6時20分に犬の散歩に出掛ける。今日は日曜日。
海岸道路を南下して礫岩広場に行く曜日だが、グラウンドで2匹の柴犬を連れた人が海岸に向かったので我々はいつもとは逆回りで海岸道路に向かいながらも犬に引かれて高架道路の歩道を上り始めた。西側である。
北バイパスの進入、退出の道が分かりにくいので調べたくもあったし新しい道は歩いてみたいものだ。
しかし、犬は登りがきついのか立ち止まったり後ろを振り向いたりした。前に進む決断がなかなか出来ないようなのだ。早くもハアハア言っている。確かに朝というのに少し暑い。それでも犬は戻るのを諦めたのか前に向かって歩き始めた。
進入路について一つ分かったのは、北向きの一般道からバイパスの南行きに入る道があれだということだ。あれだというのはバイパスを南に向かっていて矢印で誘導している道の用途が不明だったものだ。
犬は新しい舗装の上に頭をこすりつけた。逆立ちするかのように。それを2度した。そばにミミズの死骸があったのでどうぞ触れないでと思った。大丈夫だった。水がかすかに流れている壁があった。土砂か葉のクズが薄く覆っている。塀の壁ならナメクジだらけのはずだが、この壁にはナメクジは1匹も見かけなかった。ナメクジは案外、人の住む環境に馴染んでいるのかも知れない。ここに来て、急に何十年もの前の体験を思い出した。大山の麓だったと思うが、それは大きなナメクジを見たものだ。大き過ぎてとてもナメクジとは思えなかった。ステイキに出来る程のものだった。野生のナメクジだ。
一般道に下りた。ちょっと懐かしい感じがした。昔ここを散歩の通路にしていたのだ。右に登れば中学校がある。反対に左に折れてトンネルを下る。
この辺りはウグイスの宿があるのだろう、囀りがよく聞こえる。よく聞くと鋭い声だということに気付く。語尾変化に耳が引きつけられる。ホーホケキョイ。ホトトギスは聞こえなかったが、こちらの囀りはおっとりしている。
道端に小さくて固そうなイヌビワの実が落ちていた。犬は一瞬に鼻を付けて通り過ぎた。
左手に野イチゴの赤い実があった。盛り上がって上の方が少しずれて崩れているように見えた。
ユニフォームを着た野球部員の子供が挨拶をする。中には直立不動になり最敬礼をする子もいた。出会う子は皆、挨拶をした。後で思ったが皆、1人ずつであった。2人連れや3人連れの子供はいなかった。何か訳があるのか、偶然なのか。
7時5分に帰着。
昨夕の散歩について
4時35分に犬の散歩に出掛ける。犬はそれまで階下で吠えるなどの散歩の催促はしなかった。雨が降っているのが分かっているからだろう。北の家に行って玄関の解錠をし小さな手提げ袋を取ってくるのに、いつもは付いて来るのに全然反応が鈍い。
雨は大したことはなかった。犬は参道の黒松並木の根元で早くも糞をした。或いはこれで帰るべきだったかも知れない。
公園の照明は点灯していた。グラウンドに行き南西の出入り口に向かう。この頃から雨が本格的に降り始めた。見る間に全身が濡れてきた。薄い布地のズボンはピンク色になった。犬もかなり濡れた。雨に濡れたというより水中に入っていたという感じだ。
これ以上行く必要はない。戻ろう。
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午後、ミュージアムセミナーの講義を聴きに行った。「古代の集落と生活」と題された講演だった。
驚いたのが発掘された木簡によってかなり具体的な内容が分かることだ。送られてくる請求書や領収書を見た感じだ。だから全体にどう位置付けるのかなど広がりについては困難な点はあるようだ。
古代のロマンということをよく聞くが、みんな現実的に生きていただけなのだ。当時も今も。むしろ古代の方が生活は厳しかったはずだ。そしてそれは当然、人に対してそう対処することになる。租庸調などの税、兵役、雑役などのためぎりぎりの生活だったことだろう。
そういう観点から古代史を改めて読んでみたいと思った。
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犬は何度も全身をブルブルと振るわせるが、はね飛ばした分の水はすぐ降る雨によって補給された。
4時50分に帰着。2枚の布でまず犬の全身を拭い、それからバスタオルで拭いた。犬は恰ももう大丈夫とばかりに向こうに行く。こっちへおいでと言ってもなかなかやってこない。口笛を吹いたりするとようやく戻って来た。しっかり拭いてやった。