ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

スタッフコラム★☆世界は生きものたちでいっぱい

2023年08月24日 | 11. ≪スタッフコラム≫

◎ ◎ ◎ スタッフコラム ◎ ◎ ◎

8月、ロンボク島での活動は停滞しています。なぜって?

ローカルスタッフが姿を消したから。インドネシア人あるある。

突然、40日間の巡礼の旅に出た模様。

さて、話は変わって今私が考えていること。

「世界は生きものたちでいっぱいだ」ということ。

子供の頃の話をします。

まだ言葉で自分の考えていることを表現できなかった頃から、私は外の世界に対して大きな疑問を抱えていました。

それは、身の回りの空き地が家や建物にどんどん姿を変えていくのを見ている中で、その逆はどこで見られるのかな?ということでした。

家や建物が解体されて、自然に戻っていく場所はどこにあるのかな?

あるいは、いついらなくなった建物が壊されて自然に戻されるのかな?

まさか、自然を壊して人間の都合のいいように使って、それを元に戻さないということなんて、ないよね???

ないよね?ないよね?まさかないよね?

そう思って、大人になった気がします。そのまさか、でした。

人間は、自然を都合のいいように使って、元に戻さなくても許されるの?うそでしょ。

それが、世界に対する私の感覚でした。

31年前のリオ・デ・ジャネイロで、セヴァン・スズキが語った言葉の中のひとつ。

「どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください。」

同じ感覚でした。

世界は生きものでいっぱいなのに、なぜ人間だけが好き勝手なことができるの?

なぜ森を切り開いて畑にして、畑を潰して家を建てて、そこらじゅう建物だらけにしても許されるの?

ハチやアリやクモや、クマやサルやイノシシやシカや、ネズミやカラス、もっとたくさんの生きものが、害虫だとか害獣だとか言われて、駆除されるのはなぜなの?

なぜ、雑草を抜かないで薬をまくの?

その薬は、雨に溶けて土にしみこんで、それからその先はどうなるの?

健康被害はない、っていうのは、人間のことしか考えていない言葉じゃないかな。

どうして誰も、生きものたちの言葉を代弁しないの?

一本の木が切り倒されたら、そこに暮らしていた生きものたちはとても困るよ。

人間のために木を切らせてね。その代わり、別の場所に木を植えるね。

そういうシステムだったらいいのに。

・・・私は、生きものの声が聞こえる、ということはありません。

家に出てきたゴキブリは、やっぱり駆除します。(でも、ハエトリグモとは共存します)

それでも、世界は人間だけのものではないと、と思って暮らしています。

そんなことを伝える絵本を、これから作りたい、と思っています。(山)

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ロンボク島に自然学校をつくりたい(またまた夢想・・・)

2023年08月14日 | 11. ≪スタッフコラム≫

◎ ◎ ◎ スタッフコラム ◎ ◎ ◎

みなさんは、自然学校というとどんなところを思い浮かべますか?

(イメージ:沖縄のとある小さな滝)

なにか農業とかやってナチュラルな暮らしをするところ?自然の中で遊べるところ?

自然について学ぶところ?自然体験ができるところ?

多分、全部○(まる)。

日本には様々な自然学校があります。環境教育的なところ。冒険教育的なところ。アドベンチャー一色なところ。

基本的にそれぞれ、何にも縛られずに自由な発想で運営されています。

日本の自然学校は例えば、こんなにたくさんあります。(注:すべての自然学校を網羅しているわけではありません)

NPO法人日本エコツーリズムセンターの団体会員リスト

NPO法人日本エコツーリズムセンターの世話人リスト

【特に私がオススメしたい自然学校】

大雪山自然学校(北海道上川郡東川町)

くりこま高原自然学校(宮城県栗原市)

ホールアース自然学校(静岡県富士宮市)

グリーンウッド自然体験教育センター(長野県下伊那郡泰阜村)

田歌舎(京都府中京区)

やんばる自然塾(沖縄県国頭郡東村)

さて、私がロンボク島につくりたい自然学校は、自然について学んだり、自然と触れあったり、家畜を育てたり、農業あるいはガーデニングとコンポストづくりを組み合わせて自然にやさしい暮らしを実践したりするところです。

ゆいツールは、環境教育プログラムツールを作るのが得意です。

今まで、インドネシアで開発したプログラムは3つ。

一つ目は、「熱帯雨林の生物多様性を学ぶプログラム」です。スマトラ島の熱帯雨林を守りたくて作りました。

(プログラムセット)

(プログラムを体験して熱帯林の大切さを学ぶ参加者)

二つ目は、「ごみについて考えるプログラム」です。ロンボク島の活動を始めたときに作りました。

(プログラムセット)

(ごみの分別ゲームをする子供たち)

三つ目は、コロナ禍中に開発した「マングローブ林環境教育プログラム」です。

(プログラムセット)

(デトリタスってなんだ?の絵本を読む)

(デトリタスとマングローブや生きものたちとの関係図を完成させる子供たち)

自然学校は、ひとまずこぢんまりと始めるつもりです。

西ロンボクのブウン・スジャティ村の、ゆいツール現地スタッフのマデくんの家で。

(ブウン・スジャティ村の紹介ビデオはこちら(3分半)

(マデくんのコンポストづくりはこちら(3分弱)

(自然学校の構想について話し合うメンバー。右端がマデくん)

できれば、同じ西ロンボクのスコトン地区のマングローブ植林地バゲッ・クンバールでも。

(マングローブ植林地。後ろ姿はマデくん)

今まで開発したプログラムも活用して、新しく環境教育プログラム(★)を開発しながら、次のようなカリキュラムを試しながらやってみたいと思っています。(ちょっと見づらいですが)

                                                    

ジャンル

 

活動内容

ねらい

身近な自然

1-1

★新規プログラム「世界は生きものでいっぱい(仮)」

身の回りにいる様々な種類の生きものに目を向けるきっかけをつくる。

1-2

★体験プログラム「生きものをみつけてみよう」(実際に、生きものを探し、その特徴をワークシートに記入し、参加者同士で共有する)

よく観察することで、自分たちの身の回りにいる生きものに気づき、彼らとの関わりを意識する。

1-3

★観察「比べてみよう様々な鉢植え」(盆栽、マングローブ、サボテンなど)

植物によって水やりの違いがあることを知る。

自然と農業

2-1

★新規教材「自然にやさしい農業」「植物の役割(Co2の固定、O2の放出、土壌の流出防止など)」

農薬によって姿を消した生きものがいること、植物には重要な役割があることを伝える。

2-2

★見学プログラム「トリゴナ養蜂ってなに?」

ハチの生態や養蜂の仕組みを知る。

人間の暮らしと自然(プラスチックごみ)

3-1

「ごみについて考えるプログラム」(ゆいツールオリジナル)体験

ごみにはオーガニックのものと、そうでないものがあり、身近に溢れるプラスチックは自然に還らないため海洋汚染などの原因となっていることを知り、ごみを減らす工夫を考えるきっかけにする。

3-2

クリーンアップ体験(村で、浜辺で)

体験を通して、多くのごみが環境を汚していることを実感し、ごみのポイ捨ての習慣を見直す。

3-3

アップサイクル体験「不要になったプラスチックごみを使ってアップサイクルグッズを自分で作ろう」

(エコブリック《ペットボトルにプラスチック包装パックを詰めたもの》やポーチ、キーホルダーなど)

時間をかけてアップサイクルグッズを作り、資源の大切さ、リサイクルの重要性を体感する。

人間の暮らしと自然(コンポスト)

4-1

★ポスター(仮)「様々なコンポストの紹介」(生ごみの利用、草や枝などを利用、液体コンポストなど)

オーガニックごみを活用してどんなコンポストを作ることができるのか、

4-2

コンポストづくり体験(高倉式コンポスト、グリーンコンポスト、液体コンポストなど)

コンポストを自ら作り、数ヶ月かけて完成させ、肥料として使ってみることでオーガニックごみの活用の仕方を実感する。

マングローブ林

 

 

5-1

「マングローブ林環境教育プログラム」(ゆいツールオリジナル)体験

マングローブ林のエコシステムを学び、マングローブ林が生態系や人間の生活にとっても非常に重要であることを理解し、マングローブ林をプラスチックごみから守る大切さに気づく。

5-2

調査プログラム「色々なマングローブの木を知ろう」(マングローブ林で、リスト《ゆいツール作成》と照らし合わせ、マングローブの木の同定をする)

マングローブの木をじっくりと観察し、それぞれの特徴を学ぶ。

5-3

マングローブの植林体験

マングローブ林を守る重要性を学ぶ。

                                                     

自然学校を実現するための資金は助成金でまかないたいと思っていますが、なかなか申請が通りません。

インドネシア側でもボランティアたちに資金探しをがんばってもらいたいな、と思っています。

夢を実現するために、コツコツこつこつと小さなことを積み上げていこうと思います。(山)

(こちらは中部ロンボクのランタン村にある滝)

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