「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「半世紀前の暑い夏」

2009年07月31日 | 思い出話
高校野球山口県大会。地元岩国商業高校は惜しくも決勝戦で、甲子園の夢を絶たれた。応援したのだが…。
汗と泥にまみれ、鬼の形相で白球を追う彼らを見ていると、かたちこそまるで異なるが、ちょうど半世紀・50年前の熱い夏を過ごした自分の姿と重なる。そして、何かしら釈然としない思いが、今も鼻の奥の方に残っている気がする。

高校3年の夏休み。大げさに言えば、人生最後の長期休暇…などと思って遊び呆けていたんだったかな…。
7月終わり、担任の先生から呼び出しを受けた。クラスで3人の男子が顔を揃えた。「M君は○○証券・K君は○○重工・Y君は県内の○○銀行へ就職試験の推薦が決まった。今年初めての大企業推薦だから、後に続く者の手本になるよう準備をしなさい…」と告げられた。天にも登る心地!!

「エッ、オレが銀行マン??」一気に夢は広がり、夢想空想に明け暮れた。唯一兄が、「銀行マンはただのお酒は絶対に飲むな、たとえ一滴たりとも自分のお金で飲め……」と諭された。「まだ決まったわけでもないのに…」と思いながら、お金を扱う仕事の側面をかいま覗いた感じ。

大勢いる中で運良く一次試験合格、これは意外といえば意外な出来事であった。二次試験面接。こちらは、一次試験より得意な分野。兄から譲り受けた、よく目立つ“GoingMyWay”と書かれたバックルのベルトで臨んだ。案の定、「それは君の気持ちか…」などベルトに関する話。とうとうと答えた。

二次試験合格、次が厄介な身元調査。貧乏にあえぐ家庭、近所の評判もバツグンではない。最後に我が家にやってきた。尾頭付きのお刺身・おふくろ自慢の岩国寿司・レンコン料理などなど、たらふく召し上がって頂いた。「ヨーシッ、感触OK」と、ついつい思いたくなるのが人情というもの。

ところが、岩国支店採用はたった1人だけ。残ったのは2人、相手は某生命保険岩国支店長のセガレ。そこで勝敗は決まった。賠償能力・資産価値の相違は明らか。半ば納得の敗戦承認。ところがその時はすでに秋半ば。大企業・優良企業の就職試験はほとんど終わっていた。「君は銀行に決まりと思っていたからねー」などと就職担当の先生から慰められたが、後の祭り。

残っている中小企業の推薦を受け直し。なんとか胸を張って卒業はしたものの、ちょっとねー。3年あまりがんばってはみたが、同じ汗を流すのなら「寄らば大樹の陰」方向転換を自ら選んだ。 

色んな思いが交錯する7月の終わり。遠い昔の出来事ながら、暑い夏になると、ついきのうのことのように思い出す。熱い熱い夏、青春の1ページ。 こんなこと・あんなことがあって今がある。

書きたいことは山ほどある。全て詮無きこと。

コメント (14)
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