公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

品格なき業界は滅びる

2005-12-15 18:59:31 | 公営競技論

昨日は耐震計算偽装問題の証人喚問の話題一色だったが、日本経済新聞はさすがに昔、「兜町新聞」と言われていたせいか、これを1面のトップにもってきた。

NIKKEI NETより

ジェイコム株の利益、証券会社返上へ

 ジェイコム株の現金決済で利益をあげた証券会社が、利益を自主的に返上する見通しになった。証券会社の経営破綻に備えた日本投資者保護基金などに利益を拠出する案が有力。日本証券業協会は20日の会合で、大量保有報告書などで明らかになった証券会社だけでなく、すべての証券会社に利益返上の要請を決める。

 ジェイコム株の上場初日に5%以上の株式を保有していたのは、UBSグループ、モルガン・スタンレー、クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券グループ、日興コーディアル証券グループ、リーマン・ブラザーズ証券、野村証券の6社。利益合計は166億円とみられる。  (07:00)


ルール的には問題はない。しかし道義的には大いに問題があろう。

しかもこんなことではまたぞろ証券会社は、

「結局は儲けのためだったら何でもやらかす、「株屋」なんだね。」

という見方しかされない。

さらにいえば、バブル崩壊の原因を自らの手で作っておきながら、ほんと、「懲りない業界」と思われても仕方あるまい。

とりわけ大手証券会社のやらかした、「損失補てん」、「飛ばし」といった犯罪行為により、どれだけの一般投資家が逃げていったのか分からない。ひいては一時日経平均株価は4万円近くいったのに、今株式市況は活況とはいえ、平均株価はそのときの半分の値も戻していない。

ま、株というのは本当は怖い代物であり、にもかかわらず今や、

「株って面白いほど儲かる」

なんていう本がゴロゴロ発刊されている。もっと「戒める内容の」ものがあってもいいのにほとんど「ないね」。

そんな株価もここにきて変調ムード。

14日、314円28銭という「大幅安」となった東京株式市場だが、今日15日の終値も210円14銭安と値を下げている。

証券筋は、「利益確定売りが膨らんだ」との見方をしており、まだ「底堅い」という判断みたいだが、そういえばバブル崩壊のときも、

「日本経済のファンダメンタルは底堅い」

とずっと言い続けてきた経済評論家がいたんではなかったっけ?今どうしているのか?

また、日経新聞の業績欄を毎日見ると、確かに大幅に業績をアップさせた企業もあるんだが、その一方で急に赤字転落に陥った企業もその同数ぐらいある。つまり、全体的に「いい」ということではないわけで、もし全般的な「不況」になればまたぞろ、

「失われた10年」

の再来になるかもしれない。

だが、今もっとも重視されるべきはずである、

「コンプライアンス(法令遵守)」

に対して、かつ、

「顧客重点」

を貫いている企業というのは社内の雰囲気自体も明るいみたいで、しかも組織がしっかりとしているところでもあるらしい。したがってそういった企業というのはそう簡単に業績は下がりはしない。また下がったとしてもすぐに回復できる自浄能力を持っている。

一方、自社の「ノルマ」だけしか省みず、目先の売り上げだけにとらわれて余裕のない企業は時代のトレンドにいつまでたっても乗れない。しかもそうしたところは社内の雰囲気も「暗い」。ひいては倒産、破産の道へひた走る運命となる。これは今や大企業、中小企業にかかわらずそうなっていっている。

公営競技ってのは明らかに後者だろうね。

「お客様第一主義」

なんていう業界もあるみたいだが、やっていることといえば、「本業」で喜ばせるものではないんだよな。

イベントがどうのこうの言ったところで、基本はやはり本場に来てもらってレースを見て喜んでもらうことなんだろ。

前にも言ったけど、公営競技は今、既存客にばかりおもねっており、新規客へのフォローというのがまるでなされていない。場外発売をやたら増やしているのもその表れ。365日営業などというスーパー・コンビニ真っ青のスローガンを掲げるところも。

しかし、確かにスーパー・コンビニは365日「開いててよかった」となるだろうけど、公営競技がそんな形態とはとても思えない。

これも何度も言っているけど、ではどうして土日しか行なわれない中央競馬が今や他競技を凌駕している状況になっているのか?

別にたくさん買ったからと言ってその分ディスカウントされるわけではない。はたまたポイントが貯まるわけでもあるまい。

もっとも、公営競技はそんなポイント獲得のためにやるものではないからな。ただのレジャーでしかないわけだろ。客の大半は、

「今日はいくらやられるかな?」

という考えしか持たないわけで、でも、やはりまたやりたくなるわけだろ。どうしてなのか?

レースそのものが面白いからに他ならないからなんじゃないのか。別に買わなくても「面白い」ということがあるからこそなんでは・・・

目先の売り上げだけ考えたところで客は「賢い」から、その手にはまず乗ってこない。やはり、

「まず見てください!」

というのが基本ではないか。

というわけでこれも何度も言っているようにそれに合致しないものは徹底的に排除する他ないだろうね。


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4 コメント

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最近の株価に思う (hirotti)
2005-12-15 21:16:23
 最近の株価(特に日経平均)を見ると、はっきり言って「適正」な株価だと思えないように感じます。月を追うごとにどんどん上昇し、経営再建中の会社の株でさえ、回復期待からどんどん値上がりしている状況は、いくら何でもちょっと異常なように思うのですが・・・・。

 ほとんどの評論家が、来年の株価については強気な予想を立てているようですが、そんなに甘くはないように私は感じてしまいます。
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株式というもの自体甘くない (Bank of Dream)
2005-12-15 21:45:43
株というのはのめりこんだら「麻薬」みたいなもので、なかなかやめる決心がつかない代物です。



上昇トレンドに乗って「買えば儲かる」なんてことを繰返していると、



「買ってすぐ売れば必ず儲かるんだ。」



と錯覚してしまう傾向にあるみたいです。



しかしながら、そんなトレンド曲線がそうそう何年も転がっているわけではありません。



対して、バブルに踊らされず、「長く保有」している人ほど長い目で見れば「儲かっている」のが株式。短期的に儲かっている人というのはその実以前に「ボロ負け」したような人が大半で、結果的に「チャラ」になっているだけなのです。



倒産・破産ということさえ気にせず、しかも長期的な展望を持っている企業であればたとえ地味な銘柄でも必ず利益をもたらすかと思いますが、案外上場している企業でそのようなところってのは「少ない」という気がしてならないですね。
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引用させていただきました (セントレア)
2005-12-19 08:18:11
ギャンブルに対する透察力が素晴らしいですね、株に対しても、説得力があります、これって実体験ですか?

株をするよりアフェリエイトの方がお勧めということでしょうか。

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素晴らしい (Bank of Dream)
2005-12-19 11:57:55
ブログ拝見しましたが、素晴らしい論調です。



確かに、地方競馬にもスターホースは色々いますからねぇ。しかも中央勢を破れば競馬全体も盛り上がる。



まさにそこがポイントとなることは言うまでもないことで。
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