「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「夏休み、作文材料」

2020年08月19日 | 家族・孫話

         

夏休みの恒例行事として孫達から毎年1回は、ふる里の川にハヤ釣りや水遊びをせがまれる。
今年はコロナ禍で短い夏休みなので、広島に住む姫孫はついに実現しないまま終わった。近くに住む小5のアウトドア派の代表みたいな孫君は、なんとかやり繰りして今日やっと、あの炎天下を厭わずハヤ釣り道具や弁当、飲み物を積み込んで、1時間ばかりクルマで走った。

着くが早いか上半身裸で釣り竿持って川に入りハヤを釣り始める小5君。一旦呼び戻してライフジャケット(救命胴衣)を着せ、ゴーグルを頭につけさせて「ゴーサイン」。鵜飼いの鵜がアユを求めて水中に潜るのと同じような勢いでハヤを釣り始める。2匹、3匹上手に釣り上げる。

ふと目をやるとそこには、豪華な釣り竿や、値の張りそうな生け簀や釣り上げた魚をすくう網などが置いてある。「これはアユ掛けに来た人の高価な道具に違いない。近寄らないように」注意してハヤ釣りを続けていたら、かの豪華道具の持ち主が上流の偵察から帰って来た。本当はここでアユ掛けをするつもりだったようだが、孫君は泳いだり川の中を駆け回ったりしてのハヤ釣りなので、アユなど追い払ってしまったようだ。気の毒ではあったが、ここは私たちのふる里だから、と大目に見てもらった。

詫びの気持ち半分に、先ず道具を褒め、アユ掛けの魅力などを訊いているうちにすっかり仲良しになった。「ボク、アユ掛けを教えてあげよう」と、思いがけない提案にすぐに乗っかる小5君。「アユの友掛けはね、こうして・・・・・・」と、生きのいいアユを生け簀から出して、頭のあたりを釣り糸で上手にくくり、その周囲に針をつけて「こうして泳がすんよ、縄張りを取られんように、この川のアユが攻撃してくるのを引っかけるんよ」。漁法とテクニックをうまく説明して、あの高価な竿を持たせ、「こうして流れに逆らいながら右に左におとりのアユを泳がせるんよ」と教えてもらった。

   

「この子はスジがええよ」と何度も褒められながらがんばった。しかし、アユも素人の手に掛かるほど甘くはない。残念ながら掛けるところまでは至らなかったが、夏休みの作文の材料にはとっておきのものとなった。姿といい恰好といい、随分な投資をした職人肌で、一見気難しそうなおじいさんだったが、道具褒めが効いたのか、まさしく初めてのアユ掛け体験までさせてもらう幸運に恵まれた。

暑さとコロナ対策で家にこもるのもいいが、三密を避けられる場所なら、思い切って出かけてみるのも悪くない。何より、孫君の宿題の手助けが出来たとなれば、ジジの面目躍如である。
それに、好奇心のカタマリのようなこの時期に一つの新たな体験は、偶然の出会いに心から感謝である。

コメント (2)
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