ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

有機肥料を使った野菜作り実験と工芸品開発 in Sumatera

2014年01月26日 | 8. スマトラでの活動
スマトラ島のブキッ・ティガプル国立公園(TNBT)内の村で、有機肥料を使った野菜作りに挑戦中です。
 
昨年6月にサダン村に入った時に、「あそこに畑を作ろうと思うんだ」とカウンターパートのNGO/SERAIのディレクターのリキさんに指差された土地は、バナナの木が適当に植わっている未使用の場所でした。
 
9月にサダン村に入ると、邪魔な樹木が切られて、だいぶ整備されていました。
 
そして12月。畑はこんな様子でした。
 
トウガラシやナス、カンクン(空芯菜)、トウモロコシが植えられていましたが、トウモロコシはサルに食べられてしまったそうです。
周りに柵を巡らせていないので、それもしょうがありません。
問題は、村人が有機肥料を作る必要性をあまり感じていない、ということでした。
 
というのも、彼らは代々焼畑をして暮らしてきて、木を切って焼き払ってその灰を養分に陸稲や野菜を育て、2,3年もすると別の場所へ移動してしまうので、土に栄養がなくなる、という経験がないのです。
今畑を作っている土地も、1年目なので当然まだ土に養分が残っています。
肥料を買ってきてあげる、ということも経験ありません。もともと化学肥料を使っていたところが、有機肥料に切り替えるというのとは違って、もともと肥料をあげていなかった人たちが、有機肥料を使うようになる、というのは思ったよりも意識の改革が必要なことのようです。
 
現在この畑は、見本畑としてSERAIが雇った村の男性が管理しています。
12月には、ゆいツールの金子がこの村に長期滞在(2週間程度)をする予定でしたが、さまざまな事情で取りやめました。
代わりに、12月中旬と下旬の2回、村を訪れて畑の様子を確認しました。
 
またその時に、ゆいツール(金子)の指導で葉っぱを使ったクラフト素材づくりを行いました。
これは、村の女性たちによる工芸品開発の一部で、村人の生活向上のためにSERAIが支援しています。たくさんのママたちが集まって、がやがや楽しく作業を行いました。
(写真は、葉脈に絵をかく練習を葉っぱの形の紙に行っているところ)
 
野菜づくりと工芸品開発、どちらの活動もすぐに村人の生活向上に結びつくわけではありません。
それでも少しづつ村人の意識を変えて、地道に働くことで収入がアップすることを理解し、
同時に森があることの重要性を伝えていくことが、ゆいツールやSERAIの目指すところです。
はるか長い道のりに感じますが、あきらめないで進もうと思います。
(山)

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スマトラ島のエコツアースポットを開拓中!!

2014年01月22日 | 8. スマトラでの活動
12月に、スマトラ島(リアウ州)で活動してきました。
(写真は、トラを守るNGO/PKHSのパトロール隊の若者と)
今回の目的は大きく3つあって、ひとつは「インドネシア人学生を対象としたエコツアーの実施」です。
ふたつめは「有機肥料を使った野菜作り実験の確認と村での工芸品開発」、
みっつめは「インドネシア式の有機農業の勉強と工芸品づくりの研究」でした。
 
ブログでの報告も、この3つに分けて行おうと思います。
 
12月のエコツアーは、リアウ州のルンガットという田舎町にある大学の環境サークル
「OASIS」メンバーをOJTで育成する(活動の中でトレーニングを積む)目的で、
メンバーをふたり呼んでいました。
それから、ブキッ・ティガプル国立公園でNGOの村ガイドとしての経験を持つ
Mardiyus(マルディウス)さんも受け入れ側のスタッフとして同行しました。
 
日本からスマトラ入りするときには、参加者は6名いると聞いていました。 
エコツアー前日に受け入れ側のメンバーがプカンバル(州都)に集まり、
エコツアー当日さて出発、となったときに驚くべきことが判明しました。
6人の参加者全員が、それぞれツアーをキャンセルしてきたというのです。
理由は、大学の試験のため・・・。
 
参加者を集めたカウンターパートのNGO(SERAI)の連絡が悪かったのか、
インドネシア人というものはそういうものなのか、当日の朝になって参加者ゼロ、
の現実にはびっくりしました。
 
それでも、OASISの学生2名、それからブキッ・ティガプル国立公園のレンジャーの
Andi(アンディ)さんもいたので、予定通りツアーを実施しました。
 
今回は、リンバンバリンの森(リアウ州西部)を訪れることが大きな目的でした。
この森は国立公園ではないのですが、地域住民によって豊かな森が残され、
WWFインドネシアが昨年土地を買ってログハウスを建て、
エコツアーの拠点として開拓しようとしているところで、
ツアー客を受け入れる観光チームもまだできたてほやほやでした。
 
OASISのメンバーに、ゆいツールが開発したプログラムを実施してもらいました。
リンバンバリンの観光チームと、アンディさんが参加しました。
ここの地域住民は、学校教育を受けているためか、
観光チームのメンバーに、住民が森を残している(守っている)理由を聞くと、
未来の子どもたちのために、という返事が返ってきたのが印象的でした。
 
リンバンバリンの森のあとは、ブキッ・ティガプル国立公園の観光拠点
「グラニット・キャンプ」へ向かいました。
ここでは、国立公園内のスマトラトラを守る活動をしているNGO、PKHS(ペーカーハーエス)の
パトロール隊の活動に同行させてもらいました。
彼らは、国立公園内にカメラトラップを設置し、データを解析してトラの数を調査しているのですが、
このカメラのデータ交換の作業を見学させてもらうことができました。
カメラが設置してある場所への道すがら、マレーバクの足跡やふん、えさを探したところなどを
見ることができたり、ヤマアラシがトラなどに食べられた残骸を見つけたり、
カメレオンのような生き物と遭遇したり、森を散策する醍醐味を味わいました。
 
残念ながら、正規の参加者はいませんでしたが、新しいエコツアースポットを開拓でき、
OASISの学生にとっては貴重な体験となりました。
 
今後、スマトラ島でのエコツアーをどう展開させていくか、考えながら活動を続けていきたいと思います。
(山)

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ごみを減らすためにプログラムづくりがスタート!in Lombok

2014年01月14日 | 4. ロンボクでの活動(下記以外)
 
1月上旬に、インドネシアのロンボク島で活動してきました。
ロンボク島には、JICAの青年海外協力隊員(環境教育部門)がいて、ゆいツールとともに活動してくれています。(写真左)
 
今回の目的は、ごみを減らすことを子供たちや住民に伝えるためのプログラム作りを行うために、現地調査と関係者とのワークショップ(話し合い)をすることでした。
 
現地ではすでに自治体やNGOが行う「ごみ銀行」がスタートしていますが、住民自らごみを回収することはまだメジャーにはなっていません。
 
まず最初に訪れたのは、KMPSL(ごみと環境を考える住民コミュニティ)というNGOの事務所。
なにやらたくさんのママたちが集まって作業をしています。
 
このNGOでは、インドネシアで大量に消費され捨てられるインスタントコーヒーの空きパックなどでカバンを作ったり、コップ型の水の入れ物の一部を切り取ってお皿やバックを作ったり、ごみを減らす活動を行っています。
 
 
そのあと、ごみの集積場も訪れました。集積場では、プラスチックごみ、ペットボトルゴミ、鉄ゴミ、紙ごみなどに分類されて、リサイクル工場のあるスラバヤ(東ジャワ)へまとめて送る、ということでした。
インドネシアでは、日本のように自治体が熱心にごみを集めるというより、 貧しい人たちが自分たちの生活の糧としてお金になるごみを集めて、集積所に持ってくる、という光景も普通にみられるようです。
 
翌日は、北ロンボクの第一中学校を訪れました。10月にJICAの隊員がコンポストの実演をした学校だということで、先生も環境美化に熱心でした。プラスチックごみを分別して集めていたり、コンポストづくりも続けていました。
写真(上)は、プラスチックコップごみを捨てるためのオブジェ。
写真(下)は、プラスチックごみを捨てる場所と左側にあるのが学校で作っているコンポスト。
 
そして、ギリトラワンガン島という観光地へ船で渡り、観光客でにぎわうエリアを抜けてごみ集積場に行き、様子をうかがいました。
ここには、ビールの空きビンや洗濯機や乾燥機などの電化製品も集められ ていました。
 
 
次の日は、海の環境を守る活動をしているNGO、JARIの事務所を訪ねました。
彼らはダイビングをしながら、海の中のごみを拾ったりサンゴ修復を行ったり、子供たちへ環境教育を行ったりしているそうです。
海の生きもののイラストが描かれた「ORIGAMI」が売られていたので、思わず買ってしまいました。
 
最終日は、ロンボクの各県から集めた環境事務所と教育事務所のスタッフや、学校の先生、ごみ銀行を行っているNGO、清掃事務所のスタッフと一緒にワークショップ(プログラム体験と話し合い)を行いました。
まずは、ゆいツールが開発してスマトラで活用しているプログラムを体験してもらい、参加型のプログラムの面白さを実感してもらいました。
 
それから、ロンボクのごみの現状を清掃事務所のスタッフに紹介してもらい、JICA隊員もスライドを見せながら現状の報告をしてくれました。
そして、ゆいツールが開発したいと考えているプログラムの内容について説明し、みなさんから意見をもらいました。
 
言葉の壁があったものの、いろいろな人に助けられ、なんとかワークショップを無事に終えることができました。
JICA隊員や協力してくれている州の環境事務所のスタッフによると、参加者のみなさんはお互い刺激を受けてやる気になったようでした。
今回のワークショップの目的のひとつは、ロンボクで環境活動を行っている人た ちをネットワークする、というものだったので、学校とNGO、環境事務所とNGOなどが情報を共有することができてよかった、と感じています。
 
ゆいツールはこれから、プログラム作りに入ります。
今回現地で手伝ってもらった、日本語が少しできるPatiさん(上の写真の中央)がイラストも描けるので、ツールのイラストを依頼しようと計画中です。
 
それにしても、インドネシアのごみの問題は深刻です。
今後、ゆいツールの活動が、現地のNGOや学校の取り組みと連動して、ロンボクのごみを減らすことに役立っていけるようにがんばりたいと思います。
(山)

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