ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

スマトラ島の森に通って Ekowisata di Sumatera

2015年06月28日 | 11. ≪スタッフコラム≫

◎ ◎ ◎ スタッフコラム ◎ ◎ ◎

今回は、私がスマトラ島で行ってきたエコツアー(個人旅行)のご紹介をします。

↑ゾウとの記念撮影(2010年)

そもそも私がスマトラに通うことになったきっかけは、2002年に熱帯林行動ネットワーク(JATAN)の現地調査にボランティアとしてついて行ったことでした。その時、アブラヤシや紙パルプ用の植林のために、皆伐(かいばつ)されてつんつるてんになった大地をこの足で踏んで、森林破壊の現実と関わってしまったことがエコツアーを開催する動機になりました。

場所は、スマトラ島中部のリアウ州というところです(ゆいツールの活動地です)。外国人観光客はほぼゼロ。リアウ州を訪れる日本人は、NGO関係者だけではないのか、と思うほどです。(ビジネスで訪れる人もいるのかもしれませんが、私は一度も出会ったことはありません)

私がせっせと通っているのは、リアウ州とその南側にあるジャンビ州のふたつの州にまたがったブキッ・ティガプル国立公園(Taman Nasional Bukit Tiga puluh:TNBT)(143,223ha)です。

国立公園内には、タラン・ママック人(Suku Talang mamak)という先住民や彼らを祖先とする地域住民が、いくつかの村に分かれて暮らしています。彼らの暮らしは伝統的、別の言い方をすれば貧しく、村の大人たちは十分な学校教育を受けてきませんでした。(上の写真は2006年にタラン・ママック人の村で撮影)

2003年から10年以上、私は若い友人らを連れて、TNBTの森を訪問し続けてきました。

↑村の子供たちと遊ぶ(2006年)

↑次の村まで川下り。TNBTスタッフのアンディさんと、生きもの観察。(2006年)

↑タラン・ママックの女性(右)と記念写真。(2012年)

↑森を歩く。(2010年)

スマトラ島でのエコツアーは、7日間~12日間ほど。4日間ほど完全に森に入るので、電波も届かず、トイレもお風呂もない生活になります。

森に入ると言っても、地域住民のお宅に泊まるので、キャンプをするわけではありません。

森とともに暮らしている人たちの技術や知恵に触れ、自分の暮らしを振り返ったり、国立公園の外に広がるプランテーションと自分との関係を考えたり、若者たちは現地でいろいろな刺激を受けて学んでいきます。

TNBTの森では、エコツアーを根付かせようと国立公園事務所や現地NGOが苦労しています。

リアウ州は観光客に対する情報が乏しく、TNBTまで足を運んでもらうのは簡単なことではありません。それでも、機会があれば日本の若者を現地に連れて行きたい、と私は考えています。(山)

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もっと、もっと、もっと!ごみを商品に変えよう in Lombok

2015年06月22日 | ★2015年度(ロンボク)

今回は、1月よりサポートしているロンボク島のバトゥ・ジャンキ村の女性グループの活動の成果などを報告します。

(Kegiatan ibu-ibu di desa batu jangkih di Lombok)

(写真は、コーヒーの空き袋を編んで作ったミニカーペット。まだ練習中です)

バトゥ・ジャンキ村では、1月にクラフトづくりの研修を実施し、3月に追加研修も行いました。

まず5月末に様子を見に行くと、一部の女性たちが作ったクラフトを持ってきて、「もっと作り方を教えて欲しい」と言ってきました。

(Ibu-ibu sangat semangat dengan buat kerajinan dari sampah)

住民を支援しているエリックさんによると、村の学校の先生がいくつかクラフトを買っていったということです。どうやら学校で子供たちに見せるために購入した模様です。

6月上旬に再び、追加研修を実施するために、NTBマンディリごみ銀行のアイシャさんとともに村を訪れました。

村に着くと、住民支援をしているNGOのエリックさんが、コーヒーの空き袋を集めるためにごみ銀行を始める計画を話してくれました。

しばし3人で打ち合わせをしました。(Pak Erik mau buat bank sampah di desa batu jangkih untuk kumpul bungkus kopi.)

 

女性たちのところへでかけると、なにやら長いものを持った人が。なんと、プラスチックごみを編んで作ったものでした。

さっそく研修開始です。女性たちは、身を乗り出してアイシャさんの手元を見つめます。

「カーペットを作るんなら、縫うのは表側からよ」アイシャさんが細かなテクニックを伝えていきます。

「このかごも、自分たちで作れるようになったんだ」と、グループを取りまとめている男性が、ジュースの飲み物カップの口の部分を活用したかごを見せてくれました。3月の研修の成果です。

アイシャさんは、バトゥ・ジャンキ村は観光地のクタにも近いし、できるだけ自分たちで観光客向けに販売を試みたらどうか、とアドバイスしていました。

質がよければ、必ずお客さんは買ってくれるから、という言葉にうなずく女性たち。

みなさんとパシャリ。

 
ゆいツールは引き続き、バトゥ・ジャンキ村の女性グループのサポートをしていく予定です。
彼女たちの活動が徐々に注目されて、村からごみが消える日が来ますように。(山)

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ロンボクでコンポストづくり!? in Lombok

2015年06月18日 | ★2015年度(ロンボク)

6月前半、ゆいツールはロンボク島で活動していました。

今回は、マタラム市のとあるお宅で実践中のコンポストづくりの様子を報告します。

今回作ったコンポストは「高倉式コンポスト」。(Kompos Takakura)

(最初に発酵液を作ってから、コンポストとして使い始めるまで10日弱かかりました。)

まず最初は発酵液づくり。(1. cairan bakteri A dan B)

発酵液は2種類作ります。

A⇒テンペ(大豆の発酵食品)、タペ(キャッサバを発酵させたもの)、ヤクルト(半分と少し程度)、砂糖50g、水1リットル

(ヨーグルトやチーズを入れてもよし)

B⇒野菜(葉物)と果物の皮、塩5g、水500ミリリットル~700ミリリットル

(Cairan A: Tempe, Tape, Yakult, Gula50g, Air 1L..boleh ganti dengan Yoghurt atau Keju

Cairan B: Sayur-sayuran, Kulit buah-buahan, Garam5g, Air 500ml-700ml)

↑左がB、右がA (Cairan B sama A)

これを、作ってから3日おきます。インドネシアは暑いので、3日たてば十分に発酵します。

発酵する際にガスが出るので、ペットボトルの口はゆるく締めます。

3日たったら発酵床を作ります。(2. Mempersiapkan tempat kompos)

米ぬか、もみ殻、土を同量づつ(土は少なめでもよし)、用意します。今回は、だいたい15リットルくらいの発酵床を作りました。

(Tempat biakan untuk bakteri...Tanah biasa : Sekam : Dedak=1:1:1, boleh tanah lebih sedikit)

よく混ぜたら、発酵液AとBを投入します。(Campur dan aduk baik bahan semua)

さらによく混ぜ、通気性のよい入れ物に移します。

ハエなどの虫が寄ってこないように麻袋などをかぶせてふたをして、1週間ほど待ちます。

(harus ditutup dan taruh saja selama kira-kira 1minggu)

実際には5日目にはもう準備OKになったので、生ごみを入れました!(準備OKの目安は、コンポストの表面に菌が繁殖すること。)

(3. Memasukkan sampah dari dapur dan campurkan setiap hari)

毎日生ごみを入れて、よくかき混ぜています。コンポストはほかほか温かく、瞬く間に生ごみが消えていきます。

コンポストに入れても大丈夫なもの。ごはんの残り、野菜くず、油、くだものやくだものの皮、肉や魚、ジュース、葉っぱや枝、腐ったものも少しなら。

卵の殻なんて大歓迎(カルシウムだから)。

(Apa saja yang bisa dimasukkan ke dalam Kompos? ⇒ Nasi, Sayur, Minyak, Buah-Buahan, Daging, Ikan, Jus, Daun, Cabang, yg basi Ok tapi sedikit saja, Cangkang telur OK, karena mereka memasok kalsium.

Tidak boleh memasukkan: Msl. Plastik, Logam, Kaca, Batu...)

作ってみると、コンポストはまるでペットのようです。毎日エサをあげて、様子を見て。温かいし、バクテリアというペットを飼っている感じです。

このコンポスト、もっともっとロンボクに広がるようにゆいツールも普及に力を入れていきたいと思っています。(山)

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スマトラ島でも村の女性たち向けにクラフトづくり講習会を実施! in Sumatera

2015年06月07日 | 8. スマトラでの活動

5月にゆいツールはスマトラ島で活動していました。

今回は、9月に実施する「西バリ国立公園(TNBB)スタッフとブキッ・ティガプル国立公園(TNBT)スタッフの経験のシェアリング」活動の準備のための打ち合わせと、TNBT周辺のレマン村で女性向けにプラスチックごみを活用したクラフトづくり講習会を行うことが目的でした。

このクラフトづくり、実はロンボク島で何度も行っているものなのですが、スマトラで実施するのは初めてです。

〔ロンボク島でのクラフトづくり講習会活動:アナック・バンサ財団(12月)、バトゥ・ジャンキ村(1月)、スカララ村他(3月)〕

↓レマン村での講習会の様子

スマトラでの活動の目的はTNBTの森林保全なのですが、貧しい住民の生活向上も同時に目指さなければ森が守れません。(十分な教育を受けていない住民たちは、手っ取り早く収入を増やそうと禁止されている行為を行うことがあります。国立公園内で鳥を捕まえたり、木を伐採した後樹皮を剥いだりして売ることもあります。)

そこでゆいツールは、女性たちの手仕事にクラフトづくりも加えられないかと考え、ルンガットという町のごみ銀行のアドリアニさんに協力を求め、講習会を実施しました。

↓ルンガットにあるごみ銀行のアドリアニさん(Ibu Adriani)

↓準備したのは、プラスチックのコーヒーなどの空き袋です。これがクラフトの材料になります。

これらの材料とはさみ、洗濯バサミなどの道具をセットにして以下のバックに入れてパケットを作りました。このバックは、アドリアニさんが製作したものです。村人にこれもセットで渡すことで、ごみが役立つことを実感してもらおうという趣旨です。

↓クラフトのできあがり見本はこんな感じです。

レマン村は幹線道路からだいぶ離れていて、森のすぐ近くにあるため、町によくあるワルン(ちょっと座ってコーヒーを飲むような店。個包装されたプラスチック袋に入った、とても甘いインスタントのコーヒーが出されます)などの数は限られます。

つまり、今後材料が手に入るか、という問題です。でもよく見ると、村の中はごみがいっぱい。あちこちに捨てられたプラスチックごみが分解されずに土に交じっています。

実はこのプラスチックごみは活用できるんですよ、ということが、この講習会で女性たちに伝わった最大のことかもしれません。

今後、ルンガットのごみ銀行から材料を届けたり、女性たち自身が市場に行った時などにワルンから材料をもらってきたりしてクラフトづくりが進み、質がよいものはアドリアニさんが買い上げて販売することもできる、ということも伝えました。

この、販売のルートを示せるかというのが、住民をやる気にさせられるかどうかの決め手になることを、ロンボクの活動で学んでいました。

また、今年度活動をサポートしてくれる地元のNGO:PASAの経験としても、売れるあてのない工芸品を女性グループに作らせて、事業が軌道に乗らなかったために、資金が尽きたら活動停止になってしまった、ということがあります。その失敗は、地元で簡単に手に入る材料を使っていなかったことと、販売ルートを確保できなかったことが原因だと思われます。

今回ゆいツールが試すのは、材料費ほぼゼロのプラスチックごみ。ただ、ルンガットのアドリアニさんのところから購入したり、ワルンの人に集めてもらったりすることに多少のお金はかかります。本当は、レマン村か近くの町にごみ銀行ができることが理想です。(ルンガットは、レマン村から車で1時間半ほどかかります。)そして、村人が村のごみを積極的に集めるようになることが、本当のこの活動の目的です。

女性たちのやる気具合を見ながら、今後の展開を考えたいと思っています。(山)

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エコツアーのウラ話 in Lombok

2015年06月01日 | 5. ロンボクエコツアー(その他)

現在募集中のロンボクまるごと体験エコツアーを開催するにあたり、現地で仕入れた情報やツアーのウラ話について書こうと思います。

まずは宿泊するホテルについて。

現在予定しているホテルは、KILA SENGIGI BEACH HOTELです。
エコツアーというと、村に泊まったりするのが醍醐味なのになぜ?と思われる方がいるかもしれません。
もちろんゆいツールとしても、将来的には村に泊まるエコツアーも開催する予定です。

ただ、今回はロンボクでのエコツアー開催が初めてなことに加え、スマトラで今まで開催してきた個人旅行での経験も踏まえて、ホテル宿泊にしました。

それも、海沿いのリゾートホテル!


インドネシアは熱帯の国です。日本の夏ほどは蒸し蒸ししませんが、昼間直射日光に当たると急激に体力を奪われます。
日本人は、朝起きてから夜寝るまで、食事以外休憩しないで活動することができますが、それも南の国ではバテる原因になります。
そして、慣れない食事。ゆっくり休憩できないと、せっかくの旅を楽しめません。

リゾートホテルの場合プライベートでも予約して泊まることは簡単ですが、現地の人と触れ合う経験はなかなかできません。
海でダイビングしたりゴルフをしたり、そういうこと以外に、ロンボクで起こっている問題を知ったり、現地での活動を覗いたり、現地の文化をどっぷり体験する経験は特別なものです。
ゆいツールはすでに1年半ロンボクで活動し、現地の人たちと関係を築いてきました。

そこで今回、ゆいツールならではのリゾートホテルでゆったり型エコツアーを企画しました。

こちらはロンボク島の地図です。

下の地図の右上の赤いところは、インドネシアで3番目に高いリンジャニ山(標高3,726 m)です。登山には2泊3日かかります。

地図上で、ロンボクの左側がバリ島です。

バリ島にはしょっちゅう行く人も、ロンボクまで足を延ばす人はまれです。日本人向けの情報が少ないことや、バリほど観光サービスが整っていないことが原因と思われます。

私は個人的に10年ほどロンボクに通っていますが、インドネシア全体が発展する中ロンボクも例外ではなく、道路の整備が進みこぎれいなレストランなどの数も増えてきたのを実感しています。

つい先日も、大きな観光バスがお土産屋に停車していたり、ホテルからインドネシア人と見られるお客を載せた大型バスが出てきたりするのを見かけました。観光も活発化している印象です。

 

ところで、リゾートホテル以外にももう少しアットホームな宿泊施設もあります。

スンギギの海にほど近い別荘地エリアのお宅(上の写真)に、朝食付きで300,000ルピア(時々のレートで違いますが3,000円前後)で泊まれます。海に近い道路沿いのエリアにはもう少し安い宿泊所もいくつかあります。

 

今回宿泊する予定のホテルは、エコホテルに認証されているそうで、エコマネージャーのウィルヤダ(Pak Md.Wiryada)さんによると、ホテルの汚水(レストランや宿泊客の使った水)を回収して浄水し、植栽の水やりに使っているとのことでした。

また、食材やお土産などは、できるだけ地元のものを使うことを心掛けていたり、地域住民と一緒に海辺のクリーン清掃活動を行ったりしているほか、ホテルで出たゴミはスタッフが集めて、処理業者に売れるものは回収してもらってその収入はスタッフに還元されるそうです。唯一、ガラス瓶だけは廃品業者が引き取らず処理に困っている、という話でした。

以前廃品業者をヒヤリングしたときには、プラスチックボトルなどはジャワ島(リサイクル施設があるところ)に送っているという話でしたが、ガラス瓶はロンボク内に処理施設がないことと、ジャワ島に送ろうと思っても輸送代がかかるために業者が嫌がるのではないか、と私は推測しています。

 

ゆいツールは、今回企画するエコツアー以外にも、個人旅行の相談に乗ったり、現地をご案内したりすることも(場合によっては)可能です。

ご興味のある方は、ゆいツールまでお気軽にご連絡ください。(山)

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