「中学受験が一般化?」2月3日
『急速に進む中高一貫校と大学連携』という見出しの記事が掲載されました。『上智大、東京女子大、芝浦工業大、順天堂大-。これらは、2023年に私立中高一貫校との連携協定を結んだ大学だ(略)中学受験の学校選びにも少なからず影響を与えそうな高大連携。なぜ今、急速に進んでいるのか』という問題意識で書かれた記事です。
それぞれの大学の担当者は、『顔の見える関係にある生徒が入学してくれることを望んでいます』『入学後のミスマッチを防ぎたい』『理系分野あ女子学生が少ないという状況を是正していきたい』などと理由を述べています。それらが嘘だと言うつもりはありませんが、少子化時代を迎え、大学側には一定のレベルの学生の確保、高校側には大学進学における有利さをポイントに生徒を集めるという思惑があることは間違いないと思います。当然のことです。
そうなると、公立校側はどうなるのでしょうか。中学受験、高校受験で大学との連携に魅力を感じた子供や保護者が私立中高一貫校に流れ出す傾向が強まるということは、公立の中高から生徒が流出することを意味します。そうなると、都会でも、生徒数減による統廃合が起こるという状況が生まれます。東京でいえば、元々私立中学への進学熱が高い、千代田、中央、港、文京、目黒、新宿などでは、中学校の空洞化が深刻な課題をなるはずです。
この流れに対抗するには、公立の中高一貫校を増やし、それと大学との連携を拡大するということが考えられます。とりあえず、地元の公立大、都立大や横浜市立大のような大学との連携から始め、徐々に国立や私立大へも広げていくという動きが活発になる可能性があります。囲い込みです。
さらに想像をたくましくすれば、小中高一貫校を設け、小学校段階から囲い込みを始めるというところまでエスカレートするかもしれません。何しろ、公立校は一度抱え込んだ教員を簡単に解雇するということはできないのですから。
しかし、過度な囲い込み、系列化は、公教育を変質させてしまいます。受験の低年齢化、小中学校段階からの序列化が進んでしまうからです。私には今回の記事が恐ろしい未来を示唆しているように思えてなりませんでした。妄想で、取り越し苦労ならよいのですが。
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