国道を少し外れて農免道路に入ったとたん、目に飛び込んでくる季節の風景。
台風10号に大きく傷められなかった稲穂が、至る所黄金色の絨毯となってさざ波の如く揺れている。1年に1度はカメラをぶら下げて、ブラっと歩いてみたくなる里の秋である。
あれだけの雨風の後だから、被害ゼロとは言わないが、どう見ても大きなダメージには至っていない。もちろん、風に煽られた田んぼの中ほどは、稲が薙ぎ倒され這いつくばった形にはなっている。しかし最近のコンバインの性能の良さを考えると、その時が来れば楽に刈り取ってくれるに違いない。
どう考えても不作には見えない。間違いなく豊作のさざ波である。間もなくここらあたりの農協や農家直通のルートに乗って、豊富な美味しい新米が出回ることだろう。
そいうえば昨年も同じような光景を目にしている。黄金色が波打ち作況指数も上々だったはずである。
ところが、何がどう狂ったのかスーパーのおコメ売り場から米袋が消えた。朝一番にお米目当てで列をなせばなんとか手に入るとという厳しい競争だという。誰が何を目的に質の悪いイタズラでもしているのだろうか。案外個人の家の米びつに余るほどの買い置きがあるのかもしれない。
ま、実際に品薄な事実は有るのかもしれないが、大丈夫、間違いなくお米は出回りますよ。
米の相場と金融市場には、どこかに巨大な化けモノがいて、高笑いしながら懐を緩めたり締めたりして暴利をむさぼる輩もいるというから、誠に厄介ではあるが、現実お米は豊作ですよ。慌てなさんな、買占めに走るそこのアナタ。