CIAのバーンズ
MI6のムーア
【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(9月9日の動き) NHK 2024年9月9日 18時26分
ゼレンスキー大統領 “最前線の兵士たちへ さらなる支援重要”
ロシア国防省は8日、ウクライナ東部ドネツク州の要衝ポクロウシクの周辺にある集落を、新たに掌握したと発表しました。
ポクロウシク周辺では、7日にもロシア軍が別の集落を掌握したと発表し、攻勢を強めています。
これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、ビデオ演説を行い、「最前線の兵士たちへのさらなる支援が重要だ。それはポクロウシク方面など、ロシア軍がもっとも集中している地域においてだ」と述べ、ロシア軍の進軍を食い止めたいとする考えを強調しました。
また、ゼレンスキー大統領はこのビデオ演説のなかで、訪問先のイタリアで6日に会談したアメリカの上下両院の議員団に対し、ロシアによる軍事侵攻を終わらせるためとする計画の一部を説明したことを明らかにし、「計画の全体はバイデン大統領と、2人の大統領候補であるトランプ氏とハリス氏に提示する」と述べました。
ウクライナの越境攻撃 米英情報機関の長官が意見交換
アメリカのCIA=中央情報局のバーンズ長官とイギリスの対外情報機関、MI6のムーア長官は7日、ロンドンで開かれたイベントで対談しました。
2人が公の場にそろって姿を見せるのは初めてで、ウクライナ情勢などについて意見を交わしました。
この中でムーア長官は、ウクライナ軍が進めているロシア西部クルスク州への越境攻撃について「形勢を変えようとする彼らの大胆な動きだ」と述べ、作戦を遂行したウクライナ側を評価しました。
また、バーンズ長官も「プーチンのロシアと軍のぜい弱性を露呈した。エリートたちにこの戦争がどこに向かっているのかという疑問を投げかけた」と述べプーチン政権に動揺を与えたなどとして、越境攻撃は一定の成果があったという認識を示しました。
一方、ロシアの動向を巡りバーンズ長官は「戦術核兵器が使用される真のリスクがあると考えた瞬間が2022年の秋にあった」と述べ、ウクライナ軍が東部ハルキウ州などで反撃を進めていたこの時期に、ロシアによる核兵器使用の可能性に最大限警戒を強めていたことを明らかにしました。
ムーア長官はロシアが繰り返している核の威嚇について「西側諸国の誰もひるまないだろう」と述べ、警戒しつつも過度に恐れる必要はないと指摘した上で、両長官ともにウクライナを支援し続ける必要性を強調しました。