公営競技はどこへ行く

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日本選手権オートレース回顧

2006-11-06 03:43:53 | 大レース回顧集

オートレース日本一決定戦、伝統の第38回日本選手権オートレースは5日、浜松オートレース場で優勝戦を迎えた。

4・人見剛志がフライング。再スタートとなった。

最内枠を利して、1・伊藤信夫がいいスタートを切り、さらにこれを援護するかのように、8・木村武之が大外から一気にブンガマシ。

初手は木村、伊藤と続き、6・浜野淳と2・永井大介がラップする形で3番手争いとなるも、Gレース4連覇を狙う5・田中茂がまとめてこの2人を抜き去り、浜松2車にすかさずとりつく。以下、3・浅香潤、7・岡部聡、人見の順。

田中が早くも残りあと8周の時点で2番手の伊藤を交わしにかかるも「空振り」。田中の動きが脅威と見た伊藤はその後バック通過後の3角付近で木村を交わし、トップに。そして田中がすかさず2番手に。

残りあと6周過ぎ。ついに田中が伊藤を捕らえ先頭に。普通ならここから「驚愕の走り」を見せる田中だが、伊藤も懸命に粘って田中に食らいつく。

しかし周回を重ねるたびごとにリードが徐々に広がり、ついに伊藤も力尽きた。

田中がついに、G開催4連覇の偉業を達成。SGは連覇。2着には大健闘の伊藤。そして3着には永井が入った。

やはり強かった、「伝説の男」、田中茂。

2日目に逃げ切りを許した伊藤信夫、そして、4日目に早め抜け出しを決められた永井大介も参戦した優勝戦において、まずは永井を序盤で追い落とし、まるで競輪のごとく、「ライン戦」に持ち込んだと思われる木村-伊藤の「田中潰し」の策にも全く動じず、終わってみればまたまた圧勝。はっきりいって、もう田中にかなう敵はいない。

表彰式には、殉職した同期の橋本和美の遺影を持って臨んだ田中だが、インタビューでも、最初から他の選手の手の内は分かっていたかのような発言ぶり。

もっとも、田中はG開催で4連覇こそしたものの、一回も完全優勝はなく、予選道中では必ず1回は負けている。というわけで、必ずしも、田中と戦って勝てるチャンスはないとも限らない。

しかし、勝てたとしても1回限りのケースばかりで2回と続かない。それくらい、田中に勝つチャンスは限られているわけで、とりわけ優勝戦ともなるとほとんどその可能性がないと今は見てよい。

かつての飯塚将光や片平巧がそうであったように、1回負けた選手には同節で2回と「負けない」、さすれば、田中を脅かす選手もだんだんといなくなる。それが出来る以上、当面の間、田中の天下が続くことは間違いない。

それにしても、田中の強さというのは一体どこから生まれてくるのか?

これは日を改めて、当ブログで解明したほうがよさそう。

一方、これだけ田中が強いと次第次第にハンデは重くなっていこう。

スタートの出もまずまず切れてはいる田中だが、やはりトップクラスの面々が揃うと若干見劣りする面も否めない。しかもハンデを背負って捌かねばならない状況になって果たして更なる驚愕の強さを維持できるのか、という次の局面も懸念されるところではあるが。

だが、それを乗り越えていけるようならば、田中はそれこそ、飯塚に続く「Mr.オート」を襲名してもいいのでは。もちろん、年末のスーパースターも大本命を背負うことになろう。

伊藤は木村の「アシスト?」を受けながらだが、よく田中に食らいついた。

2日目はその田中を破ったものの、翌日のトップライダー戦では田中に完敗。普通ならばそれで怯むはずなのに、優勝戦では抜かれた後もスロットル全快で田中に食らいついた。

しかしながら、この大舞台にいるというだけでも感慨ものなのに、最後の最後まであきらめない走りに、2着でも地元ファンは大喜びだったのでは。今年3月の大怪我からの復帰後最初のSG制覇をいつの日か、浜松のファンは願っている。

永井は力では上位というところを示した3着だったが、スタート直後に田中に交わされてしまい、悲願のSG制覇はそこで消えた。


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