9月のスマトラでの活動は、煙に阻まれました。
100メートル先の視界もきかないため、飛行機も飛びません。
予定していた活動をやむなくキャンセルすることになりました。
この煙の原因は、山火事と焼き畑(プランテーション造成も含まれる)によるものです。
毎年、乾季には時々見られる光景でしたが、今年は史上初と言っていいほどの状況で、9月に入ってから1か月以上煙が充満しています。
時々雨が降ったり風が吹いたりして、数日視界がきくことがあっても、基本的にまっしろな世界です。
今年はリアウ州だけでなく、となりのジャンビ州、そのとなりの南スマトラ州も同じような状況らしく、人々はマスクをしたり、子供たちは学校が休校になったり、日常生活に支障をきたしています。
そんな中、ゆいツールはブキッ・ティガプル国立公園近くのレマン村を訪れ、8月末に現地のNGOが農業グループメンバーに提供した果物の苗木の状況を確認してきました。
(↑ NGOスタッフ〈右〉とレマン村が所属するランタウ・ランサール村の村長)
今回提供したのは、ジャンブゥ・マドゥ(ハチミツグアバ)という品種の苗木です。
(Yui-Tool sudah membantu bibit jambu madu kepada kelompok tani di dusun Lemang)
昨年からいろいろと検討してきて、支援する苗木を本種改良したゴムの木の苗木から果物の苗木へ変更したのです。
有機農業の専門家、サイフルさんのアドバイスを参考にしました。
ジャンブゥ・マドゥ(ハチミツグアバ)は、まだ栽培している農家が少なく、都会のスーパーなどでとても高値で売られているものです。
サイフルさんは自分でも育てていて、また農業指導をしている個人のお宅でも栽培していて、レマン村でも村人が真剣に世話をすればきっと収入増加につながるはず、と熱心に勧めてくれました。
(↓ サイフルさんと、サイフルさんが農業指導しているお宅のジャンブゥ・マドゥ)
メンバーと話し合ったあと、各家を周りました。
(↑ 植えられた苗木)
苗木が、ヤギなどの家畜に食べられないように、厳重に柵を作っています。
人によって、柵の作り方もさまざま。
毎夕、川から水を汲んできて水やりをしている、と農業グループのメンバーは言っていました。
そんな日本人からしたら当たり前のようなことでも、水道が引かれていない村で、離れた川までわざわざ苗木のために水を汲みに行く、というのはめんどうな仕事です。
彼らはもともと狩猟民族で、きめ細やかな管理をする農業の経験はありません。また、ゴム園でゴムの木を育て樹液を売って現金を得ていますが、最近はゴムの値段が安くなり、生活に困っているようです。年々少なくなっていく森の恵み(市場で高値で取引される木の実など)に頼るだけでは、豊かになることはできません。
国立公園の中で、違法な行為をしている村人もいるようです。(木の皮を剥いで売買したり、鳥を捕まえて売ったり、罠でトラを捕まえようとしたり)
ゆいツールは、村人がジャンブゥ・マドゥを栽培することで生活向上につながれば、と期待しています。
(山)
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