。」と遠慮がちに立ち去ってしまいました。しばらくして中にいた5人も外に出て、鬼も交代し、総勢7人で賑やかに追いかけっこをして楽しんでいました。
囲炉裏端で柿の皮をむくおばあちゃんたちの姿、そして外で元気に走り回る子どもたちの声が里山に響き渡り、昭和の情景が呼び戻されたようで、作業をしながらひとり悦に入りました。