( この写真は、東京、新大久保駅からすこし歩いた所にある住宅街です。けっこう古い木造
アパートも残っています。《 2009年6月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その31
「 沢井さん。この『 長州力 』とは行動派政治勢力の意味なんだ、
だからこの記事は、クーデター実行を・・・・・・ 」
リョウさん( 仮名:内海遼一、岡山県出身、Jプロ勤続14年目、88年当時33
歳 )は、友人の沢井さん( 仮名、沢井晋一、リョウさんより1つ上の34歳 、
写真家 )に新聞のテレビ欄を指さしながら話しかけますが・・・・・
その内容を理解できない( 当然か・・・ )沢井さんは、しだいに苦痛を感じ
始めるのでした・・・
『 内海、何言ってんだか全然わかんね~よ 』
『 オレは、政治の話は嫌いなんだ! 』
沢井さんは、イライラしながらリョウさんを無視し、野球中継のボリューム
を上げます・・・・。
「 沢井さん。この『 維新軍 』という言葉が・・・軍事行動を起こす
部隊を意味していて・・・ 」
『 ・・・・・・そろそろ替え時かなぁ・・・・・・ 』
「 天皇をどう思います・・・? 日本が大変な事になる・・・! 」
『 ・・・・・・歩かせるなよぉ・・・・・・ 』
「 沢井さん・・・・・・ 」
沢井さんは、リョウさんの方を見向きもせず、うなずきもせずにテレビを見
続けている・・・「 帰ってくれ 」と言わぬばかりに・・・・!
テレビの「 野球中継 」ではなく、この時のリョウさんの「 言葉 」を冷静に
聞いていれば・・・リョウさんの思考に異常がある事を理解出来たかも知
れない・・・そして、対話の如何によっては早期に治療を受けるチャンスが
あったかも知れないのに・・・・・。
しかし・・・リョウさんは、自分の話をまったく聞いてくれない沢井さんの
部屋を後にします・・・「じゃ・・・」と、一言だけ簡単な挨拶を残して・・
・・・・・。
リョウさんが京都旅行から帰ってJプロの仕事を早退した翌日・・・新宿アル
タ前の公衆電話からJ先生に仕事に行けない事を告げたきり、Jプロとは、ま
ったく連絡が取れなくなっていました。
リョウさんは、椎名町にある自分の下宿にもほとんど帰らず、新宿や高田馬場
辺りを歩き回り、タクシーに乗って京都へ行こうとしたり、マンションの屋上
から警察に連行されたりしたわけです。( 前回までに書いた通りです )
さて、新大久保の沢井さんのマンションを後にしたリョウさんは、高田馬場と
目白の間・・・目白台の坂道近くにある小さな古い木造モルタルアパートを訪
ねていました。
そこには、リョウさんと特に親しかった友人の葛西新吾さん( 仮名、山口県
出身、当時リョウさんより3つ年上の36歳 )が住んでいました。
葛西さんは、映画のシナリオライターを志望している人物で、昼間は食品関係
の工場でアルバイトをして生計を立てていました。
以前、「 第6章その7 」でリョウさんが好きだった椎名町のスナック「 K 」
のママさんの事を書きましたが、そのママさんへの想いを相談していたのが、
この葛西さんでした・・・。
そして、リョウさんは、葛西さんのアパートに行って話し込みます・・・・・。
6畳一間の小さなアパート・・・。 時刻は、深夜・・・・・。
埃をかぶった古い蛍光灯の青白い光に浮かぶリョウさん・・・・・
少し話し始めた時・・・葛西さんは、リョウさんがいつものリョウさんではなく
・・・何かに取り付かれた様な異様な雰囲気がある事に気付くのです・・・・・
それは・・・・葛西さんをゾッとさせる程鋭い目つきと、クルクルと人格を変え
ながらしゃべり続ける不気味な姿でした・・・・・・・・
『 リョウちゃん、変だよ・・・・ 』
「 漫画家アシスタント 第6章 その32 」 へつづく・・・
★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第6章 その30」へ戻る 】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ お知らせ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★ このブログ「漫画家アシスタント物語」が書籍化されました!
詳しくは・・・ 《書籍化のお知らせ》
★ 拙作、文庫本『 劇画 蟹工船 覇王の船 』も発売中!
○ 送料がかかってしまいますが・・・ 《アマゾンのネット通販》
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【 各章案内 】 「第1章 改訂版」 「第2章 改訂版」 「第3章 改訂版」
「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」
アパートも残っています。《 2009年6月、撮影 》 )
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「 沢井さん。この『 長州力 』とは行動派政治勢力の意味なんだ、
だからこの記事は、クーデター実行を・・・・・・ 」
リョウさん( 仮名:内海遼一、岡山県出身、Jプロ勤続14年目、88年当時33
歳 )は、友人の沢井さん( 仮名、沢井晋一、リョウさんより1つ上の34歳 、
写真家 )に新聞のテレビ欄を指さしながら話しかけますが・・・・・
その内容を理解できない( 当然か・・・ )沢井さんは、しだいに苦痛を感じ
始めるのでした・・・
『 内海、何言ってんだか全然わかんね~よ 』
『 オレは、政治の話は嫌いなんだ! 』
沢井さんは、イライラしながらリョウさんを無視し、野球中継のボリューム
を上げます・・・・。
「 沢井さん。この『 維新軍 』という言葉が・・・軍事行動を起こす
部隊を意味していて・・・ 」
『 ・・・・・・そろそろ替え時かなぁ・・・・・・ 』
「 天皇をどう思います・・・? 日本が大変な事になる・・・! 」
『 ・・・・・・歩かせるなよぉ・・・・・・ 』
「 沢井さん・・・・・・ 」
沢井さんは、リョウさんの方を見向きもせず、うなずきもせずにテレビを見
続けている・・・「 帰ってくれ 」と言わぬばかりに・・・・!
テレビの「 野球中継 」ではなく、この時のリョウさんの「 言葉 」を冷静に
聞いていれば・・・リョウさんの思考に異常がある事を理解出来たかも知
れない・・・そして、対話の如何によっては早期に治療を受けるチャンスが
あったかも知れないのに・・・・・。
しかし・・・リョウさんは、自分の話をまったく聞いてくれない沢井さんの
部屋を後にします・・・「じゃ・・・」と、一言だけ簡単な挨拶を残して・・
・・・・・。
リョウさんが京都旅行から帰ってJプロの仕事を早退した翌日・・・新宿アル
タ前の公衆電話からJ先生に仕事に行けない事を告げたきり、Jプロとは、ま
ったく連絡が取れなくなっていました。
リョウさんは、椎名町にある自分の下宿にもほとんど帰らず、新宿や高田馬場
辺りを歩き回り、タクシーに乗って京都へ行こうとしたり、マンションの屋上
から警察に連行されたりしたわけです。( 前回までに書いた通りです )
さて、新大久保の沢井さんのマンションを後にしたリョウさんは、高田馬場と
目白の間・・・目白台の坂道近くにある小さな古い木造モルタルアパートを訪
ねていました。
そこには、リョウさんと特に親しかった友人の葛西新吾さん( 仮名、山口県
出身、当時リョウさんより3つ年上の36歳 )が住んでいました。
葛西さんは、映画のシナリオライターを志望している人物で、昼間は食品関係
の工場でアルバイトをして生計を立てていました。
以前、「 第6章その7 」でリョウさんが好きだった椎名町のスナック「 K 」
のママさんの事を書きましたが、そのママさんへの想いを相談していたのが、
この葛西さんでした・・・。
そして、リョウさんは、葛西さんのアパートに行って話し込みます・・・・・。
6畳一間の小さなアパート・・・。 時刻は、深夜・・・・・。
埃をかぶった古い蛍光灯の青白い光に浮かぶリョウさん・・・・・
少し話し始めた時・・・葛西さんは、リョウさんがいつものリョウさんではなく
・・・何かに取り付かれた様な異様な雰囲気がある事に気付くのです・・・・・
それは・・・・葛西さんをゾッとさせる程鋭い目つきと、クルクルと人格を変え
ながらしゃべり続ける不気味な姿でした・・・・・・・・
『 リョウちゃん、変だよ・・・・ 』
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