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高松宮記念2024回顧:最内突いたマッドクールがアタマ差制す!

2024-03-25 06:46:12 | 大レース回顧集





(高松宮記念、2024年3月24日 15:40、GI、中京11R、芝・左1200m)

坂井瑠星(26)=栗・矢作=騎乗で6番人気のマッドクールが好位追走から直線で鋭く伸び、GⅠ初制覇。昨年のスプリンターズS2着のリベンジを果たした。今後は招待の届いている香港GⅠチェアマンズスプリントプライズ(4月28日、シャティン、芝1200メートル)を視野に入れる。2着に2番人気ナムラクレア、3着に5番人気の香港馬ビクターザウィナーが入った。



春雨煙る尾張で、新時代の到来を高らかに告げた。絶対王者不在のスプリント路線にマッドクールが断。インから鋭く伸びてナムラクレアの猛追をしのぎ、GⅠ初制覇。坂井騎手が胸を張った。


坂井騎手は馬上でガッツポーズ。昨秋のリベンジを果たした(撮影・菅原和彦)
「最後は(ナムラクレアが)すごい勢いで迫ってきていたので、わかりませんでしたが、なんとか勝ててよかったです。馬をたたえたいです」


好スタートを決め、逃げたビクターザウィナーの直後に。「勝つならハナ(を行く馬)の後ろ」という思惑通りのポジションを確保した、直線は渋った馬場を嫌って外へ行く各馬を尻目に、内ラチ沿いでスパート。ラスト1ハロン手前で抜け出し、最後まで脚色は衰えなかった。2着との差こそアタマだが、3着には3馬身差。完勝だった。

昨秋はGⅠ初挑戦だったスプリンターズSでハナ差2着。「コンビを組めなくてもおかしくない状況。結果で応えるしかないと思っていました」と香港遠征を挟み、再コンビでVをつかんだ。2年越しの〝約束〟も果たした。3歳5月の未勝利戦勝ち直後、陣営に「高松宮記念に行きましょう」と宣言。行くのはもちろん、頂点まで駆け上がった。

前走の香港スプリントは初の海外遠征で馬体重を10キロ減らし、8着。今回は18キロ増で自己最高540キロでの出走だった。池添調教師は「ボリュームアップして入厩してきました。締まってあの体重でしたし、想定内」とうなずく。右前の膝に弱さを抱え、3歳1月とデビューも遅かったが、大事に育ててきた大器が、5歳でついに花開いた。


ジョッキーが「まだまだ伸びしろはあると思います」と話せば、トレーナーも「脚元の不安も取れれば、さらに強くなると思う」とさらなる成長を見込む。今後は「状態を見ながらですが、香港(チェマンズスプリントプライズ)の招待が届いているので、オーナーサイドと相談して決めたい」と師。春の短距離王に輝き、再び海外へ。絶対王者への道を歩む。(山口大輝)

■マッドクール 父ダークエンジェル、母マッドアバウトユー、母の父インディアンリッジ。芦毛の牡5歳。栗東・池添学厩舎所属。愛国産。馬主は㈲サンデーレーシング。戦績12戦6勝(うち海外1戦0勝)。獲得賞金3億3346万6000円(全て国内)。重賞は初勝利。高松宮記念は坂井瑠星騎手、池添学調教師ともに初勝利。馬名は「マドリードで毎年夏に開催される音楽フェスティバル」。

★アラカルト
◆坂井瑠星騎手 初騎乗で勝利。JRA・GⅠは2023年チャンピオンズC(レモンポップ)以来で通算5勝目。重賞は23日の毎日杯(メイショウタバル)と2日連続Vで今年3勝目。通算17勝目。


◆池添学調教師 2頭目の出走で初勝利。JRA・GⅠは22年ホープフルS(ドゥラエレーデ)以来で通算2勝目。重賞は京都記念(プラダリア)以来で今年2勝目。通算12勝目。

◆ダークエンジェル産駒 本年出走の2頭が初出走で勝利。JRA・GⅠは延べ4頭目、重賞は延べ10頭目の出走で初勝利。

◆馬主・㈲サンデーレーシング 延べ12頭目の出走で初勝利。JRA・GⅠは23年ホープフルS(レガレイラ)以来で19年連続76勝目。重賞は今年2勝目で通算240勝目。

◆外国産馬の勝利 20年モズスーパーフレア以来4年ぶり7回目。

◆単勝6番人気の勝利 1997年シンコウキング以来27年ぶり2回目。

◆馬番②の勝利 22年ナランフレグ以来2年ぶり2回目。

◆関西馬の勝利 23年ファストフォースに続く2年連続20回目。

◆最高体重優勝 馬体重540キロは、15年エアロヴェロシティの524キロを抜く最高馬体重勝利。


★入場&売り上げ
高松宮記念の入場者数は2万8381人で前年度比134・3%。売り上げは159億1061万5800円で同105・5%だった。


2024年 高松宮記念(GⅠ) | 第54回 | JRA公式


11 レース 第54回 高松宮記念(GⅠ) 4歳以上オープン 1,200(芝)定量 15時40分

2024年3月24日(日曜) 1回中京6日発走時刻:15時40分天候小雨芝重11レースウインファイヴ 5レース目第54回高松宮記念GⅠ4歳以上オープン(国際)(指定)定量コース:1,200メートル(芝・左)
本賞金:17000,6800,4300,2600,1700万円
付加賞(万円)1着378 2着108 3着54


☆ 1 1 ビッグシーザー 牡4 58.0 吉田隼人 西園正都
★ 1 2 マッドクール 牡5 58.0 坂井瑠星 池添学
〇 2 3 ナムラクレア 牝5 56.0 浜中俊 長谷川浩
  2 4 モズメイメイ 牝4 56.0 藤岡佑介 音無秀孝

▲ 3 5 トウシンマカオ 牡5 58.0 ルメール 高柳瑞樹
△ 3 6 ルガル 牡4 58.0 西村淳也 杉山晴紀
  4 7 テイエムスパーダ 牝5 56.0 富田暁 木原一良
  4 8 ソーダズリング 牝4 56.0 武豊 音無秀孝

  5 9 シャンパンカラー 牡4 58.0 吉田豊 田中剛
  5 10 ビクターザウィナー せ6 58.0 リョン シャム
  6 11 メイケイエール 牝6 56.0 池添謙一 武英智
  6 12 ロータスランド 牝7 56.0 岩田康誠 辻野泰之

  7 13 ウインカーネリアン 牡7 58.0 三浦皇成 鹿戸雄一
◎ 7 14 ママコチャ 牝5 56.0 川田将雅 池江泰寿
  7 15 ディヴィーナ 牝6 56.0 M.デム 友道康夫

X 8 16 ウインマーベル 牡5 58.0 松山弘平 深山雅史
  8 17 マテンロウオリオン 牡5 58.0 横山典弘 昆貢
  8 18 シュバルツカイザー せ6 58.0 大野拓弥 大竹正博


11 レース 第54回 高松宮記念(GⅠ) 4歳以上オープン 1,200(芝)定量 15時40分

1 枠1白 2 マルガイ マッドクール 牡5 58.0 坂井 瑠星 1:08.9 3 3 33.7 540(+18) 池添 学 6
2 枠2黒 3 ナムラクレア 牝5 56.0 浜中 俊 1:08.9 アタマ 10 10 33.2 470(-8) 長谷川 浩大 2
3 枠5黄 10 カクガイ ビクターザウィナー せん6 58.0 K.リョン 1:09.4 3 1 1 34.5 494(-1) C.シャム 5
4 枠7橙 13 ウインカーネリアン ブリンカー 牡7 58.0 三浦 皇成 1:09.6 1 1/2 2 2 34.6 518(0) 鹿戸 雄一 11
5 枠6緑 12 マルガイ ロータスランド 牝7 56.0 岩田 康誠 1:09.6 ハナ 13 13 33.7 496(+4) 辻野 泰之 12
6 枠3赤 5 トウシンマカオ 牡5 58.0 C.ルメール 1:09.7 1/2 6 7 34.2 478(-2) 高柳 瑞樹 4
7 枠1白 1 ビッグシーザー 牡4 58.0 吉田 隼人 1:09.8 1/2 6 7 34.4 514(-2) 西園 正都 9
8 枠7橙 14 ママコチャ 牝5 56.0 川田 将雅 1:09.9 3/4 3 3 34.8 488(+2) 池江 泰寿 3
9 枠6緑 11 メイケイエール 牝6 56.0 池添 謙一 1:10.0 1/2 6 5 34.7 486(-8) 武 英智 10
10 枠3赤 6 ルガル 牡4 58.0 西村 淳也 1:10.1 3/4 3 5 34.8 524(+2) 杉山 晴紀 1
11 枠7橙 15 ディヴィーナ 牝6 56.0 M.デムーロ 1:10.2 3/4 15 15 34.1 434(+16) 友道 康夫 13
12 枠8桃 16 ウインマーベル ブリンカー 牡5 58.0 松山 弘平 1:10.5 1 1/2 13 13 34.6 482(+6) 深山 雅史 8
13 枠8桃 18 マルガイ シュバルツカイザー せん6 58.0 大野 拓弥 1:10.6 3/4 12 10 35.0 502(0) 大竹 正博 18
14 枠4青 8 ソーダズリング 牝4 56.0 武 豊 1:10.6 クビ 10 12 34.8 472(0) 音無 秀孝 7
15 枠2黒 4 モズメイメイ 牝4 56.0 藤岡 佑介 1:10.8 1 1/4 17 18 34.4 456(-10) 音無 秀孝 16
16 枠8桃 17 マテンロウオリオン ブリンカー 牡5 58.0 横山 典弘 1:10.9 3/4 17 16 34.7 490(+6) 昆 貢 17
17 枠5黄 9 シャンパンカラー 牡4 58.0 吉田 豊 1:11.3 2 1/2 15 16 35.1 510(+2) 田中 剛 14
18 枠4青 7 テイエムスパーダ 牝5 56.0 富田 暁 1:11.6 1 1/2 6 7 36.1 504(+2) 木原 一良 15

ハロンタイム 12.5 - 10.8 - 11.6 - 11.4 - 11.0 - 11.6
上り 4F 45.6 - 3F 34.0
コーナー通過順位
3コーナー 10,13(2,6,14)(1,5,7,11)(3,8)18(12,16)(9,15)(4,17)
4コーナー 10,13(2,14)(6,11)(1,5,7)(3,18)8(12,16)15(9,17)4
払戻金
単勝
2 960円 6番人気
複勝
2 300円 5番人気
3 180円 2番人気
10 340円 6番人気
枠連
1-2 1,620円 8番人気
ワイド
2-3 760円 5番人気
2-10 1,900円 24番人気
3-10 1,190円 13番人気
馬連
2-3 2,110円 8番人気
馬単
2-3 4,920円 17番人気
3連複
2-3-10 10,020円 36番人気
3連単
2-3-10 58,740円 208番人気



・2 マッドクール・・・発馬がよく、初手で先団をキープ。直線では最内を突いた。外から追い込んできたナムラクレアと、ゴール線上はきわどい勝負となったが、アタマ差退け、重賞初制覇がGI勝ちとなった。

初勝利が2年前5/28の中京と遅かったが、それを契機に4連勝し、一気にオープン入り。しかしその後は春雷ステークス勝ちがあるのみで重賞は未勝利だった。しかしながら、前年のスプリンターズステークスでは勝利目前にして、ママコチャにハナ差敗れた。今回は前年の香港スプリント以来となるポン駆けで挑んだ。

果敢にハナを奪う競走も見せるなど、器用な一面もうかがわせる。それゆえに最後の決め手に欠けるきらいがあった馬だが、今回の勝利で、一皮むけたのではないか。今後も短距離戦線を牽引してくれそうだ。

・3 ナムラクレア・・・G Iは今回が7度目の挑戦だったが、またしても惜敗に終わった。結果的に見て、馬場がもう少し乾いてくれていたら、という内容だった。しかしながら、いまだに着順掲示板を外したのは2023年のヴィクトリアマイル(8着)だけ。良馬場も重馬場もこなすマルチ牝馬はまだまだ健在。

・10 ビクターザウィナー・・・果敢な先行を披露し、最後まで日本勢を苦しめた。「敵地」でここまでやれるのは立派。

・13 ウインカーネリアン・・・終始、ビクターザウィナーに取りつきながらゴール。よく頑張った。

・12 ロータスランド・・・今回がラストランだったが、後方から鋭く追い込み5着。自身のレースはやり切ったのではないか。

・6 ルガル・・・うまく馬群の中に入ったが、直線で一杯になった。重馬場はよくないタイプか。
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