「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「蛇の目傘」

2008年10月23日 | 季節の移ろい・出来事
しぐれが音もなく降り続いている。時雨と書く。秋から冬にかけて、降ったり止んだりする雨で、間もなく冬の訪れを告げる季節の便りでもある。俳句の世界では、冬の季語となっている。

外国の人からみれば、日本語は難しいと思われるだろうなと思う理由の一つに、雨一つをとっても季節や時季によって色々呼び名がある。
それらを全て、解釈・理解しようとすれば無理があるだろう。「雨が降る」の一言で片付けられないわけではない。

ただ、我々日本人の心の中には、やはり先人の知恵や伝統を重んじる心意気がある。それが、たかが雨一つと言えども呼び方を大切にし、しかも季節感を言い表す端的な方法として重宝している。

今降る雨を しぐれ もう少し先で雪交じりの雨を 氷雨 と言う。年が明けて梅をほころばせ、桜のつぼみをふくらます雨を 春雨 次に菜種梅雨 そして さみだれ 梅雨 夕立 秋雨・・・と続いて一年を巡る。

細かく分類すればもっと増える。それぞれの呼び方によって、雨の降り方が微妙に異なることを、なんとなく身につけて知っている。それが、短歌や俳句などの季語として、また詠まれる内容としても大事に扱われている。

短歌や俳句をたしなまない私のような凡人には、しぐれと言えばその昔、NHKのど自慢で、参加者の3分の1が歌ったと言われるほど、空前のヒット曲となった ♪ 旅の落ち葉は しぐれに濡れて 流れ果てない ギター弾き 望みも夢も はかなく消えて~~…♪と歌われた、「落ち葉しぐれ」を思い出す。

この歌のように、しぐれは、どちらかと言えば、暗い背中を物語る世界へ引き込まれる。
もう一つ言えば、しぐれは和傘の蛇の目がお似合いである。
小さなこうもり傘で肩を寄せ合うのもいいが、やはり蛇の目傘の竹の柄にそーっと手と手を添える風情はもっといい。
そんな夢でもみて、早く寝ようっと……。

         ( 写真: 独断と偏見の犠牲になった 蛇の目傘 )
コメント (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「しらたまの…」 | トップ | 「渋柿や…」 »
最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
蛇の目傘 (takeko)
2008-10-24 02:08:46
ヤレヤレ日本語は難しい!日本人とアメリカ人の半々な人間になってほんまにつまらん人間になったよ。今日もお勉強ありがとう。どれだけ覚えておけるかねー??。
返信する
絵日傘 (豚猫)
2008-10-24 07:34:49
少こーし前、いやも少し前、うーん昔々学芸会で螺旋の入った絵日傘で踊ったの思い出しました。なにせハンドルネームからのとうり「しっぽり」には縁遠いのですが心に女らしくは残しておきたいです・・・。
返信する
川柳おすすめ (anne)
2008-10-24 08:41:10
川柳か短歌か俳句をお勧めしますよ。
言葉に敏感なYさん・

最近、腹話術のできる人に出会いました。

歌って、その合間に腹話術ですよ。すごいですよ。
返信する
春には春の、秋には秋の… (kei)
2008-10-24 18:07:19
楽しい夢は見られましたでしょうか…

「心なき身にもあはれは知られけり…」 ではありませんが
少し寂しげに、でもしめやかに降る春の雨、ひと雨ごとに暖かくなって、そして命あるものには恵みの雨ともなり、冬の到来を予告するしぐれの冷たさ…
こうした諸々の感覚を表現する言葉があること自体、まったくもって賞讃に価すると思いますね、日本語は。
それへの鈍感さがもったいないと思いつつ暮らしていますが。
「季節」は様々に身にしみるわけです。

あのー、私は「落ち葉しぐれ」を知らないようなのですが…

返信する
takeko bussellさん (yattaro-)
2008-10-24 21:30:17
なんのなんの、武ちゃんはそちらでの生活の方が長いのに、色々古き良きことをちゃんとここ得ていますよ。

それにしても日本語は難しいね。でもそこに奥深い味わいがあるのかもね。
返信する
螺旋絵日傘の美少女さん (yattaro-)
2008-10-24 21:41:10
学芸会…忘れかけていた?懐かしい響きです。
これは、少ーしと言うかもっとと言うか、ついこの前の話ですよね。
螺旋絵日傘に可愛い振り袖…やっぱりハンドルネーム替えましょうよ。ラビアンローズ、ハニーローズ、プチキャッツそれとも みすずかわ こんなの如何??

蛇の目でシッポリ…ええですねー!!
アナタは生涯、オンナなのですから…。
返信する
俳句ねー anneさん (yattaro-)
2008-10-24 21:46:31
言葉は少しは操れますが、残念ながら絵心が全くないんですよ。
目に映った瞬間を「絵」として捉えるのがねー。今一です。
返信する
よくぞ日本人に…kei さん (yattaro-)
2008-10-24 22:02:11
そうですね。日本語って難しいながらも、諸々の感覚を表現する言葉があることは楽しいことですね。
鈍感どころか、季節を・季節の言葉を見事に身にまとってお暮らしですよ。
ただ、「落ち葉時雨」をご存じないと??当時は真面目一筋の向学少女だったのでしょうか。

かの有名な作曲家・吉田 正門下生の筆頭として昭和30年代の歌謡界を代表する、抜群の歌唱力と憂いを帯びた美声の持ち主“三浦洸一”の代表曲です。思い出して下さい。これを分かって頂かないと、昨夜のブログはパーになってしまそうです。トホホホ…。
返信する
だって… (kei)
2008-10-24 22:36:56
30年代、だって私は小学生!
パーにしてしまうのでしょうか…そんな~トホホホ…

三浦洸一は知っています。歌を聴けば、聞いたことあるなとわかるかもしれませんね。yattaro-さん、聞こえるように歌ってみて下さいませんか?
返信する
そう言えばそうですね。keiさん (yattaro-)
2008-10-25 08:53:23
そう言われてみると、小学生で「落ち葉時雨」はちょっと……でしたね。
ヨーシッ、思いっきり大きな声で……。でもこの声ではねー。千里を渡る澄み切った声に生まれ変わりたいですね。
ちなみに、30年代前半は、中学・高校を駆け抜けた頃でした。
返信する

コメントを投稿

季節の移ろい・出来事」カテゴリの最新記事