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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

寄生植物 ヤセウツボ

2013年06月26日 | 草花

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ヤセウツボ(ハマウツボ科)

昨日、犬のヤマトと綾里川沿いを散歩していると、緑の雑草の中にニョキニョキと棒立ちしている淡褐色のものが目に入りました。寄生植物のヤセウツボ(帰化植物)です。


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周りを見渡すと5m四方に、5株ほど群生していました。

ヤセウツボは寄生植物であるために葉は退化し、葉緑素はなく褐色の腺毛が密生し、茎は肉質で直立しています。


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ヤセウツボの花

花は地味な淡黄褐色で、花冠に紫色の筋や斑点があり、全体に短い腺毛が生えています。


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一株掘り起こし、川で泥を流してみました。マメ科のツメクサの根に寄生していました。

帰化植物で、牧草に紛れ込んで日本に入ってきたと言われています。


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初めてヤセウツボを目にしたとき、根が上向きで逆さまに張っていたので「サカネラン」と間違えてしまいました。下に根を張るツメクサの白っぽい根に巻きついて赤茶けたヤセウツボの根が絡んでいます。ツメクサに寄生して花を咲かせていました。

セリ科やキク科にも寄生し、寄生根で養分を吸収するので農作物に寄生した場合、生長を阻害させてしまうため要注意外来生物に指定されています。

同じく外来生物法で要注意外来生物に指定されているナンバンギセルは、別名「おもい草」と言われ万葉集に詠われているほど慕われていますが、ヤセ(ハマウツボに比べ痩せている)ウツボ(花穂が矢を入れる筒に似る)は、どちらかと言うと嫌われもののようです。

葉緑素をもたずに、根を宿主の根に食い込ませてちゃっかり生活するヤセウツボは、不思議な植物ですね。


花の形が不思議な  ヒトリシズカ

2013年05月06日 | 草花

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ヒトリシズカ(センリョウ科)

名称の由来は、この花の可憐さを愛でて、静御前になぞらえたようです。一人静かにではなく、ほとんどが群生しています。

ヒトリシズカは、ブラシ状の変わった花で、花びらやがくはなく、雄しべの白い花糸が花のように見えている不思議な花です。

光沢のある4枚の葉が輪生する中から、白い花が集まって突き出し、今、杉山の林床のあちこちにつつましく咲いています。


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花が咲く前のヒトリシズカ。

茎は赤紫色で、葉が開くのを待ちきれないように、先端から花穂が顔をだし始めました。葉が展開する前に花が咲きます。


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花穂を2本出した個体もありました。ヒトリシズカは一人とは限らないようです。


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こちらには、花穂を4本出したヒトリシズカもありました。


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杉林と雑木林の境界域の明るいところでは、ミミガタテンナンショウと語り合うように凛とした姿で咲いていました。

4枚の葉が、大切なものを抱くように取り巻き、清楚な花を付けるヒトリシズカの不思議を感じながら、新緑を楽しんでいます。


満開のイワウチワ

2013年04月20日 | 草花

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イワウチワ(イワウメ科)

花弁の先がフリルのように切れ込み、愛らしいイワウチワの花が咲きました。

イワウチワが群生する奥入りの山にはなかなか入れず、花が終わってしまうのではと、やきもきしておりましたところ、昨年、里山に近い西斜面でイワウチワの葉を見たのを思い出しました。もしやそこに咲いているのではと足を運んだところ、満開のイワウチワを見ることができました。

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倒木の上に咲くイワウチワ。


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降り積もった落葉の中から顔を出す可憐なイワウチワ。

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大小迫山のイワウチワは、白に近いピンク色ですが、西日を受けで清楚に輝いていました。

里山に比較的近い場所ですが、急な西斜面で、植生は奥入り山と同じく赤松と広葉樹の混交林の林床です。

昨年もブログで紹介しましたが、イワウチワの良好な生育環境のための森林整備には手が回らず、思いだけで一年が過ぎてしまいました。整備を重ね、森を保全・維持していくことの大変さを痛感しています。http://blog.goo.ne.jp/yukitixyann/d/20120416


待ちに待ったカタクリの花がようやく咲き始めました。

2013年04月12日 | 草花

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カタクリ(ユリ科)

3年越しで整備したカタクリ山に、ようやくカタクリの花が咲き始めました。

カタクリは、花が咲くまでにはおよそ7~8年かかり、それまでは一枚の葉で過ごします。つむぎの家のカタクリ山は、今は一枚葉がほとんどですが、後3~4年後には2枚葉が出て、たくさんの花を付けてくれることでしょう。

今朝は、反り返った花はほとんどなく、まだ数日かかるかと思っていましたが、午後になって暖かな日差しに誘われ、一気に花が開きました。まだ、まばらに小さく咲いていますが、カタクリの一つ一つの違った表情が楽しめます。


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カタクリは斜面が大好きなようで、整備に手が回らなかった東斜面にも花が開いていました。


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蕾もあり、カタクリが全開するには数日かかりそうです。

スプリング・エフェメラル(春の妖精)といわれ、はかない命ですが来週いっぱいは、花を楽しむことができるでしょう。

山では、シュンランやイワウチワ、ユリワサビやヤマエンゴサクも咲き始めました。里地では、アマナやニリンソウが咲きだし、花いっぱいの賑やかな春を迎えたようです。


待ちわびた野草  アサツキ

2013年03月19日 | 草花

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アサツキ(ユリ科)

葉の色がネギよりも浅い緑色であることからアサツキ(浅葱)の名前がついたようです。

一週間前には見られなかったアサツキが、日当たりのいい斜面に顔を出しました。紅紫色のスイバの若芽も土手に色を添えています。待ちわびた野草摘みのシーズンがやってきました。


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冬枯れの野原に、天を突くように真直ぐに立ち上がるアサツキ。


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アサツキを堀起こすと土のにおいに混じって浅葱の香りが漂ってきました。


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昨晩は、豆乳入り湯豆腐鍋にアサツキをたっぷり入れていただきました。寒い冬をじっとこらえて春を待っていたアサツキの味わいは格別で、大地のエネルギーを頂いたようです。

春を待ちわび、野原を駆け巡って遊んだ幼少の頃、カンゾウやスカンポ(スイバ)、アサツキやノビル等、いろんな若菜を摘んで楽しみましたが、中でもアサツキは大好きな野草でした。遊び仲間に「アサツキ摘みに行こう」と誘われると嬉しくて飽くことなく野を探し回った記憶がよみがえります。

栽培した野菜にも勝る山野草の味わいが楽しめる季節が巡ってきました。