【詳細】イスラエル パレスチナ 中東情勢(9月3日) NHK 2024年9月3日 19時16分
イスラム組織ハマスによって、ガザ地区で拘束されていた人質のうちの6人が遺体で見つかったことを受け、停戦と人質解放に向け、イスラエルではハマスとの合意を求める声が強まる一方、ネタニヤフ首相はあくまでハマスの壊滅を目指す考えを重ねて強調しました。
※中東情勢に関する日本時間9月3日の動きを随時更新してお伝えします。
停戦合意求める声強まるも ネタニヤフ首相 “ハマス壊滅目指す”
ガザ地区でハマスに拘束されていた人質のうち、6人の遺体が見つかったことを受け、イスラエルでは、停戦と人質の解放に向けてハマスとの合意を求める集会が連日各地で開かれるなど、政権への圧力が強まっています。
ハマス側は、イスラエル軍のガザ地区からの完全撤退を求めていますが、ネタニヤフ首相は2日の会見で、ハマスが軍事力を取り戻さないよう、イスラエル軍がガザ地区南部にある回廊での駐留を続けるべきだとの考えを、改めて強調しました。
一方、ハマス側は声明で2日、「ネタニヤフ首相が軍事的な圧力で人質を取り戻そうとすれば、人質は棺おけに入って家族のもとに戻ることになる。イスラエル軍が人質の拘束場所に近づいてきた場合の、新たな対応を戦闘員に指示した」と述べ、軍事的な圧力は人質の命を危険にさらすと、ネタニヤフ首相を強くけん制しました。
こうした中、アメリカのバイデン大統領は2日、ハリス副大統領とともに、停戦と人質の解放に向けた協議にあたっているチームから報告を受けるとともに、今後の対応について協議しました。
これに先立って、バイデン大統領はホワイトハウスで記者団から「ネタニヤフ首相は十分な行動をとっていると思うか」と問われると「ノー」と答え、対応が十分ではないという認識を示しました。
また、停戦に向けた最終的な妥協案を今週、イスラエルとハマスに提示するつもりなのかと問われると「われわれは、それにとても近づいている」と述べました。
イスラエル首相「フィラデルフィ回廊」に軍駐留継続の考え
イスラエルとイスラム組織ハマスとの間の停戦と人質解放に向けた協議は「フィラデルフィ回廊」と呼ばれるガザ地区とエジプトとの境界地帯に停戦後もイスラエル軍が駐留を続けるかが争点の一つになっています。
これについてネタニヤフ首相は2日の会見で、回廊を通じてハマスに軍事物資が供給されてきたとしたうえで「悪の枢軸が回廊を必要としているからこそ、管理を続けなければならない。われわれがそこにいるという事実を恒久的なものにする必要がある」と述べ、ハマスが軍事力を取り戻すことを防ぐために、イスラエル軍が駐留を続けるべきだとの考えを強調しました。
イスラエル軍がガザ地区から完全に撤退することを求めるハマスとの立場の隔たりはより鮮明になっていて、合意が実現するかは不透明な状況です。
ガザ地区中部 時間限り戦闘一時休止でワクチン接種
ガザ地区中部では2日、前日に続き、イスラエルとハマスが時間を限って戦闘を一時休止したうえで、国連機関によるポリオのワクチン接種が行われました。
接種を担当するUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は、SNSへの投稿でワクチン接種は進んだものの現地の人道状況は深刻だとして完全な停戦が必要だと訴えています。
イスラエル 合意実現すべきとの市民の声強まる
イスラエルでは人質6人が遺体で見つかったことを受け、ハマスとの合意を実現すべきだという市民の声が強まっていて、2日も最大の商業都市テルアビブをはじめ各地で集会が開かれました。
また、政府に合意を迫るためだとして労働組合などによる大規模なストライキも行われ、空港では国際線の運航に乱れが出たほか、一部の行政機関では業務が停止されるといった影響も出ました。
英 イスラエルへの武器輸出一部許可停止
イギリス政府は2日、イスラエルへの武器輸出について一部の輸出許可を停止したと発表しました。
イスラエルへの輸出を許可している武器、およそ350件のうち、パレスチナのガザ地区で使用されているおよそ30件が停止の対象となるとしています。
イギリス政府は、ことし7月に労働党政権になって以降、ガザ地区でのイスラエルによる武器の使用状況を調査した結果、国際人道法に違反するリスクがあることなどが判明し、国内の基準に照らして輸出を許可できないと判断したとしています。
対象には、ガザ地区で使用されている戦闘機やヘリコプター、ドローンなどに組み込まれる重要部品や、地上での攻撃に使われている品目が含まれています。
イギリスのメディアは、イスラエルが輸入する武器のうちイギリスからのものが占める割合は1%程度だと伝えていて、ラミー外相は「わが国はイスラエルの自衛権を引き続き支持する。われわれの行動がイスラエルの安全保障に重大な影響を及ぼすことはない」と述べています。
イスラム組織ハマスによって、ガザ地区で拘束されていた人質のうちの6人が遺体で見つかったことを受け、停戦と人質解放に向け、イスラエルではハマスとの合意を求める声が強まる一方、ネタニヤフ首相はあくまでハマスの壊滅を目指す考えを重ねて強調しました。
※中東情勢に関する日本時間9月3日の動きを随時更新してお伝えします。
停戦合意求める声強まるも ネタニヤフ首相 “ハマス壊滅目指す”
ガザ地区でハマスに拘束されていた人質のうち、6人の遺体が見つかったことを受け、イスラエルでは、停戦と人質の解放に向けてハマスとの合意を求める集会が連日各地で開かれるなど、政権への圧力が強まっています。
ハマス側は、イスラエル軍のガザ地区からの完全撤退を求めていますが、ネタニヤフ首相は2日の会見で、ハマスが軍事力を取り戻さないよう、イスラエル軍がガザ地区南部にある回廊での駐留を続けるべきだとの考えを、改めて強調しました。
一方、ハマス側は声明で2日、「ネタニヤフ首相が軍事的な圧力で人質を取り戻そうとすれば、人質は棺おけに入って家族のもとに戻ることになる。イスラエル軍が人質の拘束場所に近づいてきた場合の、新たな対応を戦闘員に指示した」と述べ、軍事的な圧力は人質の命を危険にさらすと、ネタニヤフ首相を強くけん制しました。
こうした中、アメリカのバイデン大統領は2日、ハリス副大統領とともに、停戦と人質の解放に向けた協議にあたっているチームから報告を受けるとともに、今後の対応について協議しました。
これに先立って、バイデン大統領はホワイトハウスで記者団から「ネタニヤフ首相は十分な行動をとっていると思うか」と問われると「ノー」と答え、対応が十分ではないという認識を示しました。
また、停戦に向けた最終的な妥協案を今週、イスラエルとハマスに提示するつもりなのかと問われると「われわれは、それにとても近づいている」と述べました。
イスラエル首相「フィラデルフィ回廊」に軍駐留継続の考え
イスラエルとイスラム組織ハマスとの間の停戦と人質解放に向けた協議は「フィラデルフィ回廊」と呼ばれるガザ地区とエジプトとの境界地帯に停戦後もイスラエル軍が駐留を続けるかが争点の一つになっています。
これについてネタニヤフ首相は2日の会見で、回廊を通じてハマスに軍事物資が供給されてきたとしたうえで「悪の枢軸が回廊を必要としているからこそ、管理を続けなければならない。われわれがそこにいるという事実を恒久的なものにする必要がある」と述べ、ハマスが軍事力を取り戻すことを防ぐために、イスラエル軍が駐留を続けるべきだとの考えを強調しました。
イスラエル軍がガザ地区から完全に撤退することを求めるハマスとの立場の隔たりはより鮮明になっていて、合意が実現するかは不透明な状況です。
ガザ地区中部 時間限り戦闘一時休止でワクチン接種
ガザ地区中部では2日、前日に続き、イスラエルとハマスが時間を限って戦闘を一時休止したうえで、国連機関によるポリオのワクチン接種が行われました。
接種を担当するUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は、SNSへの投稿でワクチン接種は進んだものの現地の人道状況は深刻だとして完全な停戦が必要だと訴えています。
イスラエル 合意実現すべきとの市民の声強まる
イスラエルでは人質6人が遺体で見つかったことを受け、ハマスとの合意を実現すべきだという市民の声が強まっていて、2日も最大の商業都市テルアビブをはじめ各地で集会が開かれました。
また、政府に合意を迫るためだとして労働組合などによる大規模なストライキも行われ、空港では国際線の運航に乱れが出たほか、一部の行政機関では業務が停止されるといった影響も出ました。
英 イスラエルへの武器輸出一部許可停止
イギリス政府は2日、イスラエルへの武器輸出について一部の輸出許可を停止したと発表しました。
イスラエルへの輸出を許可している武器、およそ350件のうち、パレスチナのガザ地区で使用されているおよそ30件が停止の対象となるとしています。
イギリス政府は、ことし7月に労働党政権になって以降、ガザ地区でのイスラエルによる武器の使用状況を調査した結果、国際人道法に違反するリスクがあることなどが判明し、国内の基準に照らして輸出を許可できないと判断したとしています。
対象には、ガザ地区で使用されている戦闘機やヘリコプター、ドローンなどに組み込まれる重要部品や、地上での攻撃に使われている品目が含まれています。
イギリスのメディアは、イスラエルが輸入する武器のうちイギリスからのものが占める割合は1%程度だと伝えていて、ラミー外相は「わが国はイスラエルの自衛権を引き続き支持する。われわれの行動がイスラエルの安全保障に重大な影響を及ぼすことはない」と述べています。