現地報告Part.2は、スマトラの森に暮らす人々の営みを少し紹介したいと思います。
私が何度か訪問しているブキッティガプル国立公園の中には、先住民タラン・ママッ人が暮らしています。彼らは、ゴムの木から樹液を採ってそれを売って生計を立てています。
木に傷をつけると、白い樹液がしみだしてきて傷をつけた溝を伝わり、下に置いたココナツの殻に滴ります。
10年前は、テレビも携帯もバイクもなく、電気もありませんでした。
今彼らは、テレビや携帯を持ち始め、クレジ ットでバイクを買い、お金を消費する生活になじみつつあります。テレビを見るために発電機で電気を起こしていて、発電用の油を買うためにも、ゴムの収穫が重要となっています。
焼畑をしたあと、彼らはゴムの木を植えてまた別の土地を開きます。
伝統的な暮らしをする限り、 国立公園内で暮らすことを許可されている彼らですが、ゴム園が広がりつつあることが国立公園事務所にとって、頭の痛い問題であるようです。
いっぽう、長く森に暮らしてきた彼らは、日本の私たちには簡単に真似できない技術をたくさん持っています。
今回村を訪れて、小さな舟を作っている現場を見せてもらうことができました。
1本の木を切って中をくりぬいた後、炭火で少し離したところから焼いていました。そうすると、舟の形が整って丈夫になるそうです。
舟を作る職人がふたりと、彼らからやり方を教わっている人がふたり。そしてその家族が一緒に仕事をしていました。
いつか彼らがボートを購入するようになり、森に舟を作れるほどの太い木がなくなったら、彼らの技術は永遠に失われてしまうでしょう。
彼らが長く森の中に暮らしてきて、そしてその森が今まで残ってきたということは、その暮らしは本来持続可能であったはずです。
彼らと一緒に、これからの「持続可能な発展」の方法を探っていきたいと思うゆいツールでした。
(山)
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