「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「先行投資」

2009年03月04日 | 趣味・・エッセイ
     2月始め、孫に引かれてお上りさん。歓声を上げたあの日から早1ヶ月。
     旅行記の一端を朝日新聞に投稿しました。久しぶりの掲載に気をよくしています。
     二番煎じながら、今一度、東京見物にお付き合い頂ければ有り難く思います。  

 この春、小学生になる孫のカー君。あれほど夢中だった新幹線の模型集めから一転、「東京タワーが見たい」と言い始めた。 テレビで東京タワーを見て興味を持ったらしい。

 火力発電所の煙突を見れば「東京タワーとどっちが高い?」と聞く。小高い山から海が見えると「東京タワーから海が見える?」と、目に入るもの全てが東京タワーとの比較になる。来る日も来る日も暗示を掛けられ、粘られた。

 ついに押し切られ、2月始め、本物を見せることに。孫、妻と一緒にお上りさん。3泊4日の東京見物と相成った。

 JR浜松町駅に降りたとたん、青空を突き刺すような赤と白の鋭い鉄塔が目を射る。指をさすカー君。興奮のためか言葉が出ない。しばらくして「東京タワー、ゲット!」。いきなりタワーを目がけて走り出す。

 お昼時のごった返すビジネス街では、我が物顔でスキップする。つないだ手を振りほどく。歓喜の表情で見上げる東京タワー。一目散に展望台へ。富士山や国会議事堂を探す。見つけるたびに大歓声。夢にまで見た本物の東京タワー。6歳児の胸に、脳裏に、どのようなインパクトを与えられたのだろう。

 今、ジジ、ババに出来る孫への学費の先行投資。さて、その効果やいかに―。 
    

      (2009.03.04  朝日新聞「声・特集テーマ 『学費』」掲載)

    ( 写真: 浄土宗大本山「芝 増上寺」の境内からみる、東京タワー )
コメント (10)
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