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畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載95「ロクとビル」

2017-01-20 05:08:27 | 暮らし

   「ロク」と「ビル」

 

 私が中学生の頃、いつの間にか我が家の周辺に大型の犬が一頭、出没するようになった。

柴犬の大型のようで、柴犬とも異なる、やや太り気味で茶色のいわゆる普通の「犬」だ。その風貌と、何かの漫画から採ったのか、いつの間にか皆に、「ロク」と呼ばれるようになった。

  捨て犬、宿無し犬の類だと誰もが思っていた。大人風の雰囲気と、怒る事を知らない性格は皆に好かれ、餌も十分に与えられていた。

 

私の母の畑仕事にもお供をし、山道を一緒に通い、山菜採りにも同行していた。太り気味の身体のため、暑さに弱く、山から帰るとザンブとばかりに川に飛び込み笑わせた。

 

 やがて、意外な知らせがもたらされた。「ロク」は少し離れた集落の、ある家の飼い犬でそこの家では「ビル」と呼ばれ、可愛がられていると言うのだ。

 

放浪癖と言うか、自由気ままな生活好みと言うのか、本宅と別荘を使い分ける生活を楽しんでいたのだ。

  そんな事実が判明しても、「ロク」は相変わらず、我が家の周辺に出勤してきた。

そして、ある日小柄な雌犬を伴って来て皆を驚かせた。

「おい、ロク。お前は何時結婚したのだい。結構な嫁さんじゃないか」とからかわれた。

その嫁さんが、私達の目から見たら決して美人とは言えない雌だった。

どう言う訳か、上唇が捲れ気味でいつも歯が、口元から見えているのだ。

  我々の美醜の基準と「ロク」のそれは異なったようだ。人間だって「ロク」を見習わなければならない。美醜は決して外見だけでは判断出来ない。いや、判断してはいけないのだと。

  自由気ままで、幸せな生き方を見せた、「ロク」事、「ビル」もいつの間にか姿を見せなくなり、やがて本宅で天寿を全うしたと言う噂話が流れた。

皆もいつの間にかその存在を忘れ、噂話をする事も無くなった。

  (正月で新聞連載も中断していましたが再開です)

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寒波が去って雪も落ち着く

2017-01-19 04:53:41 | 自然

 あれっ、もう終わっちゃったのかなー、なんて思うほどの昨日でした。

 猛烈な寒波もまた北上し去ってしまえば穏やかな雰囲気が戻ってきます。

 

  でも、こんな雪の山ができちゃいました。

ロータリー除雪車が雪を飛ばせる場所ってどうしても限られてしまいこんな事に。

 

  北堀之内駅の両サイドは自然落下式なので建物の半分も埋まった。

雪降り前に乗り捨てた自転車が、前に1台左側に1台。いやもう1台左には埋まっているはず。

 物を大切にしない時代になっちゃって、自転車やコウモリ傘なんてポイッですからね。

駅舎の前の1台なんて、出入口に置いたものだから、雪の上に上げちゃいましたよ。

 

  この朝も15センチほど親切が積もり、駅のホームは除雪機で除雪。

帰宅すると、雪は消えて少なくなっていたけれど、スノーダンプで側溝の中へ。

 

 今年の冬は側溝兼流雪溝の水が豊富で助かります。

この水のおかげで助かるのだけれど、水がほとんど来ない年もあるのです。

 

 玄関の階段を覆う屋根から落ちた雪です。

数メートルの高さだけれども、落屑に直撃されたら大変です。

 今冬も屋根から落下したり、屋根からの落雪に埋もれたりと事故も多発。

雪国の悲しい運命だけれど、強い寒波はいつもこんな事故を残して去ります。

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独り酒を酌む

2017-01-18 04:41:23 | 食べ物

 奥方は冷蔵庫に収納品の一覧表を貼っていた。

でも、やはりどうも自分好みの食べ物も欲しくなって買い物に。

 ひょいと目についたのがこの鯛の頭。

どうも「天然物」なんて字を見ると手が伸びちゃうんですよ。

 

 「薩摩地鶏」なんて字を見てまたくらくらくらーっと。

砂肝とレバーを煮つけてみました。うーん、このおいしそうな湯気!

 

 ほんとはね、これを探しに行ったのでしたよ。

大根と煮合わせる材料を見て、やはり年齢相応にブリよりもこちら鮭のアラをチョイス、正解!

 

 さて、今更健康を云々したって仕方ないけれど、ま親の遺言。

バランスの良い食事が肝心とばかりにホウレン草のお浸しも。

 

 なくてはならないお薬「百薬の長」です。

毎年いただく、朝日山の「元旦絞り」で度数は生酒でもあり18度。

 かくして、一人ぼっちの食卓は始まりましたが、実はお酒がフライング。

美味しそうな自分の料理の匂いについふらふらと一杯始めてしまったのでした。

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大雪崩の記憶

2017-01-17 04:56:29 | 自然

 ヘリコプターからの航空写真をスキャナーで取り込んだものです。

右下に「北堀之内」駅の駅舎と跨線橋が見えます。

 駅のまっすぐ上が、河岸段丘の特徴で真っ平らな我が家の山の畑。

その我が家の畑の少し左手の山頂から一気に雪が崩れ落ちたのです。

 これは雪崩の翌朝かも知れませんし、別の日かもしれず記憶に薄い。

でも、こんな風に山頂から大量の雪が一気に崩れ落ちたことは間違いありません。

 

 電柱と電柱の上部を結ぶ、ビームと呼ぶ鉄製の部品の上部に雪がついています。

手前の下り線はもちろんの事、向こう側の上り線を越え、ホームさえ埋めたのでした。

 

 スコップで切り落とした雪を「モーターカーロータリー除雪車」で飛ばします。

こんな作業を何回も繰り返し、ようやく電車を通せるようになったのでした。

 

 別の角度からの航空写真です。

この昭和56年1月31日の雪崩から、36年が経ちました。

 その後、線路の傍に鉄製の雪崩防止柵が設置され今に至っています。

この雪崩の巣のような斜面はスベルべの独活とゼンマイの畑でもあります。

 豊かな自然も時にはこんな風に牙をむくこともあるのですね。

でも、それも含めて自然です。そんな自然の中で今まで暮らしてきたのです。

 

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昔の雪はこんなでした

2017-01-16 11:37:34 | 自然

 昭和56年ころの光景でしょう。

ピンクの毛糸の上着は下の娘で、向こうに上の娘と妻の姿が。

 

 我が家の二階から見た隣家です。

言えの一階部分はほとんど雪に埋もれてしまっていますね。

 

 向こうのコンクリートブロック造二階建ての建物はほとんど雪に埋もれています。

もっとも、この時は誰も住んでいない空き家であり、心配はありませんでしたが。

 

 ちょっと気取って撮った夜の駅前通りです。

駅構内の照明が、裏の山を照らし出し少し幻想的な雰囲気です。

 そして、この夜の後だったと思いますが、この駅構内を大規模な雪崩が襲うことに。

次回に、参考までにその際の光景もお見せしましょう。

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