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日本選手権競輪2018回顧

2018-05-15 20:51:20 | 大レース回顧集
関連記事:5/6 平塚・日本選手権競輪 決勝戦




5/7(月) 6:00配信 デイリースポーツ

「日本選手権競輪・G1」(6日、平塚)

 三谷竜生(30)=奈良・101期・SS=が脇本雄太の先行に乗って番手からゴール前で抜け出して優勝。13、14年の村上義弘以来、史上7人目の日本選手権(ダービー)連覇を達成し、優勝賞金6500万円(副賞含む)とKEIRINグランプリ2018(12月30日・静岡)の出場権を獲得した。2着に村上義、3着に脇本、4着に村上博幸と近畿ラインで上位独占となった。

 薫風そよぐ湘南バンクをさっそうと駆け抜けた。三谷が脇本の番手から抜け出して、13、14年の村上義弘以来、通算7人目の日本選手権連覇を達成した。「うれしいです。みなさんのおかげで、獲らせてもらいました」と周囲に感謝しながら、喜びをかみしめた。

 レースは近畿4車が結束。スピード豊かな脇本が引っ張り、打鐘から先行態勢に入ると、最終バック通過後も別線の追随を許さない。番手の三谷は直線で鋭く抜け出して栄光のゴールを駆け抜けた。

 近畿勢で1~4着まで上位を独占。「脇本君がいいレースをしてくれました。ついて行くだけでした」とねぎらいながら「ラインで決めることができてよかった。近畿ラインの強さを改めて感じました」と振り返った。

 昨年はダービー制覇後、7月の福井G3初日に落車負傷。後半戦は思うように結果を残せず苦しんだが、S班となった今年はG3を既に3回優勝。存在感を示している。

 今回の優勝でグランプリの出場権を獲得した。「昨年(4着)は悔しい思いをしたので、今年は優勝を目指して頑張りたい」と力を込めた。さらなる高みを目指して躍進する。





三谷がダービー連覇――。G1「第72回日本選手権競輪」の決勝戦は6日、平塚競輪場で行われた。レースは脇本―三谷―村上兄―村上弟の近畿ラインが一気に主導権を握り、番手の三谷竜生(30=奈良・101期)が追い込んで優勝、賞金6500万円を獲得した。三谷は村上義弘(13、14年)以来、7人目のダービー連覇を達成、2年連続2回目のグランプリ出場を決めた。なお三谷のG1優勝は2回目。

 近畿勢の強い絆で三谷が村上義弘以来、7人目のダービー連覇を達成した。

 「素直にうれしいです」。前に脇本、後ろに村上兄弟という責任感ある位置を走った三谷は自身の優勝と近畿勢の上位独占という結果に、爽やかな笑顔を見せた。

 脇本―三谷―村上兄―村上弟の近畿勢は後ろ攻めを選択。打鐘前の2コーナーから脇本が一気にスパートして加速、5番手の浅井以降が5車身以上離れて追走する完全な近畿勢ペース。番手回りの三谷は「脇本君が凄い先行だったけど差し込めて良かった」とゴール前で追い込んで偉業を成し遂げた。

 2年連続でダービー優勝の表彰式に臨んだ三谷は「昨年の決勝(京王閣ダービー)は近畿が1人だったけど、今年は4人。皆さんのおかげで獲らせてもらいました」とラインの結束力に感謝を表した。

 昨年5月にタイトルホルダーの仲間入りを果たした三谷だったがケガで低迷した時期もあった。しかし今年に入ると記念競輪3連続優勝も含めて安定感ある走りを見せつけて「自分なりに万全の状態」で今シリーズを迎えて結果を出した。

 この優勝で2年連続2回目のグランプリ(12月30日、静岡競輪場)出場を決めた。初出場の昨年は「参加しただけの感じになってしまった」悔しさが残ったので今年に懸ける思いも強い。「今年の後半戦もしっかり頑張っていきたい」。近畿を引っ張っていく三谷の走りもビッグ戦線の焦点の一つになる。

 ◆三谷 竜生(みたに・りゅうき)1987年(昭62)9月5日生まれ、滋賀県大津市出身の30歳。関東学院大卒。12年7月プロデビュー。通算成績は483戦161勝。通算取得賞金は3億482万円。主な優勝は第71回(17年)、72回(18年)日本選手権。兄の政史(35=93期)、将太(32=92期)もS級。1メートル68、82キロ。血液型B。
[ 2018年5月7日 05:30 ]







決勝戦 レース経過

 号砲で浅井康太、新田祐大、和田健太郎が飛び出すが、車番を生かした浅井が素早く誘導後位を確保。浅井-香川雄介-新田-山中秀将-和田-脇本雄太-三谷竜生-村上義弘-村上博幸の並びで周回を重ねる。

 赤板前から徐々に車間を空けた脇本は詰めた勢いで1センターで一気に踏み上げると、4番手の村上博まできっちり続きライン4車できれいに先頭に。

誘導との車間を切って脇本の仕掛けに備えていたはずの浅井だったが、打鐘で3、4車身車間が空くと、出切ってからもペースを落とすことなく踏み続ける脇本の前にさらに車間が開いてしまい追い付くことはできず。8番手に置かれてしまった山中が2コーナーから巻き返すが、新田に合わされ不発。その新田もそこから車が出ない。近畿4車はセーフティーリードを保ったまま最後の直線へ。逃げた脇本は最後の力を振りしぼって踏み直すが、番手絶好の三谷がゴール前で抜け出し、史上7人目のダービー連覇を飾った。直線で外を回した村上義が粘る脇本をわずかにとらえて2着。4着にも村上博が入って、近畿4車で上位を独占した。


<11R>

 赤板を通過しても隊列は崩れず、6番手でワンポイントにかけた脇本雄太が1センターから一気。4車のラインを意識しながら出切ると、そのまま別線をちぎって逃げる。前受けの浅井康太は5番手に飛び付くも、近畿ラインとの車間は大きく空いて成す術がない。脇本がつくり出したハイペースに、V争いは近畿ラインの4車に絞られた。番手の三谷竜生が落ち着いて直線半ばで脇本を交わして、初戴冠だった昨年に次ぐ2度目のGI優勝。ダービー連覇を成し遂げた。

 「(優勝は)素直にうれしい。去年は(近畿勢が)ひとりだった。今年は4人いてみんなのおかげで獲らせてもらいました。(昨年)ダービーを獲ってから怪我で低迷していたけど、今回に向けて仕上げてこられました。脇本君のすごい先行を差すことができてよかった。去年のグランプリは悔しかったんで、次のグランプリは優勝を目指して頑張ります」

 3番手から外を追い込んだ村上義弘(写真)は、逃げた脇本との2着争いに持ち込むのが精いっぱい。わずかに脇本をとらえて2着に上がった。

 「脇本が強かった。オーバーペースかと思ったけど、最後はもう1回加速していった。(別線が大きく離れていたが)後ろがどうなっているかはわからなかった。来たらどうにかしなければと。今年の(三谷)竜生の活躍通り、近畿でSSは(三谷)ひとり。(近畿勢を)引っ張って来てくれたんで、日本選手権の優勝者にふさわしい」

 別線に反撃の隙をまったく与えず近畿4車で上位を独占。脇本雄太(写真)が、GIファイナルで衝撃の逃走劇を披露した。

 「誰か切りに行っても追いかけるつもりはなかった。自分のタイミングでと思っていた。自分のなかで一番最悪なのは、(別線に)飛び付かれてラインが崩れること。(ラインを)最大限に生かすには、(仕掛けが)あのタイミングだった。ラインを生かそうという気持ちが強かった。反省を言うと、もうちょっと(仕掛けが)遅くても良かった。でも、自分らしくていいかな。(自力で)タイトルを獲りたい。もう少しで届きそうな気がする。あとはもうちょっと貪欲な気持ちに」

 「勝負どころで仕掛けられなかったのが敗因」とは、GI3連覇ならずの新田祐大。脇本の仕掛けに一瞬、合わせて踏み込みかけたが、思いとどまり7番手で圏外に置かれた。

 「脇本の仕掛けが見えてたんで、そこですね。浅井(康太)さんが飛び付く感じで踏んだと思った。自分で踏んでいればよかった。そこから浅井さんが車間を切っているのかと思った。どこから詰めるのかなと思ったら、浅井さんが苦しそうだった。慌てて(仕掛けて)行ったけど…」





5/6(日) 17:16配信 デイリースポーツ

 「日本選手権競輪・G1」(6日、平塚)

 最終日11Rで決勝戦が行われ、三谷竜生(30)=奈良・101期・SS=が2年連続2回目の日本選手権優勝を達成。賞金6500万円(副賞込み)を獲得し、KEIRINグランプリ2018(12月30日・静岡)出場権を手に入れた。

 レースは周回中6番手の脇本雄太(福井)が打鐘2角から踏み上げ、打鐘で出切る。三谷-村上義弘-村上博幸(ともに京都)がしっかり追走すると、正攻法の浅井康太(三重)以下は前の4人に離されてしまう。浅井が急追するが、前団との差は全く詰まらず、脇本を差した三谷が1着でゴール。三谷マークの村上義が2着に入り、先行した脇本は3着だった。

 史上7人目となる日本選手権連覇を果たした三谷は「素直にうれしいです。(昨年の日本選手権で優勝してから)ケガで低迷したときがありましたが、ここに向けてしっかり調整できました。脇本君のすごい先行を差せて良かったです」と表彰式で満面の笑み。2年連続でグランプリ出場を決めたことについては「非常にうれしいです。(グランプリ)優勝を目指して頑張ります」と語った。



2018年5月6日(日) 最終日 第11レース (S級決勝) 2425m 発走時間 16:30 

1 7 三谷 竜生 30歳/101期 奈良  S級S班 差し 11.4  
2 9 村上 義弘 43歳/73期 京都  S級1班 3/4車身 11.4  
3 3 脇本 雄太 29歳/94期 福井  S級1班 タイヤ差 11.5 B  
4 5 村上 博幸 39歳/86期 京都  S級1班 1車身1/2 11.4  
5 8 香川 雄介 43歳/76期 香川  S級1班 4  車身 11.2  
6 1 浅井 康太 33歳/90期 三重  S級S班 1/2車輪 11.3 S  
7 4 和田健太郎 36歳/87期 千葉  S級1班 3/4車身 11.0  
8 2 新田 祐大 32歳/90期 福島  S級S班 1  車身 11.3  
9 6 山中 秀将 31歳/95期 千葉  S級1班 5  車身 11.8

枠 複 5=6 370円(1)
枠 単 5-6 580円(1)
車 複 7=9 410円(1)
車 単 7-9 650円(1) 
三連複 3=7=9 830円(1)
三連単 7-9-3 3,040円(4)
ワイド 
7=9 200円(1)
3=7 480円(6)
3=9 640円(10)



去年の日本選手権は、記念優勝経験がない中で「日本一」となった三谷。そのときの当回顧で、「もう1つタイトルを獲ってこそ本物」と述べたが、1年後の今、「日本一を防衛した」ことを素直に讃えたい。

それにしても、三谷はこの1年、方々から「ダービー王」と言われ続けた。それくらい、去年の京王閣大会における三谷の優勝のインパクトは大きかった。

だが、去年の日本一のあと、三谷は落車が続いた。中でも、現地観戦していた岸和田の高松宮記念杯の最終日・特別優秀戦では6名落車に巻き込まれたシーンを目の当たりにした。

昨年は、落車禍が尾を引いて、グランプリも参加しただけのような内容だったが、今年に入り、高松で記念初制覇すると、その後、地元の奈良、さらに玉野と立て続けに3連続記念優勝を飾った。この流れを受け、今大会も優勝候補の一角として名を連ねたが、脇本雄太のジャン前先行に上手く乗り、最後は差して、日本選手権競輪史上7人目となる連覇を達成した。これで、来年の日本選手権が開幕するまで、またぞろ、「ダービー王」と方々で言われることになるだろう。

ところで、三谷は今は自力主体の競走となっているが、実は横も結構強い。関東学院大学のラグビー部時代は、コンタクト機会が多いセンターのポジションだったということもあるが、上背はあまりないものの、体型はガッチリしているからだと考えられる。よって、「ダブルダービー王」となった三谷が、今後は番手を回る機会が増えるかもしれないが、そうなった場合でもキッチリと対応していくだろう。

脇本雄太はまたしても「キングメーカー」に終わったが、今回は優勝も十分見えた内容だった。浅井、新田といった選手たちが、全く歯が立たなかったことを踏まえると、ジャンを過ぎてから出てもよかったのではないか、とも思われるが、この一戦により、「脇本はジャン前から出ても逃げ切れる」という脅威感を他選手に与えたとするならば、悲願のタイトルも見えてくるのではないか。


去年、初の日本一となった優勝報告会を奈良競輪場で行ったときの模様。



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