二回目の山芋掘りに行った日は、娘の婿殿が夕食に我が家を訪ねてきた。
そこで、掘ってきてばかりの山芋の折れた部分をすりおろす。
おろし金もすりこ木も、子供の頃から我が家に有った古いもの。
結構大量にすり下ろしたけれど、それだけ山芋を折ってしまったと言う事か。
粘り気の強い山芋は、すりこ木棒に絡めて持ち上げられるほどです。
そして、この白に近い色がおいしい山芋の証拠なのです。
お玉でよいしょとばかりに持ち上げて、一部を切り離す。
取り分けた一部は「山芋の海苔巻き」に使います。
さて、いよいよ「トロロ汁」造りに取り掛かる。
左の小鍋の中には、煮干しで出汁を取ったしょうゆ味の汁が入っています。
出汁を慎重に少しずつ入れてすりこ木で根気よく延ばします。
短気に一気に入れると、山芋が汁に浮いてしまい、混じらなくなってしまう。
ほら、こんな風に何回にも分けて出し汁を入れて伸ばした結果です。
お玉から、糸を引くように流れ出すようになると完成です。
最初に取り分けた一部は、焼き海苔を広げた上にスプーンで伸ばします。
ここが、山芋の真骨頂。
焼き海苔で蒔いた山芋は包丁で切れるのですよ。ワサビ醤油でも美味しいけれど今回は酢醤油で。
そして、他にはこんな安い塩サバの焼き物で十分な夕食となります。
山芋のトロロ汁は初めての人には、野生的でやや土臭く食べ難いかも知れない。
でも、生まれて初めて食べるという、そのトロロ汁の味は婿殿を驚かす味だった様子。
目を丸くして、フーンと感心しきり。そして、海苔巻きを口にしてまた感心。
今度は山に連れ出して、山芋掘りの技術を伝承しましょうか。
土と太陽の贈り物とも言える山芋は本当に美味しく、栄養価に富むものですからね。
スベルベ一代限りの業で終えてしまうのはもったいないですよ(笑う)。