ガブリエル・アタル氏=ロイター ©読売新聞
フランス・アタル内閣が総辞職へ…マクロン大統領率いる与党連合の下院選大敗、後任首相めど立たず 読売新聞 2024/07/16 20:49
【パリ=梁田真樹子】フランスのガブリエル・アタル首相率いる内閣は、先に行われた国民議会(下院、定数577)選挙でマクロン大統領の中道与党連合が大敗したことを受け、総辞職する方針を固めた。16日にもマクロン大統領が辞表を受理する。
最大勢力となった左派政党連合を含め、いずれの勢力も過半数には達しておらず、後任の首相はめどが立っていない。マクロン氏は状況を見極め、今月下旬から9月上旬にかけて行われるパリ五輪・パラリンピック終了後に首相を任命する意向とみられる。
与党内では亀裂が深まっている。アタル氏は国民議会で与党会派代表に就き、穏健な左派政党との協力を模索する姿勢だ。これに対し、中道右派との連携を目指すジェラルド・ダルマナン内相らが反発している。仏メディアによると、マクロン氏は12日、与党の会合で「悲惨な見せ物だ」と述べ、対立の解消を求めた。
左派政党連合は、12日頃までに統一の首相候補を選ぶとしていたが、内部で折り合いがついていない。急進派の「不服従のフランス」と共産党などとの意見が割れている。