「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「文豪のふるさと」

2009年03月27日 | 季節の移ろい・出来事
岩国で生まれ、青春期を岩国で過ごした“文豪 宇野千代”。
作家自らの手で植えられた「薄墨の桜」が、生家の庭に、今を盛りと咲き誇っている。
訪れた一昨日は雲一つない澄み渡る空。その青さと白い花びらが見事に調和し、思わず唸るほどの美しささであった。

明治30年(1897年)、錦帯橋にほど近い川西という田舎町のこの家で誕生した。
現在も生家を訪れる人は後を絶たず、NPO法人として手厚く保存されている。

ここで小生如きが説明を加えるまでもなく、その作家活動・事業家・デザイナー等々、当時の女性先駆者としての活躍や、当代超一流社会の人々との交流などは、先刻ご承知の通りである。

宇野千代と桜の結びつきは、ふるさと岩国で過ごした少女時代の錦帯橋でのお花見がその下地になっているという。こよなく桜を愛する宇野千代に、岐阜県根尾村にある樹齢千数百年と言われる薄墨桜の話を聞かせたのが小林秀雄氏であった。

宇野千代が実際に訪れたのは1967年で、その老木は瀕死の状態にあった。それを、行動的かつ旺盛な生活力で、樹木医チームを編成し見事に再生させたという。その根分けをして、故郷の生家に植え付けて32年、見事な薄墨桜のお花見を楽しませてくれているのが、その時の根尾の老樹「薄墨桜」の分身なのである。

多くの著書の中で特にお気に入りは、人生の幸福に関する記述である。何度読んでも、いつも爽やかな読後感・ささやかな幸せをもらった感じにさせてくれるのは不思議である。

自分に正直に、くよくよふり返ることなく前を見て、時に女としての自分の魅力にウットリする……その生涯を“可愛いおんな”で通した天衣無縫な人生観。私の人生に大きな潤いと、大きなヒントを投げかけてくれた、と思って大切にしている故郷の文豪である。

書きたいことは山ほどある。一晩二晩かかりそう…。だからここで留め置く。
もしも宇野千代についてお知りになりたい向きには、HPアドレスを記しておきます。

 http://www.ne.jp/asahi/unotiyo/kensyoukai/

      
      ( 写真:真っ白な見事に咲いた薄墨桜と千代さんの面影 )    
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

横幅を広げる

一行の文字数を増やしたい