大阪での毎日

整形外科の仕事&「職」ではなく「食」へのこだわり

日々患者さんから教わること

2011年10月24日 | 仕事
先日、80歳代のおばあちゃんの手の骨折の手術をしたんですが、もちろん骨粗しょう症が必須で、
骨をねじで止めようにもぐすぐすな状態で、でも、どうにかきれいに骨折を整復して
プレートとねじで固定。

元々の骨の状態も骨折の状態もよくなかったので、ほかの患者さんの倍ほど長く外固定(ギプスのようなもの)も
しました。
外固定をはずして3週間経過し再び来院。

レントゲンをみて
私「が~ん!骨折、ずれている!!」

で、よくよくおばあちゃんの話を聞いてみると
自転車乗ってる?!
プール行ってる?!

私:「プールから出るときって手すりもって階段よじのぼってますよね?」
おばあちゃん;「え~ まあ・・・」

なんか、あかんかったみたい?と気づいたのか、

おばあちゃん;「なんか先生がせっかくきれいに治してくれたのに、悪いことしたな~」
私:(私に気づかうんじゃなくて・・・ 手に気遣ってほしいわ・・・とほほほ~)

あ~ あれだけ、手に体重かけたらだめ、重いものもったらだめ!と説明しているのに、
所詮、一人暮らしのおばあさんにとっては、
手に体重かけたらだめ、重いものもったらダメ=自転車はあかん、プールの階段あかん、
とはならないのか~

私があまりにも悲しそうな顔をしていたのか
おばあちゃん:「自転車はね、本当に乗ってるんじゃなくて、またがって、足で蹴ってるだけなんですよ~」
私:(足の問題ちゃうねん・・・)

幸い、患者さん自体は手の痛みがないらしく、ほっとしますが。

あ~でも、「治療をする」ってことは患者さんの行動をそこまで見抜いて治療をせなあかんってことやね~
今日も患者さんから大切なことを教わりました。