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れんげ野原のまんなかで  森谷明子

典型的なお仕事ミステリー。図書館ならではの事件を、新人の司書と謎の多いベテラン司書のコンビが解き明かしていく。事件の内容もお仕事ミステリーらしく、あまり深刻なものではなく、最終話を除いてどちらかといえば微笑ましい類のものばかりだ。あまりにも定番のお仕事ミステリーで、読んでいるうちにだんだん飽きてきてしまうのも、お仕事ミステリーにありがちなところだ。普通の仕事をしていて、大きな事件に遭遇することはあまりない。話を面白くしようとすると現実味がなくなってしまうし、現実味を大切にすると面白くなくなるというのが、こうした日常ミステリーの課題だが、本書はその辺りのジレンマにしっかり陥ってしまっている気がする。(「れんげ野原のまんなかで」 森谷明子、創元推理文庫)

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