ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

お洒落な副校長

2014-05-26 07:34:00 | Weblog

「魅力ある先達」5月20日
 『「役員メーク」いかが』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『アベノミクスを背景に企業の女性役員登用の動きが広がる中、化粧品国内最大手の資生堂が今月下旬から、企業の<顔>としてふさわしいファッション「役員メーク」のノウハウや技術を紹介する取り組みを始める』のだそうです。
 20年前のことを思い出しました。女性教員のNが副校長に昇任することになり、赴任予定の小学校に引継ぎに行ったときのことです。Nは身なりに構わないタイプで、白髪交じりの髪を無造作に縛り、口紅以外はスッピンに近い顔で、化繊のペラペラのブラウスによれよれのスカートという姿でした。それでもNにすれば、普段のジャージ姿ではまずいという配慮の結果でした。引継ぎの打ち合わせを終えた校長は、「管理職になるのですから、それに相応しい服装や身だしなみをしてください」と遠慮がち伝えました。Nは頷いたものの怪訝な顔をしていました。
 Nがよく理解していないと判断した校長は、「きちんとしたスーツを着てくること、派手ではなくきちんと化粧をしてくること、髪は黒か濃い茶色に染めること」を指示し、化粧品もスーツももっていないのであれば今日の帰りに購入することと言い渡したのです。小学校の女性教員は、丸の内で働くOLさんに比べておしゃれではありません。様々な原因があるのでしょうが、とにかく事実としてあまり「美」に気を遣わない方が多いのです。ですから、中年の女性教員の場合、Nのような人は珍しくないのです。
 小学校教員の世界は、企業に比べ女性管理職が多いということは周知のとおりです。しかし、企業等と異なるのは、企業等では女性管理職が増加傾向にあるのに対し、小学校では顕著な増加傾向がみられないことです。女性教員が過半数を占めているのに、女性管理職を目指す女性教員はごく一部です。管理職登用に男女差別はなく、むしろ教委は積極的に女性登用を進めているにもかかわらず、微増に留まっているのです。
 様々な理由があるとは思いますが、中堅や若手の女性教員から見て、女性管理職が魅力的に見えないということも理由の一つだと思います。もちろん、校長や副校長。指導主事といった職自体を魅力あるものにすること、その魅力を伝えることが重要なのですが、同じ職場にいても、管理職の職務内容というのはなかなか理解しにくいものなのです。そこで、安易な発想と言われそうですが、女性管理職の外見を魅力的に見せるということも必要なのではないかと考えます。
 毎年、「理想の上司」が発表されますが、上位にランクされるのは、天海祐希さんのようないわゆる「カッコイイ」女性です。教委も、「校長メーク」のノウハウを学ぶ講習会を開催してみてはどうでしょうか。現状では、批判の方が多いかもしれませんが、そんな柔らか頭も必要になってきているのかもしれません。

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