「オ~イ!これは内緒の話じゃが、バチ鍬は小屋の後ろへ隠しとけーの~」と、遠くの畑で仕事をしているカミサンに向かって、お爺さんが大きな声で呼ばわったとさ。
こんな、落語家の枕のような笑い話も残っているが、本当の内緒話は二人っきりの耳元で囁くのがいいのだろう。
♪ ないしょ ないしょ ないしょの話はあのねのね
にこにこにっこり ねえ母ちゃん お耳へこっそりあのねのね
坊やのおおねがい きいてよね ♪
自分だけが仕入れたネタで、まだ他の人に知れ渡っていない内緒の話は、とかく誰かにしゃべりたいものである。特に口さがないオバサマ連にかかったら「ねえねえこれ内緒ないしょの話よ、誰にも言わんとってね・・・」と言いながら、あっちこっちで内緒の話を吹聴する。その時点で内緒の話はどこへやら、あっという間に皆に知れ渡る・・・。
そんな心境を五七五にまとめてみた。図らずも毎日新聞、仲畑流万能川柳に掲載された。
“ これ内緒 あっちこっちで これ内緒 ”
時に世の中をはすかいに眺めてみる、やぶにらみをしてみると意外に面白い発見があることもある。気付かないこともある。
ただ、こういった罪のない内緒話の吹聴は愛嬌があって許されるが、人をおとしめるような毒のある噂話は心に留めて伝播を抑えるのが大人の知恵であろう。
回覧板の如く即座に隣りに回さない方がいい。
お耳へこっそりあのねのね・・・ これぞ内緒話の真髄であろう。
閨の秘め話もその一つという艶っぽい内証話もあるとか・・・。