ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

学生向けエコツアー♪ 名古屋市立大編 「しょうが茶とヤシ砂糖づくり体験」と「機織り体験&お土産探し」~報告⑧~

2018年03月29日 | ⇒【名古屋市立大(2018年2月)】

さて、2月のツアー最後の報告です。

報告①はこちら。報告②はこちら。報告③はこちら。報告④はこちら。報告⑤はこちら。報告⑥はこちら。報告⑦はこちら

マングローブ林を堪能した日の夜は、ウダヤナごみ銀行のティアさんにヘナをしてもらいました。(写真下中央がティアさん)

翌日は、ロンボク最後の日。ところが午前中は雨でした。

しょうが茶とヤシ砂糖づくり体験をしにいきます。

しょうが茶には、ヤシ砂糖(ココナッツシュガー)の他、しょうが(白と赤)、レモングラス、丁子(クローブ)など何種類ものスパイスが入っています(ここに写っていないものも)。

協力してくれたのは西ロンボク県リンサール地区ランコ村のアブドゥル・ハディさんです。

昔は、ヤシ砂糖を溶いたお湯にしょうがなどをすったものを直接加えた伝統的な飲み物を、保存できる商品として開発しました。

インドネシア語で「Sarbat(サルバット)」という飲み物です。

できあがったものは、熱いお湯に溶かして飲むと体が温まる美味しい飲み物です。

ヤシ砂糖の作り方もとなりで見学しました。その後、鶏を絞めるのを見学。

イスラム教では、殺す前に祈りの言葉を唱えたり、鶏の顔を西に向けたりと手順があります。

そして、首を落としたら熱いお湯をかけて羽をむしります。

するすると剥けていく感覚がなんとも言えません。

さて、ハディさんのところで昼食をとった後は、機織りの村に向かいます。

体験してみたり。

民族衣装を着てみたり。

最後の夜は、ロンボク一大きなショッピングモールで食事をして、翌日参加者のみなさんはロンボクを出発していきました。

このツアーに参加した4人の学生さんたちは、つい先日大学を卒業されました。

最後に、インドネシアで刺激的な旅ができてよかったのではないでしょうか。

次回は、学生さんの感想が続きます。お楽しみに。

Yさんの感想はこちら。Nさんの感想はこちら

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学生向けエコツアー♪ 名古屋市立大編 村でのお別れの会、JICA隊員の活動報告とマングローブ林見学~報告⑦~

2018年03月27日 | ⇒【名古屋市立大(2018年2月)】

引き続き、2月のツアーの報告です。

報告①はこちら。報告②はこちら。報告③はこちら。報告④はこちら。報告⑤はこちら。報告⑥はこちら

ランタン村滞在最後の夜は恒例となったさよなら会。子どもたちが歌を歌ってくれます。

あちこちで涙涙。

お別れ会の後は、若者同士で交流が続きます。

翌朝は、村の人に見送られながら村を後にしました。

たった3日間。だけど、なんだか思い出がたくさんつまって、大事なことを思い出させてくれて、“自分らしくいられた”場所でした。

さて、この日はそれから西ロンボクの環境局へ行きました。

ここには、JICA青年海外協力隊員(環境教育)が派遣されていて、精力的に活動しています。

今回は、彼女の話を聞きました。

JICA隊員の活動って、実際のところどうなの?というところがよくわかり、学生たちもいろいろ質問して学んでいました。

彼女の職場には、ごみを分別しよう!と彼女が作ったごみ箱があちこちに設置されていました。

さて、環境局の後はマングローブ林におでかけです。

実は、体調を崩した学生が二人いたため先生もそちらに付き添い、マングローブ林にでかけたのは4人だけでした。

マングローブの花のようです。

舟に乗ってゆったりゆったり。

なんと、近くに竹でできた展望台があり(手作り!)、登ってみました。

みなさん、リフレッシュできたようでした。

いろんなスポットが開発されつつあるロンボク島です。

バリ島のようにどこに行っても日本人、という状況はなく、素朴で、ゆったりと楽しめるロンボク島。

もう少し日本からお客さんが来てくれてもいいかなーと思います。

さて、次回は旅の最後のアクティビティ「しょうが茶とヤシ砂糖づくり体験」と「機織り体験&お土産探し」の報告です。

報告⑧はこちら

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学生さんの感想(名古屋市立大編 )その2

2018年03月22日 | 6. エコツアー参加者の声

2月のツアー 学生さんの感想 Nさん

ゆいツールの方々が組んでくださった今回のプログラムは、エコツアーが主たるテーマだったと思う。小さなごみから作られるリサイクル商品、すべての材料が現地のものから作られるヤシ砂糖や伝統お菓子など、ものの循環を体験という形で見せてくださった。2年前にフィリピンのスタディツアーに参加した際は、ゴミ問題があるという現状だけを見たため、それに比べてインドネシアはゴミが少なく、住民による取り組みも実施されており、ゴミ焼却炉の機能性に頼る日本人(特に私の住む地域の人)が、逆に学ぶ面が多いように感じた。

プログラムとして組んでくださった体験は大変貴重なものであったが、それ以上に私の印象に残ったことは、ランタン村での生活だった。海外での初めてのホームステイは、とてもシンプルな暮らしだった。家にある電気製品は、照明、洗濯機、テレビ、炊飯器のみ。それでも生活はできた。冷たい水のマンディも苦にならず、多くのハエが寄ってきても全然気にならない。猫が家の中に入ってきたって、それは子どもの遊び相手になった。小さくてうす暗い家でも、自然に家族全員が居間に集い、円になって談話するような温かさがあった。朝ごはんを家の庭で食べていたら、ふらっと近所の住人がやってきて、気づけば隣に座っている。言葉は通じなくても、みんな笑顔だった。今まで20年以上日本で暮らしてきて、たった一度でさえこんなことはなかった。ランタン村での生活は、私にとってすべてが新鮮だった。そこにはたしかに心地よい感覚があった。これを、人間らしさが取り戻される感覚といっては、単純すぎるだろうか。日本各地で行われている「居場所」づくりなんて、村では必要ないほど、誰もが受け容れられ、そこに居られる場が自明としてあった。百聞は一見に如かずという言葉の通り、私の卒論でかいた「かつてあった村社会」や「存在自体が受け容れられる場」とはこういうことか、と感じとることができた。

また、ツアーを通じてロンボクで出会った人びとからも多くの気づきを得た。一人ひとり違った立場からの様々な考え方に触れることができ、人は一直線上に並ぶ必要なんてなく、いろんな生き方や考え方があっていいんだと思わされた。日本にいると、どこに住むか、何をするか、誰といるか、を決めないと安心できない。もっと自由で、流されるような生き方がしたいのに、それが許されない風潮がある。私は多くの場合、自分に迫りくる漠然とした危機感を原動力として、それをひたすら処理する生き方をしてきた、と振り返ってみて思う。一方で、ロンボクで暮らす人びとは、楽しさやあこがれといった前向きなものを原動力にしているように感じた。そのポジティブな姿勢の背景の一つには、宗教が大きく関係しているだろう。どんな話をするときも、彼らから神の存在を感じた。いいことがあると神に感謝し、悪いことがあっても神のせいにすればいい。文化的には一様性に近いが、信仰により人びとの生き方は多様に認められるのかもしれない。

ランタン村は、すべての住民が家族であり、宗教のある暮らしの中で、下心のない優しさに包まれた村だった。村には多くの若者や子どもがいたが、きっと彼らはあの土地に愛着をもっているだろう。しかし、日本にかつてあった村社会は、都市での労働力の需要により、またたく間に消滅していった。地方の高齢化、過疎化は留まることを知らず、人間関係は希薄化していった。私は、ランタン村もそのような未来になってしまわないかと、一抹の不安を抱く。彼らは、ずっとあの村で暮らしていきたいと考えているのだろうか。もっと多くの娯楽があって、たくさんのお金が稼げるところに行きたいと思っていないのだろうか。地域のつながりを失ってしまった日本人がロンボクへ行くことは、その大切さを感じる有意義な機会となった。では、便利さや先進性にあこがれをいだくロンボク人にとって、私たち日本人が関わることに、どんな意義があるのだろうか。開発を援助できる立場にある人間は、自分たちの生活を顧みながら、何が大切で何を守りたいのか、じっくりと考えることを怠ってはいけないと感じた。

誰も犠牲にしない開発をするには、より多様な視点から、より多くの立場の人に対する想像力が必要であると考えるが、今回のインドネシアでの小さな体験を通じて、それを膨らますことができ、私はより一歩優しくなれたように思う。

Nさんが参加したツアーの報告 ⇒ 報告①報告②報告③報告④報告⑤報告⑥報告⑦報告⑧

Yさんの感想はこちら

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学生さんの感想(名古屋市立大編 )その1

2018年03月17日 | 6. エコツアー参加者の声

2月のツアー 学生さんの感想 Yさん

今回参加したESDスタディツアーで、私は、人々が現代社会の生活で失ってきた大切なものを取り戻した感覚を味わった。現代を生きる人々は、効率や能力の高さを絶えず求められている結果、個性や感情、思いやりなど、本来人間がもつ大切なものを見失いつつあるのではないか。私たちはその大切なものを「人間らしさ」と呼んでいる。そして、「人間らしさ」を取り戻すために必要なものは何かを考え、議論してきた。今回のツアーでは、その答えとなるようなもの、すなわち「人間らしさ」を感じた瞬間が幾つもあった。

それらのうち最も印象的だったのは、間違いなく、ランタン村での生活であった。村の人たちは熱烈に私たちをもてなしてくれた。一方、彼らに合わせて私たちが無理な応えかけをしてしまわないよう、常に気を遣ってくれていた。先生が言っていたように、村の人たちは、人の表情や様子を読み取ることに長けていた。いつも私のことを気にかけてくれているという、ケアされているような感覚があったから、私は村で安心して過ごせたのだと思う。だから私はランタン村で、着飾ることのない素の自分でいられた。村の子どもたちや若者と一緒に歌ったり、子どもがする遊びやスポーツをしたりして、楽しいと思えたのだ。こういった素直な感情や振る舞いは、大学で過ごしているときにはあまり出すことがなかった。私が私本来のキャラクターでいることができて、自分はいま「人間らしく」過ごせていると感じた。

また、ツアー中に何度も言及してきたが、宗教を大切にする人々の暮らしに触れられたことがとても良かった。私は宗教をもってはいるが深く信仰はしていないのだが、宗教は人の心の支えになるのだと考えている。ロンボクの人々がモスクに集う姿や、イスラム教の教えを大切にしている様子を見たことで、私は改めて、宗教は心の支え、あるいは拠り所なのだと感じた。

私は今回のスタディツアーの至るところで、大学の教室では絶対に体験できない学びが得られ、とくにホームステイではランタン村の人々の「暮らし」(ゼミの学びのテーマの基底として私たちが2年前に選んだのが「暮らし」であった)に入り、学ぶことができた。このかけがえのない体験ができて本当に良かったと思っているし、いまの私でないと参加しようとは思わなかったであろうから、今冬にこのツアーを組んでくださった先生やゆいツールには本当に感謝している。スタディツアーで感じた、人がいるあたたかさや安心感、心の拠り所、それらを忘れないようにして、また参考にして、私と私の周りの人たちが「人間らしく」生きられるよう、これから少しずつでも自分を変えていけたらいいなと思う。

Yさんが参加したツアーの報告 ⇒ 報告①報告②報告③報告④報告⑤報告⑥報告⑦報告⑧

Nさんの感想はこちら

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学生向けエコツアー♪ 名古屋市立大編 コーヒーづくり体験やゲーム大会に参加!~報告⑥~

2018年03月15日 | ⇒【名古屋市立大(2018年2月)】

2月に行った、名古屋市立大学の学生ツアーの報告の続きです。

報告①はこちら。報告②はこちら。報告③はこちら。報告④はこちら。報告⑤はこちら

小学校でプログラムを実施した日の午後は、「コーヒーづくり体験」と「ゲーム大会に参加!」しました。

集落から田んぼに向かって降りていくと、水をたたえた田んぼのような池のようなところに出ました。

右手に見えている小屋で、コーヒーづくりをするよ!とオパンたちが言います。

おやおや。サインが作られています。若者たちのやる気が垣間見えます。

サインの下でパシャリ。

準備をする間、子供たちと遊びます。

さて。コーヒーの量に対して1/3くらいのお米を先に炒めてから、コーヒーを炒めていきます。

もちろん、体験します。

子どもたちは、ガイドのパマンと魚釣り。池に魚が養殖されているのです。

コーヒーづくりを体験した後は、3つ子のおうちへ向かいます。

始まったのは、子供たちや村の人と対抗のゲーム大会です。

箸を使った「どっちが早くお菓子を口に運べるか大会!」とか。(インドネシア人もお箸使えるんだね)

目隠しをして、ぶらさげてある小さな焼き物を割ってみよう大会!とか。

焼き物の中には、お金(コイン)と水などが入っていて、上手に割れると子供たちが殺到するという仕掛けです。

最後は、風船を針で突きました。お金と白い粉がバラバラと落ちてきます。

このゲーム大会。ただの遊びじゃん、と思うかもしれません。まったくただの遊びです。

だけど、村の子供たちと触れ合う機会になって、その様子を村の人たちが眺めて楽しんでいます。

これは、三つ子のお父さんが準備をしてくれました。

12月のツアーを経て、今回この村で2度の学生ツアーを実施して感じたのは、オパンやタンティなどの若者や村の人たちが、周到にツアーの準備をしてくれたのだな、ということでした。

どんなことをして、日本の若者たちを楽しませようか。どうやって村の人と交流をもってもらおうか。

村人自身が考え、準備をし、もてなしてくれました。

もし、自分の住んでいる地域に外国からお客さんがやってきたら、こんな風に私たちはお客さんをもてなすことができるだろうか、とふと考えてしまいました。

日本の若者たちは、村での生活を体験しそれぞれに感じることがあったようです。

次回は、学生たちの感想をご紹介します。

子どもたちと記念写真。後ろで両手をあげているのが、三つ子(タンティ、ティウィ、トゥリスナ)のお父さんです。

報告⑦はこちら

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学生向けエコツアー報告会を開催しました! in Tokyo

2018年03月11日 | ⇒2017年度(日本)

3月10日(土)に、新橋で「インドネシア・ロンボク島学生向けエコツアー報告会~ごみだらけのロンボクでなぜか本当の幸せを見つけた~」を開催しました。

Kemain Yui-Tool membuat acara untuk presentasi tentang hasil Ecowisata di Lombok bulan 12, 2017, kepada teman-teman.

まずはゆいツールの、ロンボク島での活動紹介です。

会場には、21名のお客様がいらっしゃいました。

それから、今回のメイン!映像上映です。

この映像は、ツアー参加者が製作しました。

ロンボクに行ったことのない人も、現地の空気を感じられるように工夫して作りました。

30分と長いためWEB上で公開できるかどうかわかりませんが、せっかく作ったこの映像を、今後の広報や活動紹介で活用していければと考えています。

映像を見た参加者は「すごくよかった」「ロンボクに行った気分になれた」「現地のことがわかってよかった」などと言ってくれました。

映像終了後、製作者が想いを発表します。

そのあと、「ごみ銀行について」の報告です。

休憩をはさみ、「村の生活について」の報告です。

若者が、感じたこと・学んだことを、様々な方法で表現できた報告会だったように感じます。

イベントの最後は、報告者を囲みお話しタイムです。

↑ こちらは、インドネシアの生活や、村の若者たちのこと、貧困層について、暮らしの中のつながりについて話していました。

↑ このグループは、ごみ問題に話が集中していたようです。(実はこのグループに、昨年度のツアー参加者も混じっています)

↑ こちらは、宗教や昔の日本の暮らしのことや、日本で自分を出しずらいことの特殊性の指摘、(映像制作者が)これからどうしていくのか、という話などをしていました。

やはり、少人数で質問したり、感じたことを外に出す場があると、とてもよいな、と思いました。

報告会にはツアー参加者は5名来てくれていて、彼らとイベント参加者との間にあたたかな交流が生まれていました。

イベントに足を運んでくださったみなさん。どうもありがとうございました。

(山)

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学生向けエコツアー♪ 名古屋市立大編 ロンボクの伝統紹介と小学校でのプログラム体験~報告⑤~

2018年03月08日 | ⇒【名古屋市立大(2018年2月)】

2月に行った、名古屋市立大学の学生ツアーの報告の続きです。

報告①はこちら。報告②はこちら。報告③はこちら。報告④はこちら

ワークショップに参加した日の夜は、ロンボクの伝統紹介の時間でした。

まずは、ふたつのグループに分かれて、と指示がありました。

ひとつは「伝統衣装グループ」。もうひとつは「ササック語(ロンボクの民族の言葉)の歌グループ」。

そうして「伝統衣装グループ」では、着替えが始まりました。そして、衣装の意味を学びます。

一方、「ササック語の歌グループ」のほうは、小さな紙が配られて歌の練習です。

若者同士わいわいがやがや。

時間が経つと、それぞれのグループごとに発表の時間です。

ロンボクの伝統の、女性と男性の衣装について説明を聞きます。

そのあと、歌の発表です。

村の若者が意味を説明しながら、ツアー参加者は覚えたてのササック語の歌を歌います。

それから、自由タイム。伝統衣装はみんながかわるがわる着てみました。

実は、この伝統紹介の時間は、12月のツアーの時もありました。

その時にいろいろと反省点が出て、村の若者自身が改善をして、今回再チャレンジをしたのです。

こうやって、実施したことから自ら学びを得て改善し、次につなげるという流れは、環境教育/ESDの場で非常に重要です。

それこそが主体的な学び、能動的な学びになっていくのです。

さて、翌朝は小学校へ。

何をしに行ったかと言うと、ゆいツール恒例の「ごみについて考えるプログラム」を子供たちと一緒に体験するためです。

実施者は、ゆいツールボランティアのスカディくんです。

そして、村の若者側の三つ子たちは学校の先生でもあるので、サポートに入ります。

(写真下。水色のジルバブ:髪を隠す布をつけているのが、三つ子のひとりタンティ)

ツアー参加者も子供たちのグループに交じっています。

体験が終わるとサイン会と写真撮影。スターのようです。

学校でのプログラム実施でも、村の若者オパンとタンティは、見事なコーディネートを見せてくれました。

実は、ふたつの小学校の子供たち(5,6年生)と中学生を呼んでくれていたのです。

なぜなら、村にはふたつ小学校があって、私が「プログラムをやらせてほしい」と頼んだ時に、どちらかひとつだけで実施すると不公平になるから、と両方から子供を連れてくることを提案してくれたのです。

そして、プログラムが終わって帰る子供たちには、水とちょっとしたお菓子を配っていました。

そういう、準備や裏方の部分というのは、ちゃんと見ていないと評価できません。

ただ思いつきで学校へ行って、こちらがやりたいからと一方的にプログラムを実施するのではなく、こちらの意図と受け入れる側のコーディネート、サポートしてくれる人たち(今回は学校の先生方)の協力があって、質の良い学びは生まれるとつくづく感じます。

 (→報告⑥

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学生向けエコツアー♪ 名古屋市立大編 ワークショップ「本当の豊かさ、幸せとは?」~報告④~

2018年03月06日 | ⇒【名古屋市立大(2018年2月)】

2月に行った、名古屋市立大学の学生ツアーの報告の続きです。

報告①はこちら。報告②はこちら。報告③はこちら

こちらが、みんなで作ったロンボクの伝統菓子です。

Serabi sama Kelepon kecrit yang jajan yang original Lombok.

(左手前が、スラビという米粉を焼いてココナツをふりかけたお菓子。

右手前の緑色の玉が、 中にヤシ砂糖の液が入ったクレポンクリッというお菓子)

伝統菓子づくりをした日の午後は、ランタン村の若者たちとワークショップを行いました。

今回のテーマは「私たちはどこに向かって発展していけばいいのか」言い換えると「本当の豊かさと幸せについて」。

どうしてこんなテーマにしたかと言うと。

今回ツアーに参加した学生たちは、ESD(持続可能な開発のための教育)が研究テーマです。

持続可能な開発ってなに?持続可能とは、今の世代だけではなく孫の世代その先の世代までずっと続くことができる、ということ。

開発というのは、例えば開発途上国が豊かになっていくこと。先進国にとっては、さらなる発展ということ。

さらなる発展とはつまり、豊かに暮らしていくということ。

つまり、「今の世代だけではなく孫の世代その先の世代までずっと続くことができる豊かな暮らし」のための教育。

教育とは、人を育てること。学校での勉強を指しているのではなく、そういう新しい暮らし方・考え方・生き方を実践することそのもの。あるいは、そういうことを実践できる人たちを育てていくこと。

ESDは、特殊な考え方でも一部の人たちの趣味のようなものでもありません。

今、この時代に生きているすべての人たちの上に、網のようにかぶさった新しい概念のことなのです。

18世紀末のイギリスで始まった産業革命以降、人類は地球上の資源をむさぼるように使いエネルギーを生み出し、みるみるうちに発展を遂げてきました。でも、まだ発展しきっていない国々がこれから同じように発展していこうとしたときに、「エネルギーは足りるの?」「資源はまだあるの?」「(地球温暖化の原因につながる)CO2をもっともっと出し続けるの?」という疑問が生じてきたのです。

そこで、これからは「持続可能な開発(または発展)」をしていかなければいけないんじゃないの、ということが、1992 年にブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミット(国連環境開発会議)で指摘されたのです。

さて、前置きが長くなりました。

今回は、村の若者と日本の学生たちにまず次のことを考えてもらいました。

●インドネシア人「①豊かさとはただお金がある状態か?→②お金があることがつまり幸せなのか?→③あなたにとって村が発展するとはどういうことか?

●日本人「発展した先にいる日本で、失われたもの、足りないもの。本当の豊かさとは?」

何人かの村の若者たちのワークシートより

①豊かさとはただお金がある状態か?→②お金があることがつまり幸せなのか?→③あなたにとって村が発展するとはどういうことか?

Nabila Haslina Fatmawati –dusun Lantan

①  豊かさとは、ただお金があることではない。豊かさとは、一緒にいる人への笑顔や誠実さである。

②  違う。幸せとは家族や友人の形であり、幸福は私たちがうれしい時も悲しい時も一緒にいることである。

③  私はこの村が、ひとつもごみが散らかっていない日本のようにきれいになったらいいと思う。

IKA NURJANAH

①  いいえ。幸せはお金だけではなりません。むしろ、家族や周囲の人と一緒にいることです。

②  いいえ。なぜならお金は一時的な幸福を与えるだけで、確かな幸せを与えることはできないから。

③  村に安定した職業があるがなければいけない。村人が失業せず、繁栄していくことができるように仕事を作ること。

Didi Wahyudi -dusun Antan desa

①  はい、そしていいえです。豊かさとはお金だけではなく、私たちの身の回りにある自然であり、むしろ豊かな心と知識が豊富にあることです。

②  違います。お金は(幸せではなく)ただ必要なものというだけです。

③  私たちが現在持っているものに誰もが飽きることはない進歩。私にとって最も重要なことは、村人の安全、団結、そして繁栄です。

Intan Supina –dusun Gubuk makam

①  いいえ。豊かさとはお金のことではありません。豊かさとは幸せのことであり、幸せとはすべての人に分け与えることができる。笑顔やジョークや笑いの形をとって。

②  いいえ。本当の幸せとは、たくさんの人と一緒にいること。笑顔やジョークや笑いを分け与えて。

③  この村からごみがなくなってきれいになること。すべての種類のごみがクレアティブで美しい手工芸品に姿を変えることで、村が発展していくこと。村がきれいで美しい場所となること。それは村の真の進歩と幸福です。そして私は、それを実現させるために活動したい。

日本の学生たち「発展した先にいる日本で、失われたもの、足りないもの。本当の豊かさとは?」

⇒生活のゆとり(時間的なゆとり)

⇒人と関わって、楽しいとか嬉しいという感情がたくさんあること

⇒困ったときに近所の人に助けてもらうこと

⇒お祈りの度に、一回ふと立ち止まる時間がある

⇒人を思いやること。

⇒常に人の気配を感じられてさみしくない。

⇒日本では、責任感・義務感に追われている。

⇒日本では一人暮らしで3日間家から出ないときもある。

⇒日本では、マンションなどでとなりに住んでいる人を知らない。あいさつもしない。

⇒日本は閉鎖的(建物も)で、他人のことは考えない。

⇒日本では「〇〇っぽいから」「〇〇らしく」役割を演じて生活

⇒日本では、人間が置いていかれている


進行役は、タナ・ベア村のトニーさんです。(写真右)

一回目の個人ワーク&グループワークの後、シェアリングをします。

日本人は、村の若者たちの「豊かさとは単にお金がある状態のことではない」「家族や友達やみんなと一緒にいることが豊かさだ」という言葉に耳を傾けます。

村の若者たちは、技術が進歩して何もかも揃っている豊かな日本では、「日本人は常に忙しい」ことや「人と向き合う時間もないこと」「自分の感情を素直に表に出せないこともある」ことなどを知り、驚きます。

さらに話し合います。

●インドネシア人「幸福と豊かさのバランスをどうとったらいいのか?そして村の・街の・州の・国の環境を守り続けるにはどうしたらいいか?」

●日本人「私たちはいったい、どこに向かって発展していくべきなのか?失ったものを、どうやって取り戻すか?またはこれ以上失わないためにはどうしたらいいか?」

 

「幸福と豊かさのバランスをどうとったらいいのか?そして村の・街の・州の・国の環境を守り続けるにはどうしたらいいか?」

【グループ1】

・神によって与えられたものすべてに感謝をすること。

・環境をいかに保つか。「意識を変えること、気づかうこと、環境保護のための行動を自分自身から始めること」「環境を維持するための規律」「もし自分ができるようになったら、他の人はそれを手本にすることができる。」

【グループ2】

・神様に感謝すること。

・お金だけでなく、科学に関する知識や笑顔など私たちが持っているどんなものでも共有するだけで、私たちは幸せになれます。

・あらゆるレベルの住民(お金持ちも貧乏人も農民も公務員も子供も若者も大人も)に対するケアを高める

・村の行政と住民の協力

【グループ3】

・環境をきれいに保つ

・自然の美しさ、伝統、習慣を維持すること。

・どんなことでも協力すること

 

「私たちはいったい、どこに向かって発展していくべきなのか?失ったものを、どうやって取り戻すか?

またはこれ以上失わないためにはどうしたらいいか?」

⇒「自分を大切にする」「自分と向き合う」自分のことをわからないと、他人を思いやることもできない。周りの幸せにまで目が届かない。

⇒「ひとりひとりの幸せ」(企業のためじゃない)

⇒「仕事を楽しく」

⇒「人間関係」

⇒「開かれた空間」

⇒「許してくれる心」個性を大切に。

⇒「ゆとり。みんなでシェアリングする時間が大切」

最後に、先生からコメントがありました。

・日本人は、神も人も自分自身も「信じる」ことを失ってしまった。

・日本人が信じてきたもの、求めてきたものは、目に見える技=テクノロジー。そのなかで、自然も失ってしまった。

・だからこそ、教育で改めて若者に伝えようとしている。でも、日本では教育も結果が大切。目に見える試験とか。

・だから日本人は、居場所がないように感じてしまう。

・ランタン村に来て、たった1日半で日本の若者はほぐれていった。(村の自然と村の住民のあたたかいホスピタリティのおかげで)

その先生のコメントを聞いて、この家の主人(オパンさんの父親)が「私も一言…」と言って立ち上がりました。

実は、オパンさんのお父さんは小学校の先生なのです。

「インドネシアでは、学校での子どもの評価は70%が個人のキャラクター、30%が試験。試験の成績だけで、評価することはありません」

参考になれば、と控えめに笑って座りました。

そんな風にして、ワークショップは終わりました。

いつもこの村でワークショップをやると感じますが、随所に「神様」「宗教」が顔を出します。

たまたまこの村はイスラム教ですが、ロンボクにはヒンドゥー教(やキリスト教、仏教)もあります。

誰もが、何かしらの宗教を信じています。そしてそれが生活の規範になっています。

だから、先生の「日本人は、神も人も自分自身も『信じる』ことを失ってしまった。」という言葉には、大きく頷いてしまいます。

12月のツアーの参加者たちも言っていましたが、日本ではもうほとんど失われてしまった大事ななにかが、この村には当たり前に存在しています。

発展していくことが、その「大事ななにか」を失っていくことだとしたら、発展はしてほしくない。

でも、「大事ななにか」を失わないで発展していけるのかもしれない。

それを共に考えるために、日本の若者とインドネシアの村の若者たちが、これからも出会い続け繋がり続けていけるように、ゆいツールは場づくりをしていこう、と思っています。

(→報告⑤

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