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デンソーが開発したQRコード誕生30周年

2024-07-14 10:06:08 | 政治経済問題
©読売新聞



日本発のQRコード30年、普及の裏に戦略あり 読売新聞 2024/07/14 05:00

[New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「QRコード」。

四角いモザイク状の「QR(クイック・レスポンス)コード」の開発から今年で30年。日本の工場で生まれた技術は、スマートフォンでの決済や航空機のチケットなど、日常に広く使われるようになった。QRコードはどのように生まれ、広がったのか、調べてみた。

部品管理に 生みの親はデンソー社員
 開発したのは、愛知県に本社を置くトヨタ自動車グループの部品メーカー、デンソー(当時は日本電装)だ。

 1990年代初頭は、部品の箱にバーコードの紙を貼って生産を管理していた。しかし、バーコードは横方向(1次元)に並んだバーの太さで情報を示すため、英数字で20字ほどしか格納できなかった。部品点数の増加に伴いバーコードも増えて、負担がかかっており、工場の油汚れや破損で読めなくなるのも問題だった。

 この問題を解決したのが、原昌宏さん(66)(現デンソーウェーブ主席技師)。縦横の両方向(2次元)に情報を持たせるQRコードを生み出し、小さな面積でより多くの情報を格納できるようにした。

 最も苦労したのが読み取り速度の向上だった。四角いQRコードと、その周囲の背景を区別するのに時間がかかった。原さんはある日、通勤列車の車窓から見える景色の中で、最上階だけ窓の形が異なる建物に目がとまったという。「物体の端に印を付ければ、周囲と区別できると気づいた」。四隅のうち三つに「回」の字のような形をした目印を持つ独特なコードが生まれた瞬間だ。これら三つの目印は「切り出しシンボル」と呼ばれる。これのおかげでコードを360度、どこからでも、わずか0.03秒で読み取れる。最大で数字7089字まで格納でき、コードの約3割が破損しても大丈夫。トヨタ系の工場で、部品管理に採用された。

技術 無償で公開
 QRコードの利用がここまで広がったのは、デンソーが特許を誰でも自由に使えるようにしたことが大きい。コードの利用者が自ら使い道を考えるようになった。

 2002年、コード読み取り機能付きの携帯電話を「J―PHONE」(現ソフトバンク)が発売。スマートフォンの普及が進んだ10年代後半には、QRコード決済が普及した。

 今では街中の広告から回転すしの皿、SNSの友達登録までQRコードが使われている。原さんは「体にQRのタトゥーを入れた若者を見て、普及を感じた」と話す。

 無償公開に踏み切ったデンソーの収益につながっているのが、読み取り機だ。コンビニや空港、工場で使われる業務用の読み取り機で高い占有率を誇る。QRコードの著書もある神戸大の小川進・名誉教授(経営戦略)は「現場の課題を見つけ、技術開発につなげる大切さを、QRコードは教えてくれる」と話す。

ホームドア開閉に利用 コスト減貢献
 開発から30年たっても、QRコードには新たな使い道が生まれている。最近は交通機関で本格的に使われるようになった。

 都営地下鉄浅草線では、19年から車両のドアガラスにQRコードをつけ、駅に設置したカメラで読み取って、ホームドアを作動させるようにした。車両改修費のコスト削減につながっている。関西や首都圏の鉄道会社では、磁気式の切符をQRコードに変える動きもある。QRコードの普及を進めて自動改札や券売機などの維持管理費の削減につなげる狙いだ。

 原さんは現在、より多くの情報を格納できるコードの開発を目指している。「災害時などで、インターネットが使えない時でも、画像などの大容量データを送れる」と話していた。
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