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畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

真剣師「小池重明」

2017-01-29 05:13:46 | 暮らし

 夏場は小説どころかね、習慣的に買う週刊誌さえ目を通しかねることさえある。

でも、その代わりというか冬は飢えたように本を読んでいる。

 最近はネットで注文すると、早いと翌々日には届くから便利といえば便利です。

ジャンルは特に問わず、読みたい本、面白そうな本を新聞、週刊誌などの書評で探したりする。

 この「真剣師小池重明」は週刊誌の書評「徹夜で読みたい本」で見つけ読みたくなったもの。

モデルの「小池重明」は将棋愛好家には知られた名前で、真剣師はプロはプロでも賭けのプロの事。

 そして、その実録を著したのが将棋好きで知られる作家「団鬼六」です。

「団鬼六」というと怪しげな官能ものやSМ小説で有名だけれど将棋愛好家としても知られている。

 さて、破天荒な生涯を送った真剣師「小池重明」の実録はやはりこの人しか書く適任者はない。

次々とプロの棋士を破る話なんてすごいですね。高段者さえ打ち負かす妖刀使いです。

 対戦者が一様に言うのは、アマのような序盤から、入り中盤からは対戦者に異様な感を持たせる。

そして、いつの間にか術中に陥るというか、序盤の優勢がいつの間にか敗勢に陥るというパターン。

 プロとして最初から修行したら大成したかというと、物事はそう簡単なものではない。

生まれにも曰くが有るのだが、生き方が半端ではない破天荒な生き方。

 酒と女で失敗ばかりし続ける生活は、破滅の方向へと向かうしかなかったのだ。

人妻と奔走したり、借金をし続けたり、人の信頼を裏切って逃げたりと転落一方の暮らし。

 しかし、どんな境遇にいても将棋だけは怪しい強さを持ち続ける。

不始末から遁走し肉体労働で命をつなぎ、それでも何年も駒を握ってなくても勝つのですから。

 かって、「東海の鬼」と呼ばれ、真剣師からプロになった有名な「花村元司」という棋士がいた。

しかし、「小池重明」は花村元司とはまた違う怪しげな強さがあったのだろう。

 もう何十年も駒に触っていないけれど、スベルべも小学生のうちに将棋を覚えている。

今でも、日曜日のテレビ対局も時々見ています。やはり、多少将棋がわからないと面白くないかな。

 とにかく、囲碁の藤沢秀行さんや、この小池重明など何故か無頼にもあこがれてしまう。

困ったことだけれども、自分など絶対になし得ないが、憧れる気持ちもどこかにあるのでしょう。

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