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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

綾里小の「祖父母交流会」に参加

2013年09月19日 | 地域交流

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昨日の午前中、綾里小学校で、祖父母交流会が行われ、子どもたちはおじいちゃんやおばあちゃんとの交流体験をしました。1~2年生は「昔の遊び」、3~4年生は「自然の素材を使ってのクラフト」、5年生は「竹馬作り」、6年生は「かまもち作り」と、学年ごとに祖父母と一緒に取り組む楽しい交流会です。

全校生徒117名に対し祖父母の出席者が90名という参加率です。

そんな中、つむぎの家は、3~4年生の「ネーチャークラフト」を担当し、子どもたちや祖父母との作品作りに取り組みました。

写真は、祖父母交流会に入る前に、学校長が子どもたちの日頃の活動の様子についてお話しています。

つむぎの家での学校菜園や米作り体験の様子も、校長自ら撮った写真を展示しながら説明されました。中でも、田んぼの草取り体験では、「有機栽培のために、稲よりも取った草の方が多かった」というお話に「ハッ」としましたが、草取りの時期が遅れたことや、イネそっくりに生えるヒエなどの雑草との戦いを思い出しながら、「これも子供たちの良き思い出かな」と内心ほくそ笑みながら聞き入りました。


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その後、3~4年生は、音楽室に集まり、つむぎの家の紹介や活動の様子、本日のスケジュール等についてパワーポイントで説明を受け、祖父母とともに「ネーチャークラフト」の内容を理解しました。

写真は「つむぎの家にきたことがある人は?」という質問に、3~4年生全員が一斉に手を挙げています。


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その後は、それぞれの教室に移動して、祖父母と一緒にネイチャークラフトに取り組みました。

写真は、3年生の教室で、どんぐりヤジロベーとコマを作っている様子です。どんぐりの大きさや竹ひごの長さの違いで、バランスを保つのに苦労している子もいましたが、一人ひとり時間内に完成してご満悦の様子でした。


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こちらは4年生の教室で、クロモジ・エンジュ・ツバキ・ヒノキなどの小枝を素材に、ナイフ(カッター)を使って鉛筆ホルダー作りに挑戦しています。

今は、教室でも家庭でも「鉛筆削り器」が用意され、鉛筆をナイフで削ることは殆んどないそうです。したがって、カッターを使って削る体験がないため、おじいちゃんやおばあちゃんから削り方を教えてもらっていました。こんなちょっとしたことが、祖父母との会話を弾ませていたようです。


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一足早く、出来上がった作品を持ち寄り、音楽室で作品発表が始まる前の一コマ(3年生)。

思い思いにヤジロベーを操って楽しんでいます。

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いよいよ作品発表が始まりました。3年性の代表が前に出て、難しかったところや嬉しかったことなどの感想を作品を見せながら話しています。


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4年生の代表が、作品を手に木の枝クラフトの感想を述べています。

一人3本の予定のところが、5本も作ったことや、ミニチュアにこだわらず20センチもある鉛筆ホルダーを作った様子が報告されました。

皆、作品を完成させた達成感に満ち溢れていました。

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交流会後のお昼には、子どもたちと一緒に、給食室で作られた心のこもった昼食をご馳走になりました。

綾里小での学校給食は初めての体験でしたが、昼時の全校放送を聴きながら、感謝の気持ちあふれる教室の給食風景に安らぎさえ感じました。

子ども達と触れ合って過ごした半日、私どもにとってもとても有意義な祖父母交流会になりました。


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交流学習の余韻が冷めやらぬ放課後、つむぎの家に、3年生のケイスケくんとヒビキくんがやってきました。

見本として教室に持っていったネーチャークラフトの作品を見て、つむぎの家に行って、もっと自由に作りたいという思いが募ったようで、二人で示し合わせて帰宅後すぐに来たようです。

午後5時までの限られた時間でしたが、いろいろな種類の材料に目を輝かせ、自分の世界に没頭し、作品を仕上げて帰って行きました。昨年の2年生の時は、毎週のように遊びに来ていた彼らですが、3年生になると塾やスポーツなどの活動が多くなり、なかなかつむぎの家に来る時間が取れないようです。4年生からはクラブ活動も始まるので、平日にやって来るのは、ますます困難になっているようです。

でも、つむぎの家では、いつでも受け入れています。自然がいっぱいの中で、体を動かしながら、考え・工夫し、新しいものにチャレンジして欲しいと願っています。


日本茶インストラクラーと気仙茶の会が交流

2013年09月17日 | 地域交流

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昨日は、京都の日本茶インストラクターの方3人が、龍谷大学の伊達先生の紹介で、気仙茶の会の前田さんらと一緒につ「むぎの家」に来てくれました。

北限のお茶の調査と、震災復興の支援の合間に、つむぎの家で気仙茶の会のメンバーと交流しました。

持参した宇治茶をいただきながら、日本茶インストラクターのスペシャリストの林屋さんが「宇治茶」の魅力について話してくれました。


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流派や作法にこだわらず、気軽に美味しく、お抹茶を楽しむための実演を、日本茶インストラクターの辻さんの指導のもとで茶筅を振り、出来上がったお抹茶をいただきました。

*お茶にはビタミンやカテキンなどたくさんの成分が含まれていますが、今回は水に溶ける成分を抽出するために最初に10ccほどの水で抹茶を溶いてからお湯を注いで茶筅を振る方法でいただき、まろやかな甘みを感じました。


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いろんな茶葉の香りを嗅いだり、食味したりと碾茶(てんちゃ)や玉露のの違いについても学びました。抹茶にする前の碾茶は板海苔のように香ばしく、ふりかけご飯にしても美味しくいただけるほどの味わいでした。


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宇治茶勉強会の後は、炉を囲んで気仙茶の会事務局の前田さんが、気仙茶のお点前を披露してくれ、互いに交流しました。

「美味しいお茶とは何か?」「北限の茶、気仙茶の魅力は?」等について、日本茶インストラクターの方々から意見を聞いたり、会員からは「気仙茶の位置づけを明確にし、共通認識を持つ必要性があるのでは?」、「お茶はその地方のそれぞれの良さや多様な味わい方があっていいのでは・・」等々いろんな声が聞かれた交流会でした。

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日本茶インストラクターの伊藤さんは、手揉み茶づくりの道具に興味をもたれ、特に全国に散在する「揉み板」の研究をされている方で、気仙地方の揉み板に関心を示し、つむぎの家の「揉み板」や「焙炉(ほいろ)」、「助炭(じょたん)」などを熱心に見聞していました。


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交流会の合間には、龍谷大学の伊達ゼミの学生さんが、火吹き道具を使って懸命に火起こししている姿がありました。彼は、7月のつむぎの家での「手もみ茶づくり」にも参加してくれ、今回が2回目です。若い方々が震災支援も含め、北限の気仙茶に興味を持って熱心に体験や学習を積んでくれ嬉しく思いました。

昨日は台風18号の影響で、風雨が強く、ムシムシする陽気でしたが、悪条件を吹き飛ばすほどの充実した交流会でした。

皆さんがそれぞれ帰路につく時間帯には、風雨が一層強まり、それぞれ無事に着けたかどうか心配になりましたが、5時過ぎには西の空に台風一過の綺麗な夕焼けが現れました。


北限の気仙茶(二番茶摘みで茶づくり)

2013年07月04日 | 地域交流

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昨日、二番茶摘みでしたが、毎年行ってきた手もみ茶づくりを、地域の方々と取り組みました。

午前中は曇りという予報に反して、小雨が降る中、鹿の食害にあいながらも芽を出した、二番茶の茶葉を地域の皆さんが摘んでいるところです。


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ご高齢だったり、足や腰が不自由な方々には、庭の茶葉を摘んでもらいました。

椅子に腰を下ろして摘んでいる方は、91歳のトクエさんです。

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小雨の中、小一時間ほどで、生葉で約2キロの茶葉を摘みとりました。

まず、セイロで蒸してから、助譚(じょたん)の上で乾燥させながら揉みこみます。縄を編み込んだ揉み板は、茶渋で黒ずんでいますが、50年以上も前のものです。

昔体験したことを生かしながら、時間をかけて丁寧に茶葉を揉みこんでいるところです。


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こちらでは、茶菓子のヨモギ団子をつくっています。

トクエさんの指導の下、ヨモギ入り米粉を練った皮で、あんこを包んでいるところです。この後15分ほど蒸すと、ヨモギの香りが香ばしい、お饅頭の出来上がりです。

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お昼時間になりました。揉みこんでいる新茶は、まだ茶葉が完全に乾燥しきれていませんが、手もみ過程で出てきた「粉茶」を試飲してみました。

気仙茶独特のほろ苦さと旨さが出ており、早速、皆さんで乾杯し、お茶づくりの労をねぎらいあいました。

手づくりのヨモギ団子、玄米ご飯、フキとタケノコの煮つけ、ハウスで採れたキュウリや玉ねぎなどのサラダや漬物を口にしながら、昔のお茶づくりの話を聞くことができました。

お茶摘みの時期は、田の草取り時期と重なって、お茶揉みをした後、草取りをすると、茶渋と田んぼの泥で、手が真っ黒に染まり10日ぐらい消えなかったこと、最後の手もみ乾燥の仕上げは、私の祖母が主に担当し、他の人たちは、手を触れることさえできなかった話など、懐かしそうに、和やかな「お茶会」のひと時をすごすことができました。


「気仙茶の会」で手もみ茶(北限の茶)に挑戦

2013年06月19日 | 地域交流

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「気仙茶の会」は、北限の茶である気仙地域の茶を守り、育て、次世代に伝えて行くことを目的に、昨年の7月に設立し、つむぎの家も会員になっています。

気仙茶は、江戸時代から気仙地域で育まれてきたお茶で、これまで陸前高田市内で約80戸の生産農家が細々と茶づくりを続けてきましたが、近年、担い手の高齢化等により、茶摘みをする家も減り、生産量は減少の一途をたどっていました。そこで、気仙茶に興味・関心を持つ多様な方が集い、情報交換をしながら、気仙茶の振興をしていこうと活動をスタートしました(会員は気仙地域に留まらず岩手県内や静岡県、京都府や兵庫県など多岐にわたってます)。

今回の例会は、昔ながらの製茶道具が残っている、ここ「つむぎの家」に集い、手もみ茶作りに挑戦することになりました。

そこで、長年手もみ茶作りをしてきたという大船渡市日頃市町に住む、平山ご夫妻(伊志雄さん85歳・道子さん82歳)をお招きして、その指導の下に、手もみ茶作りに取り組みました。

昨日は、あいにくの雨模様でしたが、会員である龍谷大学(京都)の伊達先生と学生4人(気仙茶の復興支援と製茶を通じた支援による経済研究)がまず来家し、雨の中、一番茶の茶摘みをしてくれました。

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さて、これからが気仙地方で行われてきた「手もみ茶」の作り方です。

まず、平山道子さんの指導のもと、摘んできた茶葉を新聞紙の上に広げ、雨水を吸いとったあと、蒸す作業に入ります。


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十分に蒸気の上がったセイロに茶葉を入れ、約30~40秒蒸し、青臭さが消え、茶の香りが出てきたところで下ろします。

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次に、蒸しあがった茶葉を、揉み板(縄を板に巻きこんだもの)でもみ込みます。ここは、平山伊志雄さんの出番です。

熱い茶葉を、揉み板の上で「なでるように」丁寧に揉んでいます。

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次に助炭(ブリキ板で作ったものに紙を敷いたもの)に移し、加熱・乾燥しながら、さらに揉み板の上でもんでいきます。

平山氏の指導を受けながら気仙茶の会員が、手もみ茶に挑戦しています。

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龍谷大学の学生たちも、おしゃべりを楽しみながら笑顔で頑張っています。

小一時間ほど揉むと、水分が蒸発し、茶葉が細く丸まってきてお茶の香りがただよってきます。

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今度は、土風炉(どぶろ)の助炭(床が和紙の物)に移し、ある程度粘りが出て、縮れてきた茶葉を手のひらの中で転がしながら乾燥させます。

手もみ茶づくりの作業を始めて2時間弱、まだ完成品ではありませんが、早速試飲してみることにしました。

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事務局長の前田さんが、心をこめて、お茶を入れています。

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平山ご夫妻はじめ、菊池会長ご夫妻が囲炉裏を囲んで味見です。県内のテレビ局、新聞社の方々のカメラのライトに照らされて、やや緊張しながらの試飲でしたが、そんな気配りも忘れるほどの美味しさでした。

25年ぶりで茶の手作りを再現した平山夫妻は、「うん!80点ぐらいかな」との弁。

その後、会員も含め参加者全員が試飲しました。味、香り共に、いい具合の仕上がりでした。

これまで、地域の方々に聞きながら挑戦してきたつむぎの家での手もみ茶の中では、最も良い出来栄え、渋みも旨味もとてもいい味でした。

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作業を始めて約3時間弱の手もみ茶。

最終仕上げは、余熱を利用して乾燥させるために、この後一晩、助炭の上に置き、翌朝に完成と言うことです。

気仙茶の会の参加者、約20人がつむぎの家に集い、昔ながらの道具を使って、気仙地方の茶葉の手もみ作業を学ぶことが出来た例会でした。

これを機に、かつては各家庭で作られ親しまれてきた北限の気仙茶の良さを見直し、次世代へと伝え、つないでいきたいと思いました。


穀雨の里山

2013年04月21日 | 地域交流

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20日の土曜日は二十四節気の穀雨、綾里川べりの桜が咲き始め、ヤブツバキの花は見ごろを迎えました。

綾里っ子たちは、朝9時ごろから三々五々とつむぎの家にやってきました。何と言っても子どもたちの興味は、眠りから覚め、活動を始めた生き物たちです。小さなため池で12人の綾里っ子たちが、カエルやイモリ、アメンボなどの生き物たちと戯れています。

昨日は知人6人が、お弁当持参でカタクリの花の観賞に、はるばる陸前高田方面から来てくれました。

カタクリ山に入る前に、子どもたちの遊ぶ様子を確認し、ご案内することにしました。


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川べりでは3年生の男女が、川を挟んで何やら言い合っている様子です。


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こちらでは5年生が、ゴザの上でニリンソウやアマナの花に囲まれ、おしゃべりを楽しんでいる様子です。

それぞれに、遊びに入っている総勢20人の子どもたちの姿を確認し、カタクリ山に行きました。


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カタクリの花の見ごろは過ぎましたが、それでも可憐な花が点々と咲き誇っている様に「きれいだね!」と喜んでくれました。その後の花、エイザンスミレやオオバキスミレ、エンレイソウやヤマエンゴサクなどの山野草が咲きだし、合わせて花を愛でることができました。


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広葉樹林帯の散策路で、立ち止まり「堆肥にするといい腐葉土だね!」と降り積もった落ち葉を確かめる菊池さん。

有機農法による野菜作りに励んでいらっしやるだけに、目のつけどことが違いますね。


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カタクリ山から下り、里地に入ると12時を回り、ほとんどの子どもたちは帰りましたが、この子たちは池で遊びながらお迎えを待っていました。


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花冷えの寒い日でしたが、散策路で摘んできた野草を天ぷらにして、野外でお昼をいただくことにしました。アサリの串刺しなどの差し入れもあり海の幸と山の幸がそろいました。


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テーブルの上は、持ち寄ってくださった手作りのお寿司や鯛めし、てんぷらやお吸い物、その他差し入れの品々が並び豪華なお花見昼食会になりました。

野草のてんぷらは、ユキザサ、アシタバ、ユキノシタ、ウド、アマナなど里山の自然をいただきました。

「久しぶりに子どもたちの元気な声を聞いた!」とつむぎの家でのひとときを、とても喜んでくれた皆さんです。

お帰り際に「ヤブツバキの苗木が欲しい」と言ったカオルさん。「ここはツバキの生育環境にあうようで実生でどんどん発芽して除伐しているほど、いくらでもありますよ」と答えると「一本でいい!ツバキが俺の命を救ってくれたから・・・ 庭に植えたい!今は仮設なのでそのうちに!」と、みなさん陸前高田で被災した方々ですが、明るく前向きで、ご一緒した中でいろんなことを気づかされました。