ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

【現地報告】森の人々の暮らし in Sumatera

2012年06月27日 | 8. スマトラでの活動

現地報告Part.2は、スマトラの森に暮らす人々の営みを少し紹介したいと思います。

私が何度か訪問しているブキッティガプル国立公園の中には、先住民タラン・ママッ人が暮らしています。彼らは、ゴムの木から樹液を採ってそれを売って生計を立てています。

木に傷をつけると、白い樹液がしみだしてきて傷をつけた溝を伝わり、下に置いたココナツの殻に滴ります。

10年前は、テレビも携帯もバイクもなく、電気もありませんでした。
今彼らは、テレビや携帯を持ち始め、クレジ ットでバイクを買い、お金を消費する生活になじみつつあります。テレビを見るために発電機で電気を起こしていて、発電用の油を買うためにも、ゴムの収穫が重要となっています。

 

焼畑をしたあと、彼らはゴムの木を植えてまた別の土地を開きます。

 

伝統的な暮らしをする限り、 国立公園内で暮らすことを許可されている彼らですが、ゴム園が広がりつつあることが国立公園事務所にとって、頭の痛い問題であるようです。

 

いっぽう、長く森に暮らしてきた彼らは、日本の私たちには簡単に真似できない技術をたくさん持っています。

今回村を訪れて、小さな舟を作っている現場を見せてもらうことができました。

1本の木を切って中をくりぬいた後、炭火で少し離したところから焼いていました。そうすると、舟の形が整って丈夫になるそうです。

舟を作る職人がふたりと、彼らからやり方を教わっている人がふたり。そしてその家族が一緒に仕事をしていました。

いつか彼らがボートを購入するようになり、森に舟を作れるほどの太い木がなくなったら、彼らの技術は永遠に失われてしまうでしょう。

 

彼らが長く森の中に暮らしてきて、そしてその森が今まで残ってきたということは、その暮らしは本来持続可能であったはずです。

彼らと一緒に、これからの「持続可能な発展」の方法を探っていきたいと思うゆいツールでした。

(山)

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【現地報告】スマトラ環境教育プロジェクト始動! in Sumatera

2012年06月19日 | 8. スマトラでの活動

ゆいツールは現在、熱帯雨林の生き物の多様性や貴重さに気づくためのプログラム「いきもの・いろいろ~熱帯林バージョン~」を開発中です。
ただいまメンバーがスマトラに渡航し、その準備を進めています!

 

今回スマトラに、試作中のプログラムを持参して、NGO関係者、大学の先生、国立公園のレンジャー等に体験してもらいました。今後、彼らとともにプログラムをブラッシュアップし、インドネシアで使いやすいツールを作っていこうとしています。

また、村の子どもたちにも試しに体験してもらい、手ごたえを感じました。

 

開発したプログラムは、スマトラのNGOのスタッフに使い方を伝授し、村の子どもたちへ実施してもらう予定です。

また、今後彼ら自身が改良・発展させていけるように、私たちのツール作りのノウハウも伝えていくつもりです。

 

現地の子どもたちへ環境教育を行うことで、彼らが未来を選ぶときに、森林のことも考えに入れて、
少しでも地球環境保全につながる道を選んでくれたらと願います。

それから、現在進行中の森林をめぐる問題について、森に暮らす先住民や地域住民と、行政担当者、NGOなどが話し合う場(ラウンドテーブル)をいつか作れたら、とも考えています。

村の経済が持続的に発展するように、どんな取り組みが必要か、現地のNGOと共にいろいろな道を探っていきたいと思っています。

 

今回スマトラを訪問する中で、スマトラの森に暮らす人々と、日本に暮らす私たちの間には、もしかしたらいくつも共通点があるのかもしれない・・・?!と思えてきました。

現地報告は次回も続きます!

(山)

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保育士さんへのミニワークショップ

2012年06月04日 | 10. 保育園プログラム

今年度、ゆいツールは幼児向け環境教育教材の開発を計画中です。

そこで、ご協力いただく保育士の皆さんに、簡単なプログラムを実施しました。

オリジナルの教材ツール「いきもの・いろいろ」を使った、身近な生きものの特徴を使ったカルタゲームでは、自分が体験した生きもの話などでけっこう盛り上がりました。

女性の多い保育士さん。中にはもちろん虫が苦手な先生もいらっしゃる一方で、詳しい種名まで知っている先生もいらっしゃいました。「カタツムリ飼ったことあるよ」など、くわしい話も飛び出しました。
子どものうちからリアルな自然体験を重ねていくことが、子供たちの心身の発達、将来の感性や人格の形成にまで影響を与えることを確認して、ミニワークショップを終えました。
今後は、保育士さんの希望(子どもにこんな体験をさせてあげたい等)も考慮しながら、プログラムを一緒に作っていけたらと思っています。

 

 

幼児のうちは、たくさんのリアルな体験を積み重ねることが、非常に大切だと私たちは考えます。
自分の身体を使った環境体験は、環境の中で子どもたちが生きていくにあたり、必要な知恵や道具や材料となって、子どもたちの未来を支えていきます。
それは、誰も肩代わりすることはできず、子どもたち自身が体験して集めるしかありません。
もちろんある程度の体験の蓄積や言葉による理解が進めば、本やイラスト、映像といったバーチャルな世界も楽しめるようになります。
しかし、その前の幼児期初期に、しっかり原体験を積んでいることが重要。それを飛び越えて最初からバーチャルの世界にいってしまうのは危険ではないか?と思います。

そこで私達の考える幼児期の環境教育では、生きる基盤づくりを念頭に、本物の体験を取り入れた活動をおこないたいと考えています。
それがのちに、自然環境への興味や愛着、動植物への関心等にも発展していくことを期待しています。

 

まずは1本目のプログラムを、夏に向けて開発予定です!

(山)

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