犬の散歩

見たこと、聞いたこと、感じたこと、思ったこと

ある事件の前後

2015-03-27 07:39:28 | 日記


 6時25分に犬の散歩に出掛ける。今日は金曜日。

 大型の商業施設群の手前で左折して大きな川を渡り川沿いの道を下って帰る。天気は良く微風がある。遅霜が降りていた。寒いという感じはしない。

 ・・・
 真夜中頃だろうか、犬のバウに起こされる。リードを付けて犬を庭に連れ出す。南庭で小用を足し北庭で糞をした。

 しばらくするとまた犬がこちらに向かって、おそらく2階に通じる階段に足を掛けて吠え始めた。アアと溜息である。
 下に降りて犬の様子を見るに外に出たいようでもない。絨毯に座りおいでと言うがやってこない。また、吠えられるのは堪ったものではないと思い、1階の和室に布団を敷いて寝ることにした。
 すると犬は和室に入ってきて私の側に来て顔を舐め始めた。それから頭である。何かの代償行動なのだろうか。私の機嫌を取っているのだろうか。かなりの時間、丹念に舐めていた。私は眠いのもあり放っておいた。顔を舐められるとくすぐったい。
 大分経ってから犬は私の足元の布団の上で寝た。私と反対の向きに。

 5時前に起床し朝食をとる。オレンジ、バナナ、リンゴ、プルーン、ヨーグルトを食べ野菜ジュースを飲んで食パンを焼いている時になって犬は出て来た。
 いつものように初めましてという雰囲気で恥ずかしそうに恐る恐るやって来る。そして膝の下を何度か体を擦らせて潜る。そしてそばに伏して、しばらくすると寝所に戻る。そして、頃合いを見計らって、つまり、トーストが焼き上がる頃、再び登場する。においで分かるのだろう、自分の朝食が近いと。しかし、それまでには実はまだかなり時間がかかるのだ。食パンを食べながら牛乳を飲み大豆乳を飲みココアを飲む。
 ・・・

 犬はいつもと同じ行動、態度をとった。においに引かれ常に引っ張り力強く歩いた。

 7時半に帰着。




 昨夕の散歩について

 4時10分前に犬の散歩に出掛ける。

 北の門から参道に出る。
 昼前に参道の黒松並木の根元の草を引いた。参道に面した我が家の守備範囲は黒松3本の根元ということになる。今、生えているのは主にスズメノカタビラだ。既に種子を付けている。午後、北庭の草を抜いた。ここもスズメノカタビラが主でハコベが加わっている。

 北東の出入り口から公園に入ってすぐに向こうから来る人がけつまずいたが大丈夫だった。
 大丈夫ですか、少し段差があるようですがと声をかけたことによってしばらく会話が続いた。
 50年間車に乗っていたが、もう80も近いので出来るだけ歩くようにした。シーモールに行く時、ここからバスが出るけど駅まで歩いて行くようにした。速いし安いし安心だしとのこと。
 話の内容は兎も角、よく話す人だと思った。話しやすいと思われたのか。
 犬を見ておとなしいでしょうと言う。
 犬の散歩は犬の為でもあるし人の為でもあると言う。

 公園やグラウンドで子供たちが楽しそうに遊んでいた。春休みに入ったらしい。

 このように幸先の良いスタートだったのだが、一気に暗転したのは海辺のカフェの駐車場の横から浜に下りて北に向かい大きな川が近くになった時だった。

 犬は打ち上げられた藻の下を片足で掘り始めた。砂地なので簡単に掘れる。また、犬の悪戯心でそうしているのだろうと思ってにこやかに見ていたが、穴は次第に深くなり鼻先が見えなくなって再び見えた時は口に何か細い物をくわえていた。それは明らかに何かの動物の脚か腕の骨だった。場所からいって鳥類だろうと思った。全長で30cmはある。太い関節を噛んでいる犬の口がゆがんでいる。その関節から比較的太い骨が10cm位横に伸びそれから90度曲がって2本になった細い骨が20cm位伸びている。
 何ということだ。これを食べて病気になったらどうするんだ。そのうち放すのではないかと楽観的予想でいつものコースを歩いた。突堤の先にも行った。突堤から降りて猫がいる側にも行ってみた。猫を見て興奮して口を開けるかも知れないと思ったからだ。
 こういう時に猫がいても犬には何の関心もないようだ。私は自分の浅はかな考えを恥じずにはおれなかった。犬にとって現物が最優先だろう。
 状況は変わらない。
 この前、ハリセンボンをくわえた時は室内に入れたのでたっぷり時間をかけて賞味させてしまったが、今度は玄関のポーチのピラーに繋いで鶏の骨付き肉と交換させようと考えた。
 砂の上の板を拾って骨を押さえて外させようとしたが犬の歯にしっかり食い込んでいるようだ。
 海岸を行ったり来たりして犬には駄目、絶対駄目と繰り返し言った。が、すべては絶望に帰した。ええかね、餌をやらんよ。駄目である。

 グラウンドの横を過ぎ公園の横を過ぎ中道に入った。先に若い柴犬を連れた人の姿が見えた。追い付きたくない。向こうが後ろを振り向かないで欲しいと思った。こういう状態を見られたくないのだ。以前もあったし。
 その人は後ろを振り返った。で、近寄って挨拶をしたのだが、すぐに犬の口にしている物に気付き口から出ている部分を引っ張って取ってくれた。木の根かねと言う。

 まだ残っているので引っ張ろうとすると犬はグウウウルルと唸る。目の白目の部分は充血して赤くなっている。それでも引っ張って口から出ている部分は取り出すことが出来た。口中にある物はもう無理だろう。
 家に着く前に犬はボリボリと噛んで食べてしまった。やはり動物の骨である。

 4時40分に帰着。
 いつもと違う態度を取った。北の玄関に入れず南の玄関のピラーに繋いで知らん顔をして如雨露に水を入れ門の外の花壇に水をまいた。キンセンカ、パンジー、ナデシコ、チューリップが咲いている。
 それから北の玄関に入れる。普段だとすぐに食パン半枚を焼きスライスチーズを載せて北の玄関に向かうのだが、金魚に餌はやったがオーブンのスイッチは入れなかった。
 犬が吠えている北の家に通路を通って手ぶらで行く。そこにいる犬を無視して玄関の施錠をしたりカーテンを引いたりした。そして犬を無視して南に戻った。
 犬はさっきの犬の行動と今の私の態度との間に何か関連性を見つけることが出来ただろうか。
 また北の家に行ってみた。様子を見る為だ。犬はいつもは戸の側で待っているのだが、廊下の少し奥にお座りの姿勢で待っていた。神妙な表情をしている。反省しているようには見える。が、それは自分の行動に対してではなく、私の態度に対する反応のようにも思える。
 声もかけないし頭もさすらないししっかりと見もしなかった。再び南に戻る。
 ようやくパンを焼く。いつもより10分位遅れて持って行く。犬は同じ位置にお座りをしていた。健気な表情をしている。ご主人様に敬意を表してという感じがした。珍しいことだ。

 玄関に行き餌をやる。
 済んだらいつものように南の家に連れて来た。