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【日本ダービー】56歳・横山典してやったり! イン鋭く抜け出し9番人気ダノンデサイルで史上最年長V― スポニチ Sponichi Annex ギャンブル https://t.co/JKEjC6jpIg
— bod (@bod91313247) May 26, 2024
これぞ名手の神髄。3歳馬の頂点を決するG1「第91回ダービー」が26日、東京競馬場で行われ、9番人気ダノンデサイルがインを伸びてG1初勝利を飾った。騎乗した横山典弘は09年ロジユニヴァース、14年ワンアンドオンリーに続くダービー3勝目、56歳3カ月4日での勝利はG1最年長勝利記録。一方、同馬を管理する安田翔伍師(41)はグレード制導入後の最年少ダービートレーナーとなった。
関係者が涙する検量室前、ダノンデサイルの背で横山典は喜びをかみしめていた。発走直前に競走除外(右前肢ハ行)となった皐月賞。脳裏を巡ったのは当時の苦渋の決断、そして困難だったダービーへの道のり。「皐月賞をやめた時の自分の決断が間違っていなかったんだなと。ああいうことがあっても馬はちゃんと大事にしてれば応えてくれる。馬に感謝です」。自身のJRA・G1最年長勝利記録など意に介さない様子に、横山典という男のポリシーを見た。
ベテランの髄が詰まった読みとポジション取りだった。快速メイショウタバルの出走取消で「普通か遅いくらい(のペース)になると思っていた。スタートを決めたら、行ってもいいくらいの気持ちだった」と鞍上。3、4番手のインへ難なく導き、道中は最短距離を通り続けた。勝負の直線、負けられない人気勢が外へ出しても焦らないのは経験のなせる業か。最初から分かっていたかのように1頭分だけ空くスペース。力強く抜け出すと、後続を2馬身振り切り、栄光のゴールを駆け抜けた。横山典は「岩田くん(エコロヴァルツ)が行ってくれたのでポケットのちょうどいいところに。最後はよくはじけてくれた」と笑顔で振り返った。
ゲート入り直前で歩様に違和感を覚えた皐月賞。クラシック発走前の高揚感の中でも、“馬ファースト”を掲げる名手は首を振って強く出走断念を訴えた。当時の様子について安田師は「火曜(2日後)には乗り出しを許可される程度のものでしたが、連れて帰って馬運車から降りる時には嫌がるくらいに痛がっていた。典さんだから中止という判断ができたのかもしれません」と振り返る。常に馬の将来を思う名手の冷静な判断が、この日の栄冠につながった。
父エピファネイアが13年ダービー(2着)で敗れたキズナの産駒たちをまとめて撃破。今後の具体的な見通しはまだだが、父は菊花賞で5馬身差Vを飾った。横山典は「これからも彼が無事にハッピーに、レースを嫌がらないように心がけながら付き合っていきたい」と目を細める。気鋭の指揮官と経験豊富なベテランに導かれるデサイル。追われる立場となる秋も堂々と戦い抜く。
≪除外直後のG1Vは初≫ダノンデサイルは皐月賞で競走除外となったが、ダービーで即反撃V。過去には08年川崎記念の出走を取り消したヴァーミリアンが直後のフェブラリーSを勝った例はあるが、競走除外直後のG1制覇は86年以降で初めて。
◆ダノンデサイル 父エピファネイア 母トップデサイル(母の父コングラッツ)21年4月6日生まれ 牡3歳 栗東・安田厩舎所属 馬主・ダノックス 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績5戦3勝(重賞2勝目) 総獲得賞金3億8200万円 馬名の由来は冠名+母名の一部。
【日本ダービー】安田師 初挑戦で41歳最年少V「この経験を今後に生かしていかなければ」― スポニチ Sponichi Annex ギャンブル 2024年5月27日 04:44 https://t.co/a2JSZ8YHrj
— bod (@bod91313247) May 26, 2024
ダービー初出走で称号をつかんだ。安田翔伍師は41歳10カ月19日とグレード制導入後、調教師として最年少でのダービーV。余韻に浸りながらも「前走(皐月賞を競走除外)のことがあったので、無事にレースを終えることができて良かった」と愛馬を気にかけた。
父・隆行氏のもとで03年から調教助手として研さんを積んだ。調教師へ転身。この大舞台の重みをより強く感じていた。父が調教師として勝てなかったダービー。息子が力強く獲った。「ダービーは憧れのレース。この年齢でダービーを勝たせてもらった。この経験を今後に生かしていかなければ」と口を結んだ。
ダノンデサイルを担当する原口厩務員はG1・7勝馬テイエムオペラオーや東京大賞典4連覇オメガパフュームを手がけた腕利き。ダービー3着だったテイエムオペラオーの悔しい思いが25年の時を経て、ダノンデサイルで結実した。安田師は「キャリアが豊富で馬との距離感を取るのが凄く上手な方。(中間は)精神状態の面の確認は取りましたが、コンディションに関して細かい指示はしていない」と全幅の信頼を寄せる。
兄・景一朗助手が調教の陣頭指揮を執るなど厩舎力は年々向上。若きトレーナーを支える優秀なスタッフが顔をそろえる。ダービーという大きな勲章を得て、さらなる大舞台へ翼を広げる。