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フェンシング男子 フルーレ団体 日本が金メダル パリ五輪 NHK 2024年8月5日 4時48分
パリオリンピック、フェンシング男子フルーレ団体で日本が金メダルを獲得しました。フェンシングはパリ大会で5つ目のメダルとなります。
”レジェンド”が植え付けた自信
男子フルーレ団体で初めての金メダル獲得の快挙を成し遂げた日本。そのベンチには頼もしい存在がいました。
フランス人のエルワン・ルペシューコーチです。
現役時代は5大会連続でオリンピックに出場したレジェンド。
東京大会では日本の前に立ちはだかって金メダリストとなり、大会後に日本代表コーチに転身しました。
ルペシューコーチが就任以来、徹底して取り組んできたのが“選手に自信を植え付けること”。ライバルとしてじかに剣を交えてきたなかで日本選手が持つ潜在能力に注目していました。
ルペシューコーチ
「彼らに足りなかったのは少しの運や経験、もしかしたら単に若かっただけだと思っていた。そこで“自信”というものに注目して自分たちの真の価値に気づかせようと思った」
特に意識したのが心の部分。
技術面で選手が難しいと感じる動きはあえてポジティブなことばで簡単に思わせるなど、工夫した声かけで自信を持たせてきました。
そして、口癖となっているのが「自分のフェンシングをしよう」ということば。
世界に勝つ実力は備わっており、対戦相手がどこであろうとも“自信”を持って挑むよう語り続けました。
ルペシューコーチ
「選手たちが自分のレベルに気づいてもらえるよう、サポートできていたらうれしい。出身国がどこであろうと関係はない。大事なのはピストで何をするかであり、強ければいい。簡単なことだ、自分に自信を持つことはね」
このルペシューコーチのもと、男子フルーレチームは飛躍を遂げてきました。
伸び悩んでいたキャプテンの松山恭助選手は去年の世界選手権の個人戦で銅メダルを獲得。さらに若手の飯村一輝選手が台頭し、世界選手権の団体では初優勝を果たすなど世界ランキング1位で今大会を迎えました。
松山恭助選手
「自信を植え付けてくれたことが一番。 何か特別なことをやるのではなくて、持っているものを出せば結果はついてくるという、常にそういうスタンスでいてくれたのが大きかった」
パリの舞台で選手たちは自信に満ちた表情で持ち味のプレーを繰り出し、地元のフランスを含めて次々と強豪を破りました。
フェンシング競技の最終日を最高のかたちで締めくくり、メダルラッシュを続ける日本フェンシング界の躍進を強く印象づけました。