2021年の立憲民主党代表選で勝利しガッツポーズする泉健太
どうなる?泉健太代表、立候補表明できないまま 迫る9月7日の告示日 推薦人集め「決して簡単ではない…」 東京新聞 2024年8月29日 06時00分
立憲民主党代表選は告示日の9月7日まで10日と迫る中、再選に意欲を示してきた泉健太代表(50)が立候補を表明できずにいる。泉氏は2021年の代表就任から3年近くなるが、党内で泉氏を支援する動きが広がっているとは言い難く、現職の代表でありながら推薦人20人の確保に苦慮している。
◆衆院3補選で全勝、成果は残すが…
代表選には、枝野幸男前代表(60)が立候補を正式に表明しているほか、野田佳彦元首相(67)も29日に表明する。吉田晴美衆院議員(52)も出馬に意欲を示している。
泉氏は政権交代に向けて、各党が一致できる政策で連携する「ミッション型内閣」を提案。7月の段階から、「政権準備の一環」として他の野党党首との会談を重ねるなど、再選に向けて動いてきた。それから1カ月が経過したが、正式な態度表明には踏み切らないまま。22日にはテレビ番組で「推薦人を集めるのは決して簡単ではない」と出馬準備の厳しさを明かした。
泉氏が代表として率いた22年の参院選で、立民は議席を減らし、23年4月の衆参5補選では1議席も獲得できなかった。風向きが変わったのは、今年1月の自民党派閥の裏金事件。4月の衆院3補選では立民が全勝する結果を収めた。
◆様子見が続く立憲民主党内、自民とは対照的
党内には、旧民主党政権で閣僚経験のない泉氏が代表のままでは、自民党に対する十分な対抗軸となり得ないとの見方もある。党重鎮の小沢一郎衆院議員は泉氏が再選された場合は「(党の)沈没だ」と断言。「(他の)野党との協力態勢がうまくいってない」などと批判を強めていた。
一方で泉氏に近い議員は「前回の衆院選敗北から今日まで3年間、堅実に党運営し、支持率は日本維新の会を上回った。連合や他党との協議も進めている」と評価し、支持確保を進めている。
今回の立民代表選は自民党総裁選と日程の多くが重なる。立候補の動きが早いほど、注目を集める機会も増えるが、出馬に意欲を示す議員らは、お互いの動きを様子見しているのが実情だ。党内には「いつもと同じ顔触れだと代わり映えせず盛り上がらない。刷新感が出なくて埋没してしまうよね」(中堅参院議員)との懸念もある。(中沢穣)