「おいでませ山口国体」に合わせて、10月1日~10日まで、岩国のシンボル錦帯橋が黄金の輝きを見せている。しかもこの間毎夜花火が打ち上げられるという。
これを逃してなるものか。
深秋の落ち着きの中で、黄金にライトアップされた錦帯橋を、かつ眺め、かつ渡り、そして仕上げは第三橋の最も高い位置から花火を正面に見る贅沢を味わった。
それなりの実力と感性で、あっちからこっちから撮りまくった。
あっという間に30枚近くシャッターを押した。中には数枚お披露目に叶う出来栄えもある。ということにして今回は、横山側つまりお城山側から、岩国を向いたこの1枚をご覧頂くことにした。ヘタな鉄砲の1枚と思し召されて結構である。
黄金ライトアップも、連日の花火打ち上げも、ひとえに国体関係者へのおもてなしの心意気である。花火打ち上げの8時前には、近くのホテルの浴衣を着た宿泊客が、三々五々集まってきていた。ただその割には、花火は毎夜20発。ライトアップの黄金はやや控えめ、と緊縮財政のあおりを感じさせる一面もあったように思う。
足音高く渡っている途中で何度も「じいちゃん、きんたいきょうは?」と尋ねる悠雅くんの手を引きながら「今、錦帯橋を渡っているんよ」と説明してもついに納得はいかないまま。河原に降りて、小石をポッチャンと投げ始めてやっと「おおきいね~」と錦帯橋を見上げながら、偉大さをわかってくれたようだ。
露店も完全店じまい。コインの一つも使わずじまい。
夜空に映える錦帯橋以外は明るさもない深みゆく秋の夜、吹く風が身にしみた。