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ミッドナイトジャーナル 本城雅人

7年前に大きな誤報をしてしまった3人の新聞記者のその後の奮闘を描く本書。7年後に似たような事件が起こるのだが、果たして7年前の事件は本当に誤報だったのか、事件の真相は何処にあるのか。そうした謎に徐々に迫っていく展開に、読者は引き込まれていく。本書のもうひとつの醍醐味は、事件を追う新聞記者たちの、同じ新聞社の他の部署の人たち、他の新聞社の記者たち、あるいは取材相手である警察や関係者たちとの複雑なやり取りが克明に描かれていることだ。複雑過ぎて、何もここまでと思うのだが、ほんの小さな言葉遣いの違いが大きな情報の獲得に繋がったり、逆にちょっとした気配りの不足が真相への道のりを遠くしてしまったりと、何て新聞記者という仕事は大変なんだろうと、思わざるを得ない。各書評で絶賛されているのも納得の一冊だった。(「ミッドナイトジャーナル」 本城雅人、講談社)

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