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6月も晦日。実は1年前の今日、この犬は家に来た。知人から預かるという形で。そして、1年がたった。
雨上がりの朝の散歩。立ち止まって、エノコログサの葉を食べている。イヌムギの葉しか食べないのかと思っていた。いずれにしてもイネ科の植物である。この槍のような草をバッタも好んで食べる。美味しいのか。虫に味覚があるとも思えないが、栄養は豊かなのだろう。犬にとっては薬らしい。胃腸の調子があまり良くないのかもしれない。
風で畔の草が靡いている。東風のようだ。と思ったら、南に変わった。犬はあちこちに行きたがる。その場その場で行く方向を決めているらしい。やはり、鼻をきかせているのだろう。坂道を上って、また、下って、元の川べりの道に出た。坂の上に電柱があり、ふと見上げると、病院と表示があった。はて、この近くに病院があったろうか。思い出した。子供の頃、あったことは覚えているが、今もあるのだろうか。海水浴という表示の電柱が家の近くにあることは以前記したが、そこの海岸はもう海水浴場ではなくなっている。このズレが時間の流れというものを感じさせる。十分時間がたったのである。何でも変わっていくことの一つの証明である。自然の中で文字を見ると安心する。昔、一人で山に登って、何時間も道なき道を行き、やっと何かの表示板の文字を見た時、ホッとしたものである。その頃は活字中毒で元の世界に戻れてよかったと心から思った。
また、別の山に行き数日して戻ったが、その時は、道路や車を見ても、戻ったという感じがしなかったが、軌道を見て、よし、良かった、帰れたと嬉しくなったことを思い出した。
先週だったか、ウナギ釣りを見たのは、その現場に到着した。川は浅く釣り人がいるはずもなかった。あの釣り人たちは、あの事を一生覚えているだろう若さだった。
市の施設の敷地を建物の方に向かっている時、雨が降り始めた。何ということだ。あと20分くらいで家に到着できるのに。外のトイレで待つ。5分位待つが、空が明るくなったように見えたし、待つことの意義をあまり感じられなかったので、出発した。雨は依然として降る。人の気など知るはずもない。無情で良いのだ。犬には気の毒だが。でも、その犬も雨には頓着せず、道草を食う。
汗と雨でティシャツがかなり濡れてきた。寒くはないが、最近はいつもべとべとである。皮膚が極端に弱いので弱る。