ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

明治学院大学で講義をしました! in Tokyo

2023年05月23日 | ⇒2023年度(日本)

5月11日に、明治学院大学でロンボク島での活動紹介をしてきました。(早8年目)

今年は、初めて学生の数に見合う教室での講義となりました。

1年目の様子2年目の様子。3年目の様子4年目の様子7年目の様子

最初は恒例のクイズタイム。

最近私は、洋服のごみについて悩んでいるので、それに関連したクイズをアップデートしました。

参考:SUSTAINABLE FASHION【環境省サイト】

ヒント⇒66%が焼却処分されています。

リユース・リサイクルと言っても海外輸出込みの数字で、一部は貧しい国でごみの山になっている現実があります。

(詳しくは、このブログの最後に)

面白かったのは、第2問。「グリーンウォッシュとはなにか?」

「A ドイツで開発された環境にやさしい洗剤の名前」に手を挙げた学生が少なからずいたこと。

クイズを考えた甲斐がありました。そして、首をかしげながらBやCに手を挙げた学生は10人程度だったような。

聞いたことなかったんですね。

世の中、色々なウォッシュがありますよ。SDGsウォッシュとかね。

見せかけにだまされないようになって欲しいな、と思います。

今回は、他大学の院生がゆいツールのボランティアとして同行しました。

次回は、学生さんの感想などをアップします。(⇒こちら

***

最後に、洋服のごみについての情報です。

講義が終わって数日後、とあるテレビ番組でごみ問題が取り上げられていました。

番組の中で、南米チリの洋服ごみについて、レポートがありました。たいへん興味深かったです。

港湾都市イキケは、政府により「自由貿易地域」に指定されていて輸入時の関税が免除になっているため、自動車や機械の他、売れ残ったり寄付されたりした衣類が大量に運び込まれています。

海外からコンテナで運ばれてくる古着は再利用できないものも多く、処分に困るものは廃品業者に引き取ってもらっているそうです。

洋服の卸をやっている工場に取材を申し込んでもすべて断られていました。後ろめたいことをしている自覚があるからでしょう。

そして。砂漠へ。

遠くで黒い煙が上がっていて、近づくと洋服などのごみが燃やされていました。

洋服の多くは、ポリエステルなどのプラスチック素材のため、燃やすと有毒ガスが出ます。

先日私は、着なくなった洋服をゴミ袋一袋分、燃えるごみに出しました。

直したら着られるかもしれない、と思って「洋服修理の店」に持っていって相談したものもありました。

インドネシアの友達の子供が着るかもしれない、と思って捨てるのを躊躇したものもありました。

でも。結局焼却処分することにしました。

タオルや肌着のような布は、小さく切って台所で掃除用に使っていますが、大量の洋服を切り刻んでも使う方が追いつかないため、まとめて処分しました。

ごみ袋に入れられた洋服はごみ回収の車で運ばれ、区の清掃工場の大きな焼却炉で燃やされ、灰は埋め立て地に運ばれて埋め立てられます。

チリの砂漠で燃やされるよりもまし、ですが。

東京23区に、どれくらい清掃工場があるのか気になったので調べてみました。(清掃工場施設一覧

現在稼働しているのは19ヶ所でした。23区に対して19ヶ所!

各区に約一つある、というわけではないようです。

今度、清掃工場の見学に行ってこようかな、と思っています。(山)

※こちらのページも参考になります。

NHK「地球のミライ」ホームページ「私たちのファッションが途上国にしわ寄せ!?」

★★★★★★★★★★★★★★★★★★

NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

Eメール:yuitool☆gmail.com
(☆→@に変えてメールをお送りください)
●ホームページはこちら
●Facebookはこちら
●YouTubeチャンネル
Yui-Tool Channel - YouTube  (インドネシア語)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「グレート・グリーン・ウォール(The Great Green Wall)」を観て

2023年05月01日 | 11. ≪スタッフコラム≫

◎◎◎スタッフコラム◎◎◎

「戦争は最大の環境破壊である」

これは世界の環境団体の共通認識で、私自身も強くそう思っています。

ウクライナへロシア軍が侵攻して戦争が激化していく中、私が考えていたのは、橋やアパートや病院や学校などの建物(そしてもちろん、道路や発電所などのインフラ)が破壊されていくこと、それが古いとか新しいとか全く関係なく、敵のミサイルが飛んできて壊されていくこと、それらを造るためにどれだけのエネルギーや資源がかかっているのか、ということでした。

人の命が失われることへの憤りとあわせて、人の暮らしが破壊され、資源やエネルギーが無駄になることへの憤りを強く感じています。

(かつて訪れたアフリカ・ケニアの風景。映画とは関係ありません)

さて。先日、「グレート・グリーン・ウォール」という映画を観てきました。

アフリカのサヘル地域に、全長8,000kmのグレート・グリーン・ウォール(緑の長城)を築く計画があり、マリ出身のミュージシャン、インナ・モジャがいくつかの国を訪れアフリカの現実を目の当たりにしながら、各地のミュージシャンとコラボをして曲を作って旅をする、という内容でした。

映画から私が受け取ったメッセージは、「気候変動が人々の移動の理由になり、移民や難民が増える原因となる」というものと「気候変動により人々が暮らしを維持できなくなり政情が不安定になると、ボコ・ハラムのような過激派組織が台頭して、さらに難民を生み出す」という2点でした。

アフリカの砂漠化を止めることは、アフリカの人たちが生まれた場所で家族を養いながら暮らしていけることに繋がり、暮らしが安定すればヨーロッパなどに難民として押し寄せることもなくなり、若い人たちが自分の国で実力を試すことができれば、アフリカはもっと発展していくのではないか、と思いました。

私が通っているインドネシアも、国内で働いてもたいしたお金は稼げないから、日本のような豊かな国に出稼ぎにでて、手っ取り早くお金を稼ぎたい、とほとんどすべての若者が考えています。

アフリカの場合はもっと切実です。一家の長男などに期待を背負わせてヨーロッパなどへ送り出し、仕送りや家族として呼び寄せてもらうことを期待したり、家族総出でアフリカを脱出しようと試みたり。

***

「グレート・グリーン・ウォール」は、紛争、干ばつ、テロ、食糧不足など様々な問題で疲弊しているサヘル地域に、豊かな生態系を復活させ、肥沃な土地を作り、サヘル地域の数百万人の生活を変革することを目的に開始されたアフリカ主導によるプロジェクトです。(映画概要より)

***

グレート・グリーン・ウォールは、人間が暮らすために作物を育てられる土地をモザイク状に配置して、緑の帯のように西海岸から東海岸へ繋げていきましょう、という計画です。

2007年から始まり、まだ全体の15%しか進んでいません。

映画の中では、若い人たちに希望を与えたい、とモジャたちミュージシャンが歌詞とメロディをつむぎ、曲を作っていきます。

自分の国で未来が見えない若者は、別の土地へ出て行ったり、過激派組織に入ってしまったりするそうです。

気候変動にブレーキをかけること、砂漠化を止めるため肥沃な土地を作っていくことは、アフリカの平和にも繋がります。

アフリカが平和になれば、世界の難民問題の一部が解決します。

アフリカの現実は重たいです。グレート・グリーン・ウォールも、目標を達成する日が来るかどうかわかりません。

それでも、諦めてはいけない。高い目標を掲げて、一歩一歩前に進んでいくしかありません。

ロンボクでのゆいツールの活動も、同じくらい困難に感じますが、諦めてはいけない、と今は思っています。

余談。

ロンボク島のお隣バリ島には、ロシアやウクライナから逃れてきた比較的裕福な人たちがたくさんいるようです。

彼らが土地を買ったり、部屋を借りたりしているせいで、バリ島の不動産がずいぶん値上がりしているという情報を耳にしました。

「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないですが、ロシアとウクライナの戦争がバリ島の経済や治安に影響を及ぼしているとは。

(山)

(ケニアの湖。これも映画とは関係ありません)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★

NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

Eメール:yuitool☆gmail.com
(☆→@に変えてメールをお送りください)
●ホームページはこちら
●Facebookはこちら
●YouTubeチャンネル
Yui-Tool Channel - YouTube  (インドネシア語)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする