7時10分前に犬の散歩に出掛ける。今日は金曜日。
大きな川の合流地点を少し遡った所までのコースを歩く。曇っていて無風。霞んでいるが細かな水滴が浮遊していているのだろう。これまでと違いしっとりしている感じである。露が車にも草草にも降りていた。一部は薄い霜だったかもしれない。
国道を渡り、踏切を横切る。下りのヂーゼルが駅に入って行って、遮断機が上がったばかりであった。
東上して大型の商業施設群に至る。しばらく行って左折して川沿いを歩く。カモが多い。シラサギも見かけた。突然、羽音がした。ンバタバタと。犬はさっと振り向いた。カモが羽ばたいていた。退屈紛れにやってみたのだろうか。それとも内なる衝動に突き動かされてのことなのだろうか。そろそろ北に帰る予感でもあるのだろうか。一種の武者震いのようなものかもしれない。
例によって犬は枯草に首を突っ込むが、その枯草をよく見ると枯れ草色の葉の中心の方に緑の葉が何本も伸びていた。まだ、枯れ草色の葉の方が多いが、間もなく逆転するだろう。
合流地点を少し過ごし、橋を渡って引き返す。右岸を歩く。右手は田である。ヒバリが空で田で囀っていた。
昨夕の事があって犬の行動は少しは変わっただろうか。変わったといえば変わった、変わっていないといえば変わっていない。まあ、急に変わるというのは無理というものだろう。総体的には少し引っ張らなくなったかなと感じる程度である。
暑くて堪らなくなった。額に汗がにじんでいるのが分かる。上は3枚で上着は薄いものだが、防寒機能性があるようで暑いのだ。家に帰って、脱いだら裏側は背中、両腕の部分が汗でべっとりとなっていた。
8時に帰着。
昨夕の散歩について
4時過ぎに犬の散歩に出掛ける。
降り続いていた小糠雨もようやく上がったようである。
公園、グラウンドを通って海岸に向かう。浜に降りる。久し振りに島島が見えた。雨がPM2.5を地面に落としたのだろうか。PM2.5は肺に入らなければ大丈夫なのだろうか。
南に向かう。防波ブロックに伸びる砂州が復活していた。そこには鳥が歩いた足跡がたくさん残っていた。3本指のものが目立ったがカモメのものであろうか。
トビが砂浜に降りるのかと思ったら着地せずにビニール袋を足に引っ掛けてふわりと上昇したが、すぐにビニール袋を放した。ビニール袋はゆっくり落ちて行った。
砂浜でカラスが食事をしていた。様子はよく見えなかったが、まあ、あまり見たくもないが、他のカラスがやって来た。遠目で見ている。カラスも他の動物同様上下関係が厳しいらしい。この世界はうかうかしては生きてはおれない。足元を掬われるからである。
5時10分前に帰着。庭で犬は何かを咥えた。吐き出させようとするが、犬は横を向いて嫌がる。
しゃがんで正面から「駄目。」と言って口に手をやろうとすると、ウウウと唸る。絶対に口を開けようとしない。
果たして、この犬は私を噛むことが出来るだろうかと思った。「駄目。」と厳しく言って口を開けさせようとすると、顔をそむけ、また唸る。背中のお尻の方を3,4回叩いた。
久し振りに本気になった。しかし、言うことを聞かないので諦めた。
いつもは先に犬に夕食を食べさせて、その後に自分が食べるのだが、今日は自分が先だ。食べた後、北の家に行く。コッペパンを持って行かずに、また、犬が寄って来ても知らなん顔をする。あたかもいないかのように。本気になっていることを示すことが大切なのだ。5カ所のカーテンを閉めて行く。
玄関に口に咥えていたものを放り出していた。何かよく分からないが黒味がかった乾燥したものである。取り除いて掃除をする。
犬は私の態度がいつものと違うのを察知して甚だ神妙な素振りである。
伏せをする。言ってもいないのに。
知らん顔をして南の家に戻る。コッペパンをオーブンで焼く。
北の家に手ぶらで行く。犬は玄関でじっと待っていた。こちらへは来ない。餌も何もないのに、お座りと伏せを繰り返させる。
強い声でお座り、伏せと言う。随分、お腹が空いていることだろう、可哀想に思いながらもお座り、伏せを繰り返させた。もう、良いだろう。
南に戻り、コッペパンに鶏の骨を付けたものを持って北に行く。犬は狂喜しなかった。冷静で沈着だった。玄関の土間にじっと座って待っていた。飼い始めた頃の犬に戻ったような気がした。結局、随分甘えさせてきたのかもしれない。
餌を黄色の餌皿に入れて、「よし。」と許可して食べさせる。食べるスピードは変わらなかった。あっという間に空である。
明日から何か変わるだろうか。