ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

スマトラ島でもオーガニック野菜!? in Sumatera

2015年02月27日 | 8. スマトラでの活動

ゆいツールは2月後半、スマトラ島で活動していました。

今回は、オーガニック野菜を育てているサイフルさん(Pak Saipul)のところで、村ガイドのマルディウスさん(Pak Mardiyus)と現地NGOのPASAのスタッフとともに、有機野菜を使った野菜やくだものの世話の仕方、種の撒き方などを教わりました。

これがサイフルさんの畑です。

実は、お店の屋根の上で栽培しています。

サイフルさんはここで、実にさまざまな野菜・果物を育ててきました。

最近は、自ら開発した「スクリーンハウス」(屋根はビニール、壁面はネット)で、何種類かの葉っぱものの野菜を20日間ローテーションで育てて収穫しています。(↑写真奥)

野菜を洗うサイフルさん。

みずみずしい野菜たち。

一束5,000ルピア(45円~50円)で、自分のお店(コンビニ)で売っています。

市場で売られている同じ野菜は、1,000ルピアから2,000ルピアなので、かなり高めです。

でも、健康のことを考えて、環境のことを考えて、またはおいしいから、買う人は確実にいるそうです。

サイフルさんのお店兼家があるのは、東京のような大きな街ではなく、田舎のちょっとした町の中です。それでも、オーガニック野菜を買い求める人がいる、というのは、ちょっとした驚きです。

サイフルさんは農業局のスタッフで、考え方も先進国の私たち並です。

農薬がかかったものを毎日毎日食べていたら、体の中に毒素が貯まっていく、というような話をインドネシア人から聞くのはとても新鮮です。

 

これは、サイフルさんが管理を任されている畑のスクリーンハウスです。

雨は直接野菜に当たらず、水はホースで撒きます。

そうすることで、小さな種を撒いたあとに雨に流されたり、強い雨が降った時に土が葉っぱに跳ね返ったりすることを防ぎます。

そのため、サイフルさんの作る野菜はとてもきれいです。

 

種まきについて教えてもらいました。まずは、種を数えるところから。

え、どうしてこんな細かなことをするの?と思いましたが、実は畑の大きさに対して適切な種の量を把握するためでした。

これくらい小さな種の場合、だいたい何センチ間隔で生えてほしいから、そうなると100cm×100cmの面積がこれくらいで種は625粒で十分。さあ数えてみましょう。とサイフルさん。

くしゃみをしたら吹き飛びそうな小さな種を、ひとつふたつと数えていきます。100粒の量が把握できたら625粒はだいたいこれくらいね、と小さなスプーンに乗せてみると、スプーンの半分ほど。

 

畑に行って種まきの準備です。有機肥料をまいて、土に均等に混ぜます。小さな鍬でザクザクと。

実際の種まきは、サイフルさんの畑の大きさに合わせて種を調整して、ふるいをかけた砂と肥料に混ぜてから撒きました。

種が均等になるように丁寧に丁寧に、器に移し替えたりしながら混ぜてから撒きます。

サッサッサッサッと、手際よく均等に撒くサイフルさん。

それを称賛のまなざしで見つめる私たち。

そのあとは、先ほど撒いた種よりもほんの少し大きな種の撒き方を教わりました。

こちらは、小さなポットを使います。

指で押したへこみに3粒づつ撒きます。

サイフルさんのやり方は、最小限の材料(つまりお金)と力・時間で、最大限の収穫を、というものです。

種を適当にばらまいて間引くのではなく、最初から適切な量を均等に撒いて、均等な大きさで育て、チョキチョキと手軽に収穫して、終わり。実に簡単そうに見えます。

害虫対策は?と聞いてみると、まずはネットで卵を産むちょうちょやハエなどが中に入らないようにすることと、葉っぱを食べている虫を見つけたら速やかに発見して除去すること、虫の嫌がる薬(主に有機由来のもの)をまくこと、と教えてもらいました。

 

ゆいツールは、サイフルさんのやり方を真似て、国立公園の近くの村で野菜作りを試してみようと思っています。

実際は、村ガイドのマルディウスさんが、自分の家で小面積で試してみます。何かを世話するより、森に入って高く売れる木の実などを探すほうを好む気質の村の人たちが、後に続くかどうかはまだわかりません。

 

ちなみに、ゆいツールが以前国立公園内で試した野菜畑は、昨年の6月に洪水にあってストップしてしまいました。

その代りに、以前畑を管理してくれていた村人がひとりで、別の場所に畑を作っています。(写真は12月の様子)

今回、この村人も研修に誘ったのですが、連れて行くことはできませんでした。

なかなか思い通りにいかない活動ですが、少しづつ村の人たちの考え方を変えていけたらいいなぁと思っています。

(山)

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