先日送られてきた、公営レーシングプレスの編集長のコラムの中に、ファンの中には出走表しか見ないで車券を買う人が少なくないという記述があった。
恐らくそれは関東のファンだと思う。関西でも確かにそういう人はいるが、ざっと見たところ、7割方のファンは研究かダービーを持っている。東海3県であれば、中部競輪かひかりを持っているファンは相当数いる。
私も通算で5年近く関東に住んでいたので、各地の競輪場を色々と見て回ったが、関東の競輪場ではせいぜい4割か、多く見積もっても5割弱程度。あとはスポーツ紙しか見ないか、あるいは上記の、出走表だけ見て車券を買っている人である。
思うに関東の競輪専門紙の印のつけ方は大雑把というか、はっきりいって機能していない。有名な赤競はよく買った見たが、本紙の印が一つあるだけで、他の印はスポーツ紙の印を掲載していた(今は掲載していないらしい)。すると、本命とおぼしき選手にはズラッと◎がついているケースがよくあった。青競、サイクルも同様だった。
対して、廃刊になってしまった黒競は少々違っていた。デスクの印と現場の印の2本立てとなっており、また、見解はだいたい違っていた。私は当初、黒の存在を知らなかったので、黒はしばらく、見たことさえなかったが、西武園に行った際、西武園には赤が置いてなかったこともあり、仕方ない気持ちで黒を買ったところ、現場が穴目の予想をしていたので、これは面白いと思っていくつか買ってみたところ、ソコソコ儲けた思い出がある。西武園はなぜか成績が良かったのだが、それには黒の影響が少なからずあったようにも思う。
しかし、関東のファンには、黒は受け入れられなかったのか?4年ほど前に廃刊となってしまった。今思えば非常に残念である。
関西の研究とダービーは3本立ての予想である。一番上が恐らくデスクで、真ん中が現場、そして一番下は総合見解になっていると思う。
すると、赤みたく、◎がズラッと並ぶことがない。とりわけ真ん中の現場は完全に穴目予想となっているが、私はだいたいダービーを買っていたのでダービーについて述べると、印がついている選手を適当に散らして買い、それをボックスさせて買っていた。すると、全く当たらないということにはならなかった。損はしてもわずか。さらに、ダービーの印のおかげで3回ほど万シューを取らせてもらったことがある。
関西の多くのファンは、研究かダービーを熱心に見ている。いい加減な印のつけ方をしやがって、という人も中にはいるものの、それはある種、いい意味で捉えている場合が多い。
小倉にあった、キングという専門紙だが、データの中身はお粗末であったが、こちらも本線と穴目という二本立ての印をつけており、私は2回ほど利用したけど、これまたいい思い出をさせてもらった。でもキングの社長が急逝し、廃刊を余儀なくされたとか。
お馴染み、コンドルについては、私は非常に相性が悪いが、こちらも熊本競輪場の客の概ね半数以上が持っているという人気専門紙である。一方、熊本には読売という専門紙があるが、コンドルがあの社長の印しかないのに対して、3通りほど掲載されている。ま、コンドルと較べると持っている人は少ないが、コンドルとは違って、穴目の予想も掲載されていることから、むしろ車券戦術を考えるにはこちらを使ったほうがいいかもしれない。コンドルは「読み物新聞」としては面白い。あと、武雄と佐世保で発刊されいるホープも穴専門の予想紙で面白い。
広島は5紙ほどが鎬を削っているが、中身は各紙ともマチマチなようである。しかし、広島の競輪ファンってそれほどいるとは思えないのに、それだけの専門紙があるということは、それぞれに固定客がついている証拠ともいえる。
思うに、相対的に見ると、競輪については東海から西方面のほうが中身は充実しているようである。但し、四国にはろくな専門紙がないという声もよく聞かれるが。
対して、関東以北はもう一つ物足りない。中身が物足りなければ、客はまず買わない。潜在的な需要はあるはずだが、掘り起こせていないといえるのかもしれない。
一方で、競輪ファンというのは、己の信念を曲げない人も少なくないけど。でも、信念だけで通用するほど、車券戦術は甘くない。だからこそ、専門紙の充実が必要だと思うのだが。
ま、競輪はそれでもまだマシなほう。競艇の専門紙といえば、今や「崩壊状態」である・・・